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2022年 京都旅行記

1泊2日 京都 濃い旅


「そうだ京都、行こう」

ある日、息子からLineが来た。旅行支援を使って、新幹線とホテルが安いうえに2,000円/人のクーポンもつく超お得なJR東海ツアーズの旅(新幹線代金+ホテル代金のパック。旅の中身は全てフリー)をしようか。

「そうだ京都、行こう」懐かしいキャッチコピーが蘇り、心は逸る。

※「斎藤工」は、私が勝手に命名した「息子のLINE名」
身長・生年・血液型が、俳優の斎藤工さんと同じなので
22/12/09~22/12/10

行程                                         
1日目 ●のぞみ207号 東京駅
●東福寺 京都市東山区
 〇八相の庭 同上
 〇塔頭 同上
●伏見稲荷大社 京都市伏見区
●JR稲荷駅 同上
●お笑いタレント・小杉竜一 同上
2日目 ●長刀鉾からくり人形 京都市下京区
●苔寺(西芳寺) 京都市西京区
●松尾大社 同上
●京都駅の屋根 下京区


泊まったところ ●三井ガーデンホテル四条
食べたところ ●いづ松 京寿司
先斗町すいしん本店 京料理&酒
●小川珈琲 堺町錦店 モーニング
●田ごと TheCUBE店 にしんそば&ざるそば
●銀座アスター本店 中国料理・君子蘭コース
閑話 ●鳥居づくり



1日目 晴れ
22/12/09 のぞみ207号


朝も早めなので空いているかと思いきや、そこそこの混み具合。今回は車両の最後尾席(荷物置き場)のすぐ前なので、ゆったり空間なのが嬉しい。









22/12/09 いづ松

京都駅からJR東福寺駅で下車。駅から商店街沿いにある創業70年を超える老舗寿司店で、まずは腹ごしらえ。名前で想像がつく様に、店主はあの有名店で修行をしたそうな。
店内

店内は昭和の雰囲気


壁の額は清水寺の「今年の漢字」に因んだ細工寿司
京寿司

1,512円/税込

関西では木型で整形して作った発酵寿司が普及したそうな。
押し寿司の様な京寿司も、ルーツはそこか?
22/12/09 東福寺
本堂

天井画の蒼龍図は
堂本印象の作

東福寺は臨済宗東福寺派の大本山で、日本最古の寺院であり最大級の伽藍を持つ。

摂政・九条道家が奈良の東大寺と 興福寺にあやかり「東」と「福」の字をつけ建立。幾多の鎌倉・室町時代の国宝や重要文化財を所有する。 

※本坊庭園・通天橋・開山堂 共通拝観券@1,000円/人


日下門

京都府の有形文化財

通天橋
東福寺三名橋の一つ
ここからの新緑と紅葉は絶景

開山堂

聖一国師を祀る
重要文化財

偃月橋(えんげつきょう)

「日本百名橋」の一つ
重要文化財

庫裡

明治天皇皇后の恩賜建築

三門(国宝)

室町初期の再建
扁額は足利義持の筆

方丈庭園「八相之庭」

「八相の庭」は東西南北に4つの庭園をもつ。
南庭
仙人が住む四仙島(蓬莱・方丈・瀛洲・壺梁)を
表現した枯山水庭園

西庭
さつきを刈り込んで市松模様に図案化
古代中国の田制「井田」に因む

北庭
彫刻家イサム・ノグチは
「モンドリアン風の新しい角度の庭」と評した

東庭
雲文様に円柱で北斗七星を表現

塔頭
退耕庵
小町寺
本尊:千手観音・創建1346年。開山:性海霊見
安国寺恵瓊が1599(慶長4)年再興

石田三成・小早川秋秀・安国寺恵瓊等が関ヶ原の戦いの謀議を諮った場とされる 
また、小野小町ゆかりの寺として「小野寺」と称されると共に鳥羽・伏見の戦いの戦死者の菩提寺でもある

霊源院

本尊:観音菩薩・創建1350年頃。開山:後醍醐天皇の落胤と言われた龍泉令淬
紙本墨書などの国重文を有す。六地蔵が愛らしい

勝林寺

(吉祥紅葉)

本尊:毘沙門天王像・創建1550年。開山・東福寺第二百五生住持高岳令松
毘沙門天王像は「東福寺の毘沙門天」と称される

同聚院

本尊:不動明王坐像・創建1444年頃。開山:文渓元作
モルガンお雪の墓がある

筆の寺・正覚庵

(碧玉山)

本尊:釈迦如来・創建1290年。開山:東福寺五世住持・山叟慧雲
境内の筆塚では例年「筆供養」た行われるため「筆の寺」とも称される

実業家・白洲文平の伊丹の邸宅を移築し、東福寺塔頭・正覚庵の本堂に
子息;白洲次郎、正子夫妻も一時住んでいたそうな。
木製の天井の端がアーチ型だったり、どことして同じ造りがない斬新な試行に驚愕。
閑話
鳥居づくり


通りかかったマンションの一階で鳥居を造っていた
さすが、京都!
22/12/09 伏見稲荷大社

全国各地に祀られている稲荷神社の総本宮。本殿はじめ権殿、摂末社ともに重要文化財。

そもそもは、稲荷山の三つの峰を神として崇拝したことが事の初め。農耕の神として庶民の厚い信仰を獲得するに至る。平安時代には、東寺の造営の鎮守神となり真言密教と結びつき勢力拡大。しかし、応仁の乱ですべて焼亡するも社僧の勧進によって再建を果たした。時はうつり、明治政府の神仏毀釈により廃寺となる中で、信者たちによる鳥居の奉納や塚の建立が活発化し、今日の伏見稲荷大社の原型を形作ったと言われる。なお、古くからの東寺との深い繋がりは、今も脈々と続く。

参道の数千本の鳥居は聞きしに勝る壮観さ。
稲荷山を巡拝する約4kmの「お山めぐり」は、さすがにしんどく半ばで撤退。途中までとは言え、そのやる気に免じてご利益をよろしく。コン

22/12/09 JR稲荷駅

稲荷駅

ホームにも狐のイラストが

稲荷駅は、1879年 京都駅‐大谷駅(のちの東海道本線)が開業された際に開設された駅。

名残で、駅舎の横に日本最古のランプ小屋(準鉄道記念物)が現存。内部には稲荷駅や奈良線に関する備品類が収蔵されているそうな。気付かず通り過ぎてしまった。残念。

伏見稲荷大社の再最寄り駅だけに駅の柱が朱色に塗られ、狐のイラストが如何にも稲荷っぽい。
22/12/09 お笑いタレント・小杉竜一

伏見大手筋商店街を歩いていたら、黒山の人だかりで歩けなくなった。何事?我家の斎藤工曰く「タレントの小杉が来てるみたい」。どこだ?

京都出身なので、今日は伏見警察署の「一日警察署長」を務めているらしい。名前は知らないが顔に見覚えあり。ボタンが弾けそうなパンパンの制服を着て、四方に笑顔を振りまいていた。人気商売は大変だなぁ。お疲れ様です。

22/12/09 先斗町すいしん本店

出典:先斗町すいしん本店

スーパードライ生中@649円

季節のおばんざい五種盛り@1,650円

若狭ぐじかぶら蒸し@1,430円

海老芋(煮物)@770円

京赤地鶏と牛蒡釜めし@935円

賀茂トマトサラダ@770円

黒むつ西京焼き@935円

京野菜と牛肉の朴葉焼@1,100円

季節の天ぷら盛り合せ@1,100円

夕飯の店を求めて、うらうらと歩く。金曜夜の先斗町あたりは人出も多く、予約なしでの入店はちょっと厳しい。と、そこで遭遇したのが、この店。混んではいたが、囲われたBox風の席はとても落ち着く。

料理は食べたいものを一品ごとに頼むことにした。飲み物は、息子と私が「スーパードライ生グラス中&中瓶&聚楽菊(佐々木酒造=洛中最後の酒蔵=俳優・佐々木蔵之介の実家)&澤屋まつもと(純米吟醸)、下戸の家人はノンアルコールビール。京料理に舌鼓をうち、京の酒に酔いしれる。〆て17,000円で財布にも優しい。幸せ~。
22/12/09 三井ガーデンホテル京都四条

阪急京都線「烏丸」駅徒歩6分、地下鉄烏丸線「四条」駅徒歩6分で足回りがとても良く、部屋もお洒落。そのうえ大浴場がある。左程には大きく感じなかったのは、想定外に混んでいたせいかも。何はともあれ、部屋の風呂とは別に浴場があるのは有難い。

さて、大浴場へ行くためにエレベーターで浴場のある階のボタンを押すも「このエレベーターは止まりません」との表示が出て、埒があかない。フロントで聞いたら「カードをかざしてお部屋の階のボタンを押してください」とのこと。このカードは、部屋のキーのみならずエレベーターのロック解除キーにもなっていたのだ。因みに、カードには部屋番号が一切書かれてはいない。初めて体験したシステム、勉強になりました。


禁煙トリプル(別館)
2日目  晴れ
22/12/10 長刀鉾からくり人形

四条堺町通りを通りかかると、BGMとともに時計の下から人形が現れた。これ、通りに面した野村証券京都支店のビルに掛かる「長刀鉾からくり人形」。

一日六回、BGMと長刀鉾人形が登場し、引手が動いたり鉾が回ったりして祇園祭の雰囲気を醸し出す。祇園祭の山鉾巡行の時には、ここが「くじ改め」の場所となり、目印がこのからくり時計だそうな。

偶然通りかかった私達も、思わずほっこり。慌ててスマホのカメラを構えた。
22/12/10 小川珈琲 堺町錦店

創業70周年を迎える小川珈琲が、錦市場の近くに2022年2月にオープンしたコーヒーショップ。拘りの珈琲と京都産食材の使用を基本に「コーヒーを通して持続可能な社会に貢献しながら、お客様にそれを体感してもらおう」と言うのが狙い。コンセプトは「100年先も続く店」

築100年を超える京町屋を改装した店舗は、まるで古くからの知り合いのお宅を訪問した様な懐かしさと安堵が湧き上がる。
坪庭

テーブル席の奥にある坪庭。山に見立てた岩の上には、苔や30種類もの植物が植えられているそうな。醸し出す落ち着いた雰囲気が、得も言われぬ味わい。

モーニング
自家製食パンの炭焼きトーストセット(ドリンク付)

炭焼きトースト 麹バター、
目玉焼きとポテト入りソーセージ  @1,300円

※パンは、京都産小麦食パンか、全粒粉食パンから選ぶ。
パン ●京都産小麦食パンは、素朴な味わいで噛むほどに滋味深い
●全粒食パンは、ふんわりと柔らかくまろやかな食味が後をひく
バター ●京都の老舗「佐々木酒造」の米麹を混ぜ込み、卵は丹波産
目玉焼きとポテト入りソーセージ ●ソーセージは「ザウマーゲン」と言うじゃが芋いり。芋の歯触りがいい感じ
●卵は宇治の平飼い。「目玉焼き」と侮るなかれ。その美味いこと
22/12/10 苔寺(西芳寺)

衆妙門
(拝観受付の門)

ここは、事前予約が必要。基本は往復はがきでの申込だが、ハガキでやりとりする日にちが無かったのでネット予約をした。写経料金込みで@4,000円/人。何故かハガキでの予約は@3,000円。加えて子供連れもダメ。「大勢の外国人観光客が押し寄せて、静謐な雰囲気を壊さないで。お子ちゃまは、大人になったらおいで」というスタンス。外国人も時おり見かけたが、この空間と漂う空気感を静かにかみしめていた。

境内を静寂が覆い、それが自然と調和した凛とした禅寺の佇まいは、美しい。

本堂

本堂(西来堂)
写経・読経はここで





写経
本堂で正座し、薄い文字の上をなぞる
写経初体験

庭園

黄金池





湘南亭
千利休が豊臣秀吉から切腹を命じられた時、隠れ家として利用。
明治維新には、岩倉具視が幕府から隠れ住んだと言う





冬まじか、茶色がちの寂しい庭園で
少々緑が褪め気味の「苔の絨毯」が健気で愛おしい
22/12/10 松尾大社

楼門
後ろは松尾山

上古に松尾山頂の磐座で祭祀が行われ勅命により秦都理が当地に社殿を造営し、松尾山の磐座から神霊を移したのが創建と言われている。本殿・男神像2躯・女神像1躯が国の重要文化財に、他16躯が京都府指定有形文化財に指定されている。

亀の井

松尾山からの湧水の泉を「亀の井」と言う。
これを酒に混ぜると腐敗しないと言われ「酒の神」として信仰されている。
「亀の井」の名は、松尾大社の神使が亀であることに由来する

松風苑三庭

松風苑は、作庭家・重森三玲の最晩年の渾身作であり、日本庭園の最高傑作と言われる。石は。四国・吉野川産の青石(緑泥片岩)200余個。入園料@500円/人

園内に造った庭は、平安風であったり上古風(大昔)だったり鎌倉風の仙人の世界であったり。同じ次元空間の場所ならば訪れることも出来ようが、時間空間を行き来することは不可能だ。それを庭の造形により、纏めて目の前に繰り広げ実現せしめた。壮大かつ途方もない贅沢。

曲水の庭

煌びやかな平安時代を表現

上古の庭

社殿はなく、丹波笹を配した中に巨岩を置いて神々を表現

蓬莱の庭

鎌倉時代の回遊庭園を模し、不老不死の蓬莱思想を表現

22/12/10 田ごと TheCUBE店

息子が会計中
“ごっつあんです”

帰りの新幹線に乗る前に、腹ごしらえ。こちらは、四条河原町にある人気京料理店の支店。そうとは知らず、駅近・CUBEにあったので蕎麦屋さんと思って入店。ちょうど運よく昼の客がひけた後で、待たずに入る事ができた。

そばつゆは、ダシが効いて上品な美味さ。蕎麦は、新そばの香り立ち「うんまい~」。ブランドに違わぬ確かな味に出会えた幸運、心ひそかにニンマリ。本店で京料理も堪能してみたかったナ。


ざるそば@880円

にしんそば@1,320円
22/12/10 京都駅の屋根

東側・ホテルグランヴィア京都7Fと西側・伊勢丹10Fには通路が設けられ2か所の展望スペースからは京都の街並みを眺めることが出来るそうな。また、171段の大階段は屋上の空中庭園へと続き、この階段自体もコンサートや各種イベント会場として人々の憩いの場となっているようだ。大がかりな仕掛けの随所に一般人の利用を念頭としており、羨ましいかぎり。

何度来ても新しく、まるで未来都市かSFの世界に迷い込んだ様な。


中央コンコースのアトリウム
黒いサングラス風のが空中ステージ



エスカレーターから
上部を見上げる


エスカレーターの左が
171段の階段ステージ


大階段上部から
階段を見下ろす
15:30発 NOZOMI232にて帰途へ
22/12/10 銀座アスター本店



銀座1丁目
「東京GoToイート食事券を買ったから」と息子の招待。

まずは、このゆったりと優雅な空気と漂う品格。そして、痒い処に手が届く客あしらい。

銀座の通りを見下ろす窓側の席に通されると、料理の確認と飲み物のメニューがやってきた。どの飲み物が中国料理には合うのか・・・?するとテーブル担当の女性が言った。「このコースにはお飲み物が含まれております。特にご希望がなければよろしいかと」。

すぐにポットに淹れた中国茶が来て、1人分づつを洒落た茶こしごしに注いでくれる。何とエレガントな事よ。お茶好きな我一家、グイグイと杯がすすみポットに1/3位残った状態になるとお湯を足してくれる。それを2度繰り返し、三度目は新しい葉に替えて又同じ繰り返し。どうやら客の食事が終わるまでエンドレスでこのサービスは続くようだ。不思議な事に、継ぎ足したお茶は一煎目と比較して左程 香りがなくなる訳でも味が薄く感じる訳でもない。優しい味わいが続くのは驚き。

料理は、言うまでもなく上品で美味しい。日常から離れたこんな寛雅な時間、ふと日頃の慌ただしい生活をふり返る。

君子蘭(コース)@13,200円(tax込)

中国茶

精美七彩拼磐
(季節の前菜盛り合わせ)

蠔煌小鮑檜排翅
(吉切鮫の尾びれと鮑の
オイスターソース煮込み)

和牛炒大蝦
(和牛黒毛と大海老の炒め物
発酵唐辛子のアクセント)

採色炒鮮魚
(白身魚の香り焼き、彩ソース)

蟹粉獅子頭
(スペイン産栗豚の揚州風肉団子
上海蟹煮込み)

蔬菜米線
(季節の野菜のスープライスヌードル)

鮮奶杏仁豆腐
(柔らか杏仁、フルーツのコンポート添え)
肉まん

お持ち帰り用に@500円/個
美味しい~
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