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2011年 北陸・甲信旅行記Vol.1

寝台特急カシオペアで上京、奈良井宿・昇仙峡・東尋坊

11/09/19~11/09/30   11泊12日
札幌→東京→甲府→松本→金沢→福井→敦賀→苫小牧(大人2名)

経費
交通費 カシオペア・ツイン @34,220×2名=68,440円
フェリーすずらん&nbsp1等洋室ツイン @18,500円×2名=37,000円
JR東京→金沢 @7,140円×2名=14,280円
JR金沢→敦賀 @2,210円×2名=4,420円
53,770円
宿泊費 東横イン甲府駅前南口 ツイン(1室2名)=6,384円
スーパーホテル松本駅前 喫煙スーパールーム&nbsp@5,400円×2名=10,800円
天然温泉 加賀の湧泉ドーミーイン金沢 禁煙ダブル&nbsp@3,400円×2名×3泊=20,400円
東横イン福井駅前 禁煙ツイン(1室2名)@7,581円
拝観料&入場料 兼六園、忍者寺&nbspほか 5,050円
食事代 外食&食糧 32,784円
雑費 傘ほか 11,155円
総計  272,064円


旅程
1日目 寝台特急カシオペア
2日目 ●息子宅に到着
3日目 ●台風15号・天狗で雨宿り
4日目 箱根
  ○はこね1号(ロマンスカー)
  ○登山鉄道
  ○ケーブルカー
  ○ロープウェイ①
  ○大涌谷
  ○ロープウェイ②
  ○登山バス
●飛烟の瀧・玉簾の瀧・玉簾神社
跨ぎ撫で観音
● かっぱ湯
●小田急ドラえもん電車
5日目 武田神社
●武田信玄の墓


泊まったところ 東横イン甲府駅前南口
食べたところ 天狗 豚しゃぶと鯖の味噌煮ランチ
はつ花 山かけそば
ほうとうの老舗・小作 南瓜ほうとう
奥藤 甲府鶏もつ煮、盛りそば
閑話 ●子連れの嗜み


食べたもの 玉だれ豆腐&ごま豆腐&豆乳杏仁豆腐 荻野豆腐店
ミックスジュース HONEY'S Bar
焼き鳥、鳥モツ煮 地どり屋

1日目  出発編   今日の歩数=11,220歩  晴

「一度、夜行寝台のカシオペアに乗ってみたい」と家人が言った。が、3月にカシオペアの予約を済ませた途端に東日本大震災が起こり、結局は運休になってしまい、今回は再挑戦。東京の息子宅を覗いて、北陸・甲信地方へ足を伸ばす予定。「東京から敦賀まで行くの?随分 遠くまで」と息子。「北海道人は津軽海峡を超えたら、後はどこまで行っても同じ感覚だよ」と威張っててみる。

11/09/19 寝台特急カシオペア


カシオペアツインは、(1人)寝台料金@13,350円+特急料金@2,940円+運賃@17,930円=34,220円。

室内は、思いのほか狭い。考えてみれば、車両の幅から通路スペースを差し引いた空間が客室。狭くて当たり前。その限られた空間の随所に工夫が見られる。

窓についているテーブルは、夜ともなれば畳んで収納。 ソファーは、カギ型に広げて縦横2人分のベッドとなる。部屋のトイレを使用時は、洗面台を畳んで壁に収納する。

窓から駅構内を見ると、目の位置が乗降客の足元。ここは1F客室。視線のやり場に戸惑っていたら、ホームの向こうから手を振る若い女性。知り合いではない。「ねぇねぇ、カシオペアだよ。」と隣の友人の袖をひいている。手を振り返したら、2人揃って両手を大きく振って見送ってくれた。いい旅になりそうな予感。

朝 目覚めると部屋のドアノブに朝刊がかかっていた。なんだか、オリエント急行にでも乗った様なお大尽さま気分。ただ、隣の部屋のドアとこちらの部屋のドアがシンメトリィ。家人が、「鍵がかからないぞ」。そりゃあそうだ。家人が懸命に打ち込んでいる認証番号。ソレはお隣のドアの認証リーダーだよ。


ダイニングカー
和定食

和定食@1600円

ごはん、味噌汁
焼き魚
卵焼き
かまぼこ
わさび漬け
香の物
デザート
コーヒーor紅茶
洋定食

洋定食@1600円

パン・ミニサラダ
ロースハム・ソーセージ
ハッシュドポテト
スクランブルエッグ
ジュース
フルーツのヨーグルトかけ
デザート
コーヒーor紅茶

食後は、ラウンジカーへ。ここでお弁当を食べている方もいる。まもなく終着駅・上野に到着するというのに、外は雨。 上野が近づく程に、家人がタメ息をついた。「まだ乗っていたい」。
2日目   息子宅編   今日の歩数=18,717歩  曇り

息子宅に到着。今回は鳩がいないようだ。どうやら、彼女もいないようだ。
3日目   台風15号編   今日の歩数=13,377歩  雨
11/09/21 天狗

豚しゃぶと鯖の味噌煮
@680円

明日、息子と3人で箱根を訪れる予定。リサーチかたがた、ロマンスカーの切符を手配しに新宿へ出た。 小田急トラベルで用事を済ませた後は、都心を歩く腹積もりが生憎の雨。

新宿で雨宿りがてら昼食をとって、お天気の様子見をすることに。
雨を逃れて飛びこんだビルで、居酒屋チェーン「天狗」でのランチと相成った。 「天狗ならどこでも食べられるだろう」と息子はあきれ顔。下戸の家人は「そうなのか」って、仕方がなかったのさ。 だって、雨宿りだもの。雨のせいか店内は結構な混み具合だったし、鯖の味噌煮は旨かった。 北海道では見かけないこの店、案外雨宿りの穴場だったかも。

進度が遅い台風15号は、居座り続けて時間とともに雨風が酷さを増す。 午後からの予定はとりやめ、息子宅へ直帰。傘は壊れるわ、体が飛ばされそうになるわ、 バッグの中の財布のお札まで濡れてびしゃびしゃになるわ。部屋に濡れた札を広げテレビをつけてみれば、何やらニュースが騒がしい。 私たちが帰途へついたすぐ後、多くの電車が止まってしまったらしい。あと30分都心をうろうろしていたら、 私と家人は帰宅困難者になっていた可能性が高い。息子は、電車が止まり夜遅くに徒歩で帰りついた。

今年はなんとご縁があるのだろう、台風。沖縄では、台風1号のためホテルで足止めをくらったし、今度は台風15号。 旅に出ると、台風が追いかけてくるのは何故?
4日目   箱根 編   今日の歩数=26.357歩  曇

経路

町田→(ロマンスカー)→箱根湯本→(登山鉄道)→強羅→(ケーブルカー)→早雲山→(ロープウェイ)→大涌谷→(ロープウェイ)→桃源台→(登山バス)→箱根湯本→(徒歩)→温泉郷→(徒歩)→早雲寺→(登山道を徒歩)→箱根湯本→かっぱ湯→箱根湯本駅から電車で町田へ。

登山鉄道とケーブルカーとロープウェイで一気に山頂付近まで登り、そこからバスで下山し、箱根湯本界隈を徒歩にて散策という予定。
11/09/22 箱根
はこね1号(ロマンスカー)       町田→箱根湯本


町田→箱根湯本(特急急行・はこね1号)乗車券@870円(都内~)+特急急行券@600円=@1470円(1人)。
眺望席も同じ値段とのことで、昨日 新宿の雨の中を小田急トラベルへ手配に走ったのだが、あいにくと前部はすでに満席で後部の2列目がとれた。

走行中の景色は、ワイドな窓からの180度全開ビュー。昨日の台風の残骸が残り、川は増水気味で所々木が倒れているところも。運休にならなかっただけでも、有難い。富士山も、見えそうで見えないけれど。

ただ、シートの心地がよく窓ガラス部分が大きくて、ゆったりなのは、嬉しい。
登山鉄道     箱根湯本→強羅

箱根湯本→強羅  @1050円(1人)。 

ここからが、箱根の本髄。箱根湯本から強羅までは「小田急箱根線」が走っていて、スイッチバックなしで行くことが出来るのだ。どころか、ケーブルカー区間から早雲山、桃源台までも乗り入れているのだと。なんでこんなに乗り換えるんだ、私たち。と思ったら、鉄道大好きな家人への息子からのサービスだった。

ちなみに、スイッチバックとは、険しい斜面を行く場合、今まで走行してきたのとは反対方向へと鋭角的に進行方向を転換して、ジグザグに敷かれた線路を進むこと。箱根湯本から強羅まで3回のスイッチバックが行われ、箱根湯本で先頭だった車両が強羅では最後尾になる。その都度、運転手は先頭車両から一番後ろの車両へと乗り換えて運転を続ける。なんとも、のんびりとした走行風景だ。乗客の多くがこのスイッチバックを楽しみに乗り込んだであろうことは、想像にかたくない。これぞ、鉄キチ垂涎。家人の目が嬉々と輝いたのは、言うまでもない。

ケーブルカー    強羅→早雲山

ケーブルカーの線路

強羅→早雲山 @1230円(1人)。

ケーブルカー区間はここだけなので、勿論のる。
森の中を淡々と走る姿は、なかなかに味わい深い。にしても、この山の中にレールを敷きケーブルを通すなんて、凄い難工事だったろう。

ちなみに、運転は頂上駅の機械室で行われ、車内の乗務員がドアの開け閉めを担当しているそうだ。
ロープウェイ① 早雲山→大涌谷

早雲山のロープウェイ乗り場

早雲山→大涌谷  @820円(1人)。
箱根が一望できるので、気持ちがいい。天気が良ければ、富士山や大文字焼きで有名な妙高山も見渡せるとか。

しかし、昨日の台風でそれは無理。
大涌谷

大涌谷黒たまご@500円

大涌谷に近づくと、もんもんとした白煙が鼻を刺す。これは、硫黄か。

まず、名物・黒たまごを食してみねば。 温泉池の中で1時間ほど茹でると、温泉に含まれる硫化水素と鉄分が結合し硫化鉄となり、卵の殻が自然に黒くなるのだと。 しかし、中身は白い普通のたまご。1個食べると7年長生き出来るとのこと。息子は2個も食べた。 14年か。甘党の家人と息子は、「たまごクリームソフト」にも飛び付き満足そう。甘いものに目がない我家の男ども。

それはともかく、ここの名物は「黒たまご」に「黒カレー」「黒ラーメン」。なにゆえに、何でも黒なんだろう。と思って、道端の店に目を転ずれば、果物店があった。「なんで、ここで果物」と見れば、売り子さんも「黒い」。日焼けしているのではなく、DNA的に「黒い」他国の人。いくら「黒い」名物を揃えているといっても、それはブラックユーモア。

ロープウェイ②  大涌谷→桃源台

海賊船(芦ノ湖)

息子の予定では、大涌谷から箱根の地上に降りて徘徊する。 しかし、ここまで来たのだし、この先もうちょっと行って見るか。となった。

大涌谷→桃源台@1020円(1人)。 これって高くない? やっと気がついた。昨日新宿で箱根観光のおじさまに強く勧められた東京から箱根まで込みで@5000円。 箱根ではケーブルカー&ロープウェイ&海賊船&バスが2日間フリーで乗り降りできるのだと。かなり心が動いたが、今回の旅は息子が添乗員。だが、彼は仕事中で連絡もとれない。勝手に私の一存では決めかねる。という次第で断念したのだ。断然、おじさまの話に乗った方が、安上がりだったみたい。

ただ、今日は昨日の台風の影響で海賊船は運休。 それでも、高い。割引周遊券箱根フリーパス@5000円は、お勧め。

登山バス  桃源台→箱根湯本

箱根湯本駅前

桃源台→箱根湯本   @1020円(1人)

箱根を走るバスの走行経路は、山また山の急カーブの連続。 このスピードで大丈夫か。 と不安になるが、この見事なハンドルさばき。 よっぽど、運転が好きでなければ酔いそうだ。

やっと戻ってきた、湯元。 ずっと上から箱根を眺めてきたが、バスで箱根の郷をへめぐって、箱根の地形が見えてきた様な。

さて、箱根湯本界隈をを徘徊する前に、腹ごしらえ。
目の前の「箱根町観光案内所」前に、交通警備のオジサマがいた。息子が尋ねる。 「ここで何処か美味しい店はありますか」。オジサマは、間髪を容れずにのたもうた。 「ない!特に美味しい所もないけれど、美味しくない所もない。」

はつ花

山かけそば

「そんなら、話の種に箱根人気の蕎麦を食べてみよう。 店は、駅の近く・温泉郷でみつかった。

行列の末にやっと入店出来たと思えば、なんと2Fの円卓席。 左手で箸を操る私は、隣にぶつかり恐縮。 注文したのは、勿論この店で一番人気の「山かけそば」。 汁は温汁。愚息は冷汁バージョン「貞女そば」@950円。 暑い時節柄、こちらのオーダーの方が多かったような。 「美味しい。」というネットでの大変な反響とは裏腹に、私的には。 かけそばにトロロ芋をのっけちゃうと、これは完璧トロロの独り舞台。 蕎麦の麺の味わいも、蕎麦汁の味もすっかり消えた。 蕎麦は蕎麦で、トロロはトロロのままで味わいたい。私の主観。@950円。息子の「貞女そば」の感想も又しかり。北海道人の味覚とは、違うらしい。
萩野豆腐店


「はつ花」の近くで、豆腐屋さんを発見。

江戸時代の創業で以来200年の老舗。天然にがりと湯坂山の湧き水を使った豆腐が食べられるのだそうな。 とは言え、店舗内にテーブル席がある訳ではなく、入口のベンチで食べることになる。

食後なので、3個を3人でシェアして食べる。 玉だれ豆腐@250円は、昔懐かしい豆腐味。 ごま豆腐@250円は、胡麻が香ばしい。 そして、豆乳杏仁豆腐@350円は、デザートっぽい感じ。 にがりの味、随分久しぶりだ。 生憎これから湯本あたりを徘徊予定なので、持ち帰りは断念せざるを得なかった。
 徒歩      箱根湯本→温泉郷
飛烟の瀧&玉簾の瀧&玉簾神社

飛烟の瀧

飛烟の瀧は、高さ約20m・幅約10m。 水しぶきが煙のように立ち込めるという意味で「烟」の字がついたと。 瀧の前に立っている豆粒ほどの人影は身長184cmの息子。豪壮な瀧の大きさに改めて圧倒される。

次に控える玉簾の瀧は、高さ約8m・幅約1m。 流れ落ちる清水が「玉簾」のように細かく美しいことから、この名が付けられた。 飛烟の瀧とは、又違った趣。瀧の水は、延命水として江戸時代から旅人に愛飲されていたそうだ。

2つの瀧のあいだには「玉簾神社」がある。 元はこの地の小田原城主・稲葉氏の邸内社として江戸時代に創建された。 芦ノ湖の守り神「九頭龍明神」を祀る箱根神社の唯一の分社で「水の守り神」&「縁結びの神様」。

これらは、実は「天成園」というホテルの敷地内にある。 今年1月まで、コメディアン・清水アキラが一年間住み込みでステージを勤めていたホテル。 私有地の中に大きな瀧が2つと神社があるとは、何ともスケールのでかいお話だ。

跨ぎ撫で観音

ここは、箱根観音。
只今 工事中で大工さんが仕事中だった。 同じ敷地の少し下にあった「跨ぎ撫で観音」に行ってみた。 太く長い棒の先に観音様がおいでになる。 それを跨ぎ、自分の悪い所と観音様の同じ所を撫でさすれば、 次にお詣りする日までには願いが成就すると言われている。

ヘルニア持ちの息子は腰を、家人は頭を撫でた(?)。
 徒歩      温泉郷→箱根湯元駅前
かっぱ湯    

息子いわく「箱根のシメは、風呂。 途中で入ってあと汗かくと意味がないので、駅前で済ませて帰途というのがいいかな」。 入念に息子がリサーチしてくれた、かっぱ湯・日帰り入浴@750円。

立地は抜群の箱根湯本の駅前。
「ここだ」と喜び勇む我れら3名。 しかし、階段が急で段数も多い。息を切らせ、上り切る。

入り口で料金を払い、さらに階上の脱衣場へ。 脱衣棚の向こうは窓も壁もない、まごうことなき下界。 バッタがベンチ椅子でほっこり寛いでいる。 確か外に「野天風呂」と書かれていた。念の行ったことに、脱衣場も野天か。

風呂は、野天風呂と称する風呂が一個ぽっきり。 息子は「ちょっと、淋しい。」と言う。が、透明のお湯は肌に纏わりつき心地よい。

<かっぱのおなご>
浴槽・給湯近くの陶器製カッパのおなごが、野性的で何とも色っぽい。 入浴客がほとんどいない貸し切り状態は、最高。 電車の時間には間があるので、1階下の休憩室でブレイク。 食事も出来るが、満腹でお茶だけの私たちを嫌な顔もせずに遇してくれた。

総括:
※ここへ着くまでの登山中に蚊に喰われ、この湯に入ったらすっかり傷跡が渇いて完治した。
小田急ドラえもん電車    

往路はロマンスカーで少々贅沢気分を味わったので、帰りは普通電車で帰る。 町田までは「小田急ドラえもん電車」。

川崎市藤子・F・不二雄ミュージアムのオープンを記念し、 8月3日から運転中の特別電車「小田急F-train」の車体へのラッピング装飾をしたモノ。 9月30日をもって終了する。その理由は、東京都の屋外広告物条例に抵触したため。

条例への抵触内容は、
(1) 許可申請を実施しなかったこと:東京都屋外広告物条例第23条、
(2) 広告物の面積が基準(車体1面の10分の1以下)を超えていたこと:東京都屋外広告物条例施行規則第19条。

ただし、車内の装飾は継続するそうな。

ドラえもん列車で、喜ぶ人はいても不快に思う人はいない。 最高の地域おこしとなるだろうに。 2カ月弱しか運行されなかったこの電車に、たまたま乗り合わせた。何と言う幸運。

HONEY' BaR

買いに走る息子

乗り換えの八王子駅構内。

次から次と人がやってきて、ジュースを買って飲んで行く。 息子が気を利かせて買って来た。ミックスジュース@150円。蜂蜜味。おいしい。

こんなに売れているのは、電車待ちの隙間時間に日頃の野菜不足を補っちまおう。 という忙しい現代人の心理が垣間見えて、面白い。 商機はこんな処に転がっているのかもしれない。
11/09/22 地どり屋

お皿が1.2枚しかない独身男の息子宅。
前夜の弁当容器が皿がわり。

夕飯は外食?それとも、持ち帰りの家食?

気がつけば、息子宅が近づいていた。 最寄駅周辺は、焼き鳥屋がやけに多い。今夜は、焼き鳥で「家ごはん」。

駅を出てすぐの所にある間口の狭い持ち帰り専門店が、息子のイチオシ。 ソフトバンク孫社長似の男性が、1人で切り盛りしている。焼き鳥は1本105円。 肉塊がでかい。一緒に「鳥モツ煮」も買い求めたが、写真を撮る前に食べてしまった。美味。

焼き鳥には、ビールがつきもの。←誰が決めた。 ぬかりなく、呑み助の息子が「さがみビール」という地ビールを駅前で入手してきた。 息子と私とで、乾杯。家人は、下戸でごじゃる。
5日目   甲府編   今日の歩数=24.983歩  雨のち曇

息子が出勤するのを見送って、私と家人も出発。ここから、二人旅のはじまり。
最寄駅8:45発の電車に乗り込んで、一路甲府へ。 23日(祝日)の金曜日、3連休の初日は何と言う混みようなんだろう。甲府着11:06分。
11/09/23 東横イン甲府駅前南口

今夜の宿は東横イン。やっとツイン1室を予約出来たのだ。

駅から徒歩2・3分の立地は、市内観光も抜群に便利。 取り敢えず、フロントで宿泊の手続きを済ませる。 荷物を部屋に置いて、早速 市内近場へ飛び出した。

朝、東横イン定番のお握りを、食堂代わりの入口フロアでいただく。 早めに行ったので席は確保できたが、大変な混み様。 ふらっと来た若い外人が、ヴァイキングの列に並び小さなパンを1個手にして出ていった。ライダーか。
11/09/23 ほうとうの老舗・小作

入口で

南瓜ほうとう@1100円

甲府と言えば、武田信玄。 信玄と言えば、陣中で食べた「ほうとう」。 地元では、自分の家で作るのが常らしい。 が、今夜の宿の向かえに「ほうとう」の老舗店がある。

人気店だけに、店内は込み合っていた。オーダーは、この店の一番人気「南瓜ほうとう」。 麺が太くてワイルドな歯ごたえと口当たりは、癖になりそう。 「ほうとう」の具材はありあわせの野菜で良いそうだが、溶けかかった南瓜が汁に馴染んで実にいい味を引き出していた。 信玄さん、美味しいものを有難う。
11/09/23 武田神社

初宮参り

甲府駅の北2キロに、「躑躅ケ崎館」と呼ばれた武田家三代(信虎・信玄・勝頼)の館があったそうな。 武田氏はこの地で栄華を極め、63年後滅亡し、館は取り壊された。今は跡のみ。 ここに神社が建立されたのは、大正8年のことだと言う。

目の前を歩くのは、初宮参りの一家。祖父と父親も傍にいて、皆弾けるような笑顔だ。 今日は、赤ちゃんの初宮参り。

初宮参りは、赤ちゃんの誕生を祝い健康と長寿を祈って生後1ヶ月頃に神社に参拝するのだと。 正式な作法では、父方の祖母が赤ちゃんを抱っこする。その祖母の背中を見て、びっくり。 ご祝儀袋が幾つもぶら下がっているではないか。その中のひとつのご祝儀袋の文字を見る。「祖父母」。

どうやら、関西地方の習慣で「紐銭」というらしい。 「扇子」と呼ばれる袋にお金を入れ、赤ちゃんが着ている祝着に紐でくくりつける。赤ちゃんが、 お金に困ることなく幸せに生きて行けるようにという願いを込めて親族が贈るものだと。 その額は、昔は5円玉や50円玉など真ん中に穴が開いていて紐が通しやすいものが用いられた。 最近は、赤ちゃんの靴が買える程度の金額を包むことが普通だそうな。 概ね3000円から10000円。祝い事なので、数字は奇数。

最近は貸衣装も多くなったが、正式には赤ちゃんの祝着も父方の祖父母が贈るとのこと。 お爺ちゃんとお婆ちゃんになるのも、物入りなものだな。

武田を偲ばせるゆかりのものが、境内の庭にあった。

姫の井戸

信玄公の息女誕生の折り、産湯に使用した事に因り「姫の井戸」と名付けられたと云い、また「茶之湯の井戸」とも言われ、 この井戸より発見された茶釜等の品々が現在方仏殿に展示されており、当時の生活を推測する貴重な資料であるとともに、 この茶釜は勝頼公が京よりの客をもてなす茶会の折り使用した茶釜とも云われており、 屋形内で茶を点てるときにはこの井戸の水を用いたと言われております。(境内説明文より)

水琴窟
土中に底に小さな穴をあけた甕を埋め、そこにわずかな水を流す。 水はその穴から水滴となって落ち、甕の中で反響し、琴の音にも似た澄んだ音色を地中に響かせる。 一つの音文化の極致である。 江戸期、文化文政の時代に庭師によって考案させたこの技術は、茶室のつくばいや庭先の手水鉢に設けられ、数奇者たちに愛でられた。 昨今は「癒やし」の音として注目をあつめている。(境内説明文より)

添水
いわゆる鹿威しの一つ。 元来は、野山を荒らす鳥獣を追払う仕掛けであったが、数奇者(風流を好む人)手によって、庭内に転じ設けられるようになった。 動きと共に音を楽しむ日本独特の文化の発露である。(境内説明文より)

水琴甕の竹の先に耳を当てると、琴よりも可憐な音が途切れがちに聞こえてくる。なんて優雅な音だろう。

庭の傍の演舞台で「武田神社奉納舞」という催しに遭遇。10数人が立ち見していたので、私と家人も見物させてもらった。 舞台の正面には広い芝生があり、そこに折畳み椅子が3脚設置されている。 座っているのは、関係者らしき年配の男性2人。 やがて、1人が帰り、私たちに椅子を勧めた。 振り返ると、いつの間にか見物人は私と家人の2人のみ。

ただ1人残って座っていた男性は、マイクをしっかりと握っている。進行係だ。 数曲が無事済み、男性が次の曲の紹介をすると、舞台の踊り手たちから一斉にブーイングが起こった。 今終わった曲を、再び紹介してしまったのだ。プログラムを手に、しどろもどろの男性。 遠く離れて見ていた職員さんも踊り手たちも、ハラハラドキドキ状態。踊りどころではない。
11/09/23 武田信玄の墓

信玄の墓所

武田信玄は、持病の悪化で帰国途上の長野県下伊那郡阿智村で没した。 天正元年(1573)4月12日、享年53歳。 臨終のおり「喪を3年間秘す」様に命じたため、仮埋葬して3年後に遺骸を荼毘に付した。

武田信玄公御墓所は、甲府市岩窪にある。 武田神社からプラプラと歩いて、「岩窪」と住所表記されいる町内にたどり着いた。 ちょうど通りかかった年配の地元女性に、訪ねてみる。

私  「あの、武田信玄のお墓がこの辺りにあると聞いたのですが」
女性  「昔、行ったことがあるんだけど、どこだったかな」

周辺をぐるりと回った末に、やっと墓所を見つけ出した。 にしても、密やかだ 。墓の前の説明文によれば「ここ信玄公墓所は、近所の人々の心の支えとなっている」。 さっき道を尋ねた女性は、墓所の場所すらも知らなかったがな。
11/09/23 奥藤

甲府鳥もつ煮@500円

盛り蕎麦@600円・大盛り@810円

甲府鳥もつ煮は、山梨県の蕎麦屋「奥藤」で1950年頃2代目主人の塩見勇蔵が鳥もつを使った料理を発案し、 弟・塩見力蔵がレシピを完成させたそうな。 鶏のモツを、砂糖と醤油で照り焼き煮にしたものである。 一般的なもつ煮との違いは、汁がほとんどない点。

「甘辛くてこってり味。酒の肴にもってこい」なんだかモリモリ元気が出そう。

本来は蕎麦屋なので、蕎麦もちゃんと堪能してきた。うまい。

勝沼ワインのワンカップタイプ赤&白 各@323円
閑話
子連れの嗜み

その1


本日23日は金曜日で、3連休の初日。 甲府周辺には、登山者垂涎の山登りコースが随所にある。 加えて、彼岸。電車は、「山登り客」と「墓参のための里帰り客」で超満員状態だ。

一番先に電車に乗り込んだ私と家人は、窓側の向かい合った席を確保。 後を追う様に4・5才位の男の子を連れた老夫婦がやって来た。 祖父が孫を抱き、祖母は通路を挟んだ家人の隣席に上体だけ孫の方へひねって座った。 この時点で、孫の前の席は空席。「ここ、よろしいですか」と別の中年女性が、私の隣に腰を下ろした。 無論、孫と祖母のボックスも、電車が動き出す前に席は全て埋まった。

孫の男の子は、すでに飽きていた。祖父母の席を行ったり来たり。 靴をはいたまま、祖母の膝に乗ったり降りたり。 前の席の女性のパンツに靴が触れても、祖母は寝たふりで知らんぷり。 女性は本を読んでいるふり。 そのうち孫は奇声を発し、祖父のシートをのぼって裏側の客の頭を叩いた。 それでも、保護者たちは叱る様子もない。 モンスターそのもの。 「山があるのに山梨県か。」と子供にわかる筈もない駄洒落を言って、1人悦に入る祖父。

一家は、終点のひと駅前で降りた。 私の隣、祖母の向えの女性には一言の詫びも残さずに。 皆でひたすら耐えた時間は、長かった。 本から視線を外した女性が、ほっと吐息をもらし苦笑いを浮かべた。

埼玉の女性


私の隣の女性は、埼玉在住。 実家が甲府駅のすぐそばにあり、今は妹が生家に住んでくれているので、今日は墓参りに帰郷したそうだ。 「甲府市のいい所?やっぱり、昇仙峡かしら。 でも、今日は雨で足元が悪いので明日の方がいいかもしれませんね」

その2


夜、甲府鳥もつ煮を食べに行った時の話。 隣の席は、祖父母と息子夫婦と孫の一家。 4・5才の男の子は、家族たちが食事を楽しむ間にすっかり飽きてしまった。 すると、彼は落書き帳を取り出し、真剣な面持ちで描き続ける。 隣に座る私は、そっと覗いてみた。「怪獣?」と思わず聞く私。 「いや、迷路だろ」と家人も身を乗り出した。 ご両親はじめ祖父母の方がにっこり微笑み、それを見守る。 どうやら、絵の正体は「迷路」だった模様。

大人に付き合わせて子供が飽きるのは、当たり前。 飽きた時のために、他の遊び道具を準備しておくのは保護者のちょっとした配慮だ。 今朝電車の中で出会った祖父母と孫にしても、あの時 祖母が祖父と向かい合せに座れば、 孫の行動による他人への迷惑はカバー出来たはず。 通路の向こうの席に座り、我関せずとばかり祖父に子守を押し付け寝たふりを決め込んだ祖母は、無責任に過ぎる。註:絵中の「相棒」=家人。

「子連れの嗜み」、その両極を同じ日にみた。 子供は、未成熟。他人へ迷惑を掛けない様に気遣うのが保護者の務めだ。 そうして、子供に社会性を身につけさせるのも周囲の大人の役目。
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