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14東北Vol.1からのつづきです

2014年 東北旅行記 Vol.2

車中泊・日本列島第2弾は東北21日間。

旅程
13日目 致道博物館 山形県鶴岡市
致道館 同上
14日目 三法寺 山形県天童市
15日目 米沢城址 山形県米沢市
16日目 白虎隊十九士の墓 福島県会津若松市
さざえ堂 同上
野口英世記念館&生家 福島県耶麻郡猪苗代町
17日目 羽黒山五重塔 山形県鶴岡市
18日 ●道の駅・にしめ 秋田県由利本荘市
●道の駅・おおうち はーとぽーと大内 同上
19日目 入道崎 秋田県男鹿市
真山神社 同上
真山の万体仏 同上
20日目 阿仁合 秋田県北秋田市
田沢湖 秋田県仙北市
角館の武家屋敷 同上


泊まったところ ●道の駅・庄内みかわ マイデル 山形県東田川郡
●道の駅・いいで めぐみの里 山形県西置賜郡
●道の駅・喜多の郷 ふれあいパーク 福島県喜多方市
●道の駅・新潟ふるさと村 新潟県新潟市
●道の駅・象潟 ねむの丘 秋田県にかほ市
●道の駅・おおうち は~とぽ~と大内 秋田県由利本荘市
●道の駅・てんのう 夢と神話の里 秋田県潟上市
●道の駅・あきた港 秋田県秋田市


風呂 ●なの花温泉・田田 道の駅・庄内みかわ から徒歩10分 @400円
●市民いこいの家
 ふれあい荘
天童温泉・・市営 @100円
●道の駅・喜多の郷
 蔵の湯
ボイラー故障のため入湯税不要 @150円
●道の駅・象潟 
 温泉眺海の湯
展望温泉 @350円
●道の駅・おおうち 
 ぽぽろっこ 楠の湯
大広間休憩@100円 @300円+休憩@100円
●道の駅・てんのう ボイラー故障のため入湯税不要
・・高低温サウナあり
@250円
●新日本海フェリー
 あざれあ
海を眺めながらの入浴は、魚になった気分 無料


食べたところ ●桂や 麦きり
●道の駅・いいでのレストラン いも煮定食
●道の駅・喜多の郷のレストラン・ふるさと亭 喜多方ラーメン
●道の駅・おおうち レストラン・きぬさや きりたんぽ御膳


閑話 ●秋田県由利本荘市の魚・すがよ
●ハタハタの三五八漬け




13日目   道の駅・庄内みかわ 泊   曇り
14/05/20 桂や

鶴岡麦切り@700円

山形県鶴岡市。

鶴岡の特産品・麦切り。観光案内所で教えてもらった店を、訪ねてみた。

麦切りは、見た目うどん。が、うどんより細めでつるっとした食感が特徴。地元では年越しは蕎麦ではなく、麦切りを食べるそうだ。うどんを食べつけている私には、少々物足りない気もするが。

お運びさんは、揃って背中で爆眠する赤ちゃんを背負った若い女性ふたり。将来の跡継ぎたちか?眠りこけるその姿があんまり可愛くて、女性客から歓声があがった。
14/05/20 致道博物館

山形県鶴岡市。入館料@700円。

観光地図を手に、はたと足が止まった。「致道館」と「致道博物館」って、どう違うのだろう?まずは、博物館を覗いてみた。

致道博物館は、旧庄内藩酒井家の御用屋敷だった所。藩の宝物や地域の歴史的建造物、民具・農具・漁撈具などが展示されている。 致道館で使われた祭器や漢籍版木なども保管されているが、本来の致道館で展示されている祭器などはレプリカだとか。何だか、本末転倒。

見所は、手入れのいい庭や建物。これで@700円は、割高感が否めない。致道館に特化した博物館ならまだしも、名前が紛らわしい。
14/05/20 致道館

山形県鶴岡市。無料公開。

致道館は旧庄内藩の藩校で、江戸後期から明治にかけて藩政立て直しの人材育成を目的とした学問所。

その教育方針は、子供の天性に応じ長所を伸ばし知識の詰め込みを排除。子供が楽しみながら勉学できる工夫をし、子供に学びのきっかけを与え自ら学ぶ力を促すと言う現代にも通ずるもの。自学し解らない所を師に教えてもらう学習方法のため、館内は小部屋が多い。江戸期、これ程の教育がみちのくの片田舎で施されていた事に、驚きを禁じえない。

東北で唯一現存する藩学校からは、藩生たちの学びの息づかいがそくそくと伝わってくる。面白い。
14/05/20 なの花温泉・田田

山形県東田川郡。入浴料@400円。

庄内平野の田園風景の中、庄屋風の建物がでんと建つ。だから、田田(でんでん)か。道の駅と同じ敷地に、ホール・入浴・宿泊・食事施設などを併合した複合施設だが、広い敷地内に夫々別の建物なので、温泉入り口までは結構歩く。

無色透明とにごり茶褐色の泉質の異なる2本の源泉を、岩風呂浴場と石風呂浴場として別々に引く。男女日替わり制。今日の女湯は色つき湯の方。よって、男湯の家人は無色透明のはず。いづれにも、遠赤外線サウナとマイナスイオンルーム付設。 気持ちいい。

大きい風呂:ナトリウム塩化物泉      無色透明
小さい風呂:ナトリウム塩化物強塩温泉  無色透明だが浴槽内の鉄分酸化作用により茶褐色
14/05/20 道の駅・庄内みかわ マイデル

山形県東田川郡。マイデルは庄内弁で「待ってるよ」の意味。

あたりは一面の菜の花畑。今月初めが見頃で、咲き遅れた花房の黄色が目をひく。物産館・レストランなど一通り揃っているが、複合施設は盛り沢山のデラックスで、逆に不便。温泉に行くなら車で行った方が賢明だ。道の駅に温泉併設を謳うのは、少々無理がある。

トイレには「ゴミ箱撤去」の張り紙があった。それはいい。しかし、手洗いの水道が、飲料不可とは。その水で手を洗って細菌が体に入り大事に至ることはないのか? 思うに、道の駅はキャンピングカーも多く、水を大量に持ち帰るケースがままある。その対策か?施設側ばかりを攻められないが、嫌な気分だ。利用者も、利用させてもらう謙虚さと感謝の心を忘れてはいけないのだが。
14日目   道の駅・いいで 泊   雨
14/05/21 三宝寺

御霊屋

織田信長肖像画(天童市公式ページより)

山形県天童市。

駅の観光案内所で周辺地図を入手。「どこかお勧めの所がありますか」。係の中年女性に尋ねると「歴史、興味あります?」とにんまり。紹介されたのが、織田信長ゆかりの三宝寺だ。

ここには、信長の次男・信雄を祖とする天童織田藩の御霊屋がある。中に織田家歴代藩主の位牌が納められ、御霊屋の正面には信長の肖像画が飾られているそうな。宣教師が描いたもので、生前の信長に最も似ていると言われる。非公開。教科書で見慣れたつるんとした顔よりも、ずっとリアルだ。
14/05/21 市民いこいの家・ふれあい荘

山形県天童市。入浴料@100円。

住宅街の中にひっそりと建つ公衆浴場。客はほとんど地元のお爺ちゃんやお婆ちゃん。入り口の券売機で入浴券を買っていたら、奥に座った年配男性から声がかかった。 「どこから来たの?ひやぁ、遠くから来たね。駐車場に札幌ナンバーの車があったもね」。ほんわかとした雰囲気が漂う。

お婆ちゃんたちは、慣れた様子で、そっと湯船に浸かった後 使った桶を元に戻し、体の水分を拭き取り 脱衣所へ。マナーがいい。人々がゆったりとし、安らぎの空間で至福の時を過ごした。

泉質:ナトリウム・カルシウム硫酸塩泉 弱アルカリ性高温泉  無色無臭
14/05/21 道の駅・いいで めぐみの里

いも煮定食@850円

山形県西置賜郡。

山形や仙台への交通の要所。PM18:00までには、到着したい。目当ては、ファーストフードコーナーのいも煮。幸いにも、閉店15分前に滑り込むことが出来た。

いも煮定食のご飯は、白飯・五目ご飯・チャーハンがお変わり自由。残り物に福あり。私は、炊飯器の底に残った混ぜご飯を残らず茶碗に盛る。それを見た店のおばちゃんが「あら、助かる。全部食べてもらえて」。一方、家人は白飯を平らげ、唯一残っていたチャーハンの底をさらった。又しても、おばちゃんが嬉しそうに歓声をあげる。そも、葱やメンマ、福神漬けなどの薬味が自由で、生か茹での卵を一個サービスというのも、今時珍しい気前の良さだ。この大判振る舞いが、ほのぼのと温かい。

いも煮とは、地域により材料と味付けが異なるが、白菜・牛蒡・油揚げ・大根・人参・豆腐・きのこに里芋を入れて煮る東北料理。青森県を除く東北地方各地では「いも煮会」が盛んに行われ、秋の風物詩。家人は、若き日、猊鼻渓で女子高のいも煮会に遭遇し、お椀がなく女子高生の椀でご相伴にあずかったのを思い出し、にやつく。

胃袋を囚われた家人が言う。「また来たい道の駅だな」
15日目   道の駅・喜多の郷 泊   曇り
14/05/22 米沢城址

上杉の軍旗「毘」と「龍」

山形県米沢市。

上杉謙信を祖とする上杉家ゆかりの米沢城は、明治期に破却。今は、その址に上杉神社が建つ。境内の宝物殿には、謙信・景勝の遺品やあの直江兼継の「愛」の甲冑が展示されている。「これは外せない」と思ったら、兼継の甲冑はレプリカ。高揚した気持ちが萎えた。本物はどこ?

上杉と言えば、ケネディやクリントンをして「最も尊敬する日本の政治家」と言わしめた上杉鷹山の方が、今は謙信よりも人気。神社内には、幾つも銅像が建っていた。「なせば成る 為さねば成らぬ何事も 成らぬは人の為さぬなりけり」。ごもっとも。
14/05/22 道の駅・喜多の郷

福島県喜多方市。

国道121号線沿いの道の駅。裏手の八方提の水辺では、春は桜、初夏にあやめ、秋は紅葉、冬は白鳥の飛来と、四季おりおりの景観が市民を楽しませる人気スポット。車中泊的にも、なかなか快適。
ふるさと亭

喜多方ラーメン@540円

道の駅の観光案内所で聞いた。 「喜多方ラーメンは、どこが美味しいですか」。返ってきた答えは「喜多方ラーメンと言っても、店ごとにアレンジしているので、どことも言えないね。ここのラーメンも素朴でいいよ。」。“素朴”の一言が、元祖を求める心鷲掴み。ここ「道の駅・喜多の郷のふるさと亭」へ。

スープは醤油味の透明豚骨・煮干スープ、麺は平打ち太麺、独特の縮れと柔らかい食感が特徴。具はチャーシューをメインに葱・メンマが基本。まさに、セオリー通りのラーメンが出てきた。細麺ではない、私好みのラーメンにありついた。
蔵の湯

道の駅の敷地にある湯。平常@500円が午後5:00から@300円。温泉井戸の故障により沸かし湯で営業。只今 入湯税不要で@150円。得した気分。
16日目   道の駅・新潟ふるさと村 泊   小雨のち曇り
14/05/23 白虎隊十九士の墓

福島県会津若松市。

江戸末期の戊辰戦争における会津・白虎隊の墓は、飯盛山の中腹にある。以前訪れたのは10年前。白虎隊記念館の前の細い道を、汗をふきふき登った。今は有料のエレベーターが設置され、すっかり観光地。焼香のための線香が@50円で無人販売され、切れ目なく煙がたなびく。

奮戦の末 飯盛山まで辿り着いた白虎隊士が手をかざし遠くを見やる像が、広場の左手にある。視線の先は、遥か遠方の鶴ヶ城。立ち上る砲煙を城の落城と錯覚し、自刃した場所だ。

そこへやって来た白虎隊と同年齢と思しき一団が、墓を一瞥し「うわ、すんげぇいっぱい」。像の目線を追い「なんも見えねぇ」と呟き去った。平和は素晴らしい。
14/05/23 さざえ堂

福島県会津若松市。拝観料@400円。

「さざえ堂」は、1976年の建立。六角3層、高さ16mで、階段が無い一方通行で、三階建ての内部を、時計回りに上り、反時計回りに下る二重螺旋構造。

当時 百観音巡礼が流行したが、庶民の多くには困難なため、「お参りすれば札所の百観音を拝むと同じ功徳がある。」という「さざえ堂」が登場した。手軽で不思議な建物が人気沸騰し、「さざえ堂」は全国へと広がっていった。が、現存する二重螺旋構造のものは、極めて珍しいと言われる。
14/05/23 野口英世記念館&生家

英世が火傷をした囲炉裏

福島県耶麻郡猪苗代町。入館料@500円。

家人と2人分、千円札を財布から引っ張り出したら、入場券の肖像画と重なりドキっ。そうだ、現在の日本の千円札は、野口英世だ。いつも見慣れた千円札だけに、改めてびっくり。

10年前に訪れた時、記念館の記憶が無い。ただ、敷地内の生家がずっと心に残った。それを家人に見せるための今回の再訪。貧農の家屋、その狭い敷地に小さな川が流れ、英世の母はその水で野菜を洗い、猪苗代湖で蜆をとって生活をたてていた。胸がつぶれる思いがした。今回は工事中の塀で仕切られ、小川は塀の向こうで雰囲気ぶち壊し。記念に残すべくは、英雄の証だけではない。当時を偲ばせ彷彿とさせるもの。それが無ければ、野口英世はただ血肉のない偉人になってしまう。
14/05/23 道の駅・新潟ふるさと村

新潟県新潟市。

ナビに誘導され着いた所は、スーパーの前。駐車場と入力し直したら、裏手に誘導された。大きな建物が3つ程も建っているので、道の駅が解りにくい。さっき スーパーと思ったのは、特産品販売や飲食店が入ったバザール館だ。他に、新潟の歴史や暮らしの変遷が体感できるアピール館や、観光情報館、水上バスのウォーターシャトルなど盛り沢山。ここは、自動車運転試験所の跡地とのこと。道の駅・駐車場に分離帯があるのは、そのせい。

週末にはイベントが開催されが、「ここまで箱物を造らなくても」と思うのは、私だけか。車中泊の道の駅としては、快適。
17日目   象潟・道の駅 泊   曇りのち雨
14/05/24 羽黒山五重塔

山形県鶴岡市。

山岳修験・出羽三山のひとつ羽黒山。参道途中の杉林の中に、五重塔が建つ。室町時代の建立にして、東北最古の塔。国宝。

江戸期、五重塔周辺に多くあった建物も、明治の廃仏毀釈で塔だけが残った。ひっそりと建つ姿は、凛として荘厳である。山頂には、三山の神を祀る三神合祭殿がある。そこを参ると、月山・湯殿山・羽黒山の三山を御参りした事になると。延々と続く石段は、蹴上げの高さと幅がまちまちで、段数以上に疲労困憊。合祭殿を断念し、ここでギブアップ。
14/05/24 道の駅・象潟 ねむの丘

秋田県にかほ市象潟。

レストラン・温泉・物産館と充実した設備で、人気NO1の道の駅は敷地2万坪、駐車台数500台。その広さは、車中泊にはもってこい。ただ、国道7号線沿いのため大型車両の出入りが多いので、大型車スペースから離れれば、問題はない。

ネットを徘徊していたら「象潟の道の駅でPキャン(車中泊)中、お巡りさんに職質をかけられた。」という中年夫婦の口コミを発見。そういえば、私たちが訪れた時もミニパトが駐車場を一回りして出て行った。家人と顔を見合わせる。治安のための巡回か。有難いけど、疑われたら嫌だな。
眺海の湯

ここは、4階の展望温泉。日本海を一望し、晴れた日は男鹿半島まで見わたせる。らしいが、曇り時々雨の今日の天気では、それは望めない。

入浴料は90分@350円。いつもの温泉と雰囲気が違うような。温泉と言えばお年寄り客の多いのが常。が、ここは家族連れや若い女性が多い。何故だろう。

泉質:ナトリウム-塩化物強塩泉(旧泉質名:強食塩泉) 無色透明 湯温ぬるめ
18日目   道の駅・おおうち 泊   曇り
閑話
14/05/25 秋田県由利本荘市の魚・すがよ

「すがよ」5・6匹パックで@158円



見よう見まねの「すがよ汁」

道の駅・にしめの隣のマックスバリューで、身丈25cm程・鱗のない不思議な魚を発見。店員さんもよく知らず、魚担当者にご登場ねがった。

その名・「すがよ」(正式名・ゲンゲ)。表面をヌルヌルのゼラチン質で覆われている。金沢などの料亭では高級魚だそうな。昔から浜の滋養食とされたが、鮮度劣化が早いため商品として出回らず、海岸近くの漁師が食べていた。深海300mに生息し、ハタハタなどの水揚げと共に網に入ってくる「幻の魚」。秋田県由利本荘市だけでしか、食べる習慣がないとのこと。

最も簡単な調理法を教えてもらった。4つ程に切った身を醤油汁にする。見た目デロデロのグロテスクだが、味は淡白。ぬるっとしてプリプリの食感は、もうこれだけでコラーゲンMAX充填。天麩羅や唐揚げも絶品らしい。
14/05/25 道の駅・おおうち は~とぽ~と大内

秋田県由利本荘市。

国道105号線沿いの道の駅。JR羽後岩谷駅に隣接し、鳥海山を借景に田園地帯が広がる。施設内は、温泉・宿泊・特産物販売などが揃う。駐車台数255台。

トイレ近くの場所に停車したら、夜更けまで車が出たり入ったり。実はここ、JR駅・連絡路のまん前。JRで帰宅する家族のお迎え車が頻繁なのだ。他の場所へ移動すれば済むのだが、終電が過ぎれば静寂は戻るので問題なし。快適、快適。
レストラン・きぬさや

きりたんぽ御膳@1500円

道の駅のレストラン。 他とは一味違うセンスの良さが、落ち着いた雰囲気を醸し出す。

夜の営業開始と同時に来店したため、客もまばらだ。注文は「きりたんぽ御膳」。(きりたんぽ・稲庭うどん・いなり寿司のセット)。秋田の郷土料理が2品まとめて楽しめる。
ぽぽろっこ 楠の湯

道の駅にある温泉施設。@400円。大広間利用可。

今回の旅で初の、露天風呂に出合った。他にサウナあり。休憩室は大部屋2室と小部屋2室。小部屋は貸切と思うのか、ほとんどの人は寄り付かない。私たちの他2組ほどで小部屋をゆったりと使わせてもらった。

泉質:冷鉱泉(含硫黄ナトリウム塩化物) 無色透明
19日目   道の駅・てんのう 泊   雨
閑話
14/05/26 ハタハタの三五八漬け

@350円


焼いてみた。うまい♪

“秋田名物 八森 はたはた~♪”秋田音頭で有名な「秋田のハタハタ」を、通りすがりの道の駅で調達。これは三五八漬けと言って、麹で漬けたもの。福島県・山形県・秋田県の郷土料理である。塩・麹・米を3・5・8の割で漬け床とするため、この名で呼ばれる。

「軽く水洗いし、麹を落として焼くと美味しい。」と、居合わせた地元女性から聞いた。香ばしく、ビールもご飯もすすみそう。「飯寿司は作るのが難しいけど、三五八漬けは漬け床をハタハタに薄く塗ってジップ袋に入れ、1日か2日で食べられるよ。」と更なる耳より情報。 冬 ハタハタが出回ったら作ってみよう。
14/05/26 入道崎

秋田県男鹿市。

男鹿半島の最北端、男鹿を代表する景勝地。 入道崎の灯台は、日本の灯台50選に選ばれた人気観光地である。どこまでも続く海と紺碧の空、緑の大地とが織り成す世界は絶妙とか。この雨と風を、何とかしておくれ。

穏やかな日、ここで日本海に沈む夕陽を眺めながら過ごす時間は、さぞや至福なことだろう。
14/05/26 真山神社

秋田県男鹿市。

12代・景行天皇の頃、武内宿禰が「使命達成、国土安泰、武運長久」を祈願し、主祭神を祀ったという。正月三日、境内で焚かれる柴灯(セド)の火であぶられた大餅を山の神に献じる「柴灯祭」は、平安末期から続く。現在は、「なまはげ柴灯まつり」として、毎年2月の第2金・土・日曜日にここで開催される。

雨の中、静寂で厳かな時間が流れる。神社の裏には、なまはげが降りてくるという道があるそうな。全身ずぶ濡れのなまはげが、社の陰からひょいと顔をのぞかせそうな・・・。
14/05/26 真山の万体仏

秋田県男鹿市。

真山神社からの帰り道、小高い丘に小さなお堂があった。正徳4年、僧・普明が建立した真山の光飯寺金剛童子堂。

そっと覗いてみると、暗い堂内に調度品類はなく、掌に収まる程の小さな木彫りの仏像が壁一面を埋め尽くしていた。その数、1万3000躰。普明が、不幸な死を遂げた弟子のために彫り上げたそうな。

思わず息を呑み、後ずさる。圧巻だ。暗がりの中、これ程多くの目に正視されると、背筋に冷たいものが走る。目には見えない“気”が漂っているから。
14/05/26 道の駅・てんのう

秋田県潟上市。

県道56号秋田北港と男鹿の中間にある道の駅。とにかく広い。展望台のあるスカイタワー(有料)や温泉、物販などが揃う。

5日前、「道の駅・いいで」で会ったキャンピングカー夫婦に再会。鹿児島を4月末に出て来たのだと。昨年は7ヶ月半の車中泊生活の後、北海道で雪の便りを聞き帰宅したそうだ。ご主人が外食嫌いなので、「全て自炊なのよ。私は外食で楽をしたいのに」と口を尖らせた。

ところで、車中泊を始めてから、助手席側のドア付近に凹みが数箇所できた。全く覚えがない。車を離れた時にでも、隣に停車した車がドアを開け接触したのだろう。以来、助手席側に他の車の駐車スペースがない場所を狙っている。今夜は、希望通りの陣取り。夜中に雨の音で目が覚めた。木から滴る雨が車の屋根をぶち破りそうな勢い。まるで、台風みたいだ。木の下も要注意と、日記には書いておこう。

ちなみに、ここは家人絶賛の道の駅。
天王温泉・くらら

平成10年、道の駅の敷地内にオープン。秋田県内の公共温泉では、最大規模。入浴料@400円が@250円。 (ボイラー故障のため入湯料免除)。

内風呂は浴槽の種類が豊富で、高・低二種類のサウナがあり気持ちいい。

泉質:ナトリウム塩化物強塩泉(弱アルカリ性)
20日目   道の駅・秋田港 泊   曇り
14/05/27 阿仁合

秋田内陸縦貫鉄道・阿仁合駅

秋田県北秋田市阿仁。

阿仁合駅は、秋田内陸縦貫鉄道の本社と車両基地がある駅で、秋田内陸線の中間に位置する。東北の駅100選。

偶然 通りかかった“阿仁合”。阿仁は、家人の先祖の地。義父が生前に訪れ、遠い親戚に会って来たと喜んでいた記憶が蘇る。来ると知ってたら、調べて準備してきたのだが。マタギ(熊などの狩猟を生業とした者)の村と思っていたが、かつては銅の産出日本一を誇り賑わったそうだ。家人の祖父は、この地から北海道へ移住。

駅前のJA購買へ。小さな店は、売店と食堂を兼ねる。そこで、日ごろ口数の少ない家人が「実は・・・」と切り出すと、店員さんは電話帳で家人の姓をひいてくれた。が、一軒もない。結婚と共に家人の祖母家へ養子に入った祖父は、親分肌の性格で北海道へ移住後 親戚をあらかた北海道へ呼び寄せたと聞く。旧姓も調べてもらったが、多い苗字だけに手がかりはない。家人の記憶の中にあるじいちゃんは、頭にタオルをかぶって座敷で寝ていた晩年の姿。家人は遠い目で、感慨に耽った。
阿仁合のバター餅

バター餅@380円

売店で珍しいもの発見!バター餅。一昨年「ケンミンショー」で紹介され「開店前から、そりゃ大変な騒ぎだった。」と店員さん。当時は、売り切れで手に入らない状態だったとか。秋田県北部の阿仁、鷹栖、森吉限定のスィーツ。実は、マタギの保存食。固くならず、柔らかく伸びる。バターの香りが美味しすぎて、やめられない、止まらない。 待てよ、あの時代に高級品のバターが潤沢にあったかな?
14/05/27 田沢湖

秋田県仙北市。

日本一深い湖。深さゆえに、真冬も湖面が凍りつくことがない。湖水に反射する太陽光が湖水を翡翠色や藍色に染める。ために、日本のバイカル湖と呼ばれる。ガスっている今日でも、つかの間 美しい湖面が顔を見せた。

田沢湖に伝わる辰子伝説は、類まれなる美女の不老願望物語。「所詮、人間は骨に皮一枚。」と誰かが言った。そう言えば身も蓋もないが、見た目が美しいに越した事はない。その美しさを失わせるのが、老いである事も動かしがたい事実。美人は美人なりに、そうでない人もそれなりに、容貌の劣化は避けたいもの。たとえ時代が変わろうとも、女性なら誰もが抱く願い。
14/05/27 角館の武家屋敷

角館の武家屋敷通り

秋田県仙北市角館。

数多くの武家屋敷が独特の雰囲気を醸し出し、年間200万人が訪れる東北有数の観光地。みちのくの京都、とも呼ばれる。桜の季節は、さぞや!と思われる風情あふれる町並み。映画「たそがれ清兵衛」のロケ地・岩橋家はじめ、数軒の武家屋敷が一般公開中だ。

河原田家屋敷

河原田家の五月人形

河原田家・武家屋敷。公開無料。
芦名氏・会津時代からの譜代大名家。のち、佐竹北家に仕えた。

屋敷は江戸・武家屋敷建築様式を踏襲し、表座敷は角館地方で典型の書院造り。座敷に、代々伝わる五月人形が飾られていた。旧暦の五月節句に展示するとのこと。上段向かって左が殿(との)で、右が皇太子。しかし、殿は今 首を骨折し入院中だそうだ。道理で、代役の殿がやけに肩身が狭そうに小さい。殿、お早いご回復を。
14/05/27 道の駅・あきた港

秋田県秋田市。秋田市中心部に近い交通の要所。
NHK「ドキュメント72時間」で有名になった「うどん・そばの自販機」が、ここにある。この時、すぐ傍にそんなお宝があったなんてツユ知らず、通り過ぎてしまった。

ポートタワー・セリオンからの夕日

道の駅の秋田市ポートタワー・セリオンは、日本海に面する地上100m建て(無料)。 360度のパノラマで、秋田の街を見渡すことが出来る。1Fに表示された日没時間の10分程前に登ってみた。今日は予定より少々早めの日没。綺麗だ。数分後、日が沈んだ後に小学校低学年位の男児を連れた父親がやってきた。未来あるこんな子にこそ、見せてやりたかった。

今夜はここに宿泊し、明朝フェリーで苫小牧へ帰る。フェリーターミナルが道の駅で、フェリー乗車前夜に無料で泊まれるのは有難い。
21日目   帰宅   晴れ
14/05/28 新日本海フェリー・あざれあ

7:00秋田港→17:20苫小牧東港。

日中のフェリーは、久しぶり。しかも、函館→青森の運賃とほぼ同額で、距離に比べると断然お得だ。運転から解放された家人は、ほっと一息ついた模様。乗船したのはツーリストJの一般席だが、客が少ないので和室に席を確保した後はゆらゆら艦内散歩と洒落込んだ。

処で、夜中出港のフェリーは出港と同時に風呂へ殺到し就寝のパターンだが、今回は昼間のせいか入浴客がとても少ない。無論、入浴料は無料。読書→風呂→読書→風呂を繰り返す幸せ。肩まで湯に浸かり窓の外を見やれば、陽を受けゆらゆらと広がる日本海が眩しい。
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