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秩父 旅行記

秩父三社(宝登山神社・秩父神社・三峰神社)&長瀞ライン下り

16/07/08~16/07/09 

旅程                                           
1日目 長瀞ライン下り 秩父郡長瀞町
宝登山神社 同上
和同開珎 秩父市
秩父まつり会館 同上
秩父神社 同上
慈眼寺・あめ薬師縁日 同上
2日目 橋立鍾乳洞 同上
三峯神社 同上
SLパレオエクスプレス 同上


泊まったところ 民宿すぎな
食べたところ 阿左美冷蔵 宝登山道店 かき氷
茶房レストラン春夏秋冬 わらじカツ丼・二段せいろ膳・みそポテト
元祖立ち食いお花畑そば たぬきそば
閑話 求人の貼紙
秩父フリーきっぷ
おはようございます
中津川いも 田楽
1日目 曇り時々小雨    同じ関東在住とは言え、あっちとこっち程に離れて住む息子との3人旅。
16/07/08 長瀞ライン下り

西武鉄道・秋津駅で秩父フリー切符@1920円購入。2日通しで利用可。

まずは(秩父鉄道) 秩父駅→御花畑駅→長瀞駅。ライン下りはA・Bコース各3kmと、AB通しの6kmとの2コースがあったので、私達は欲張り6km@3000円コース。繁忙期には、待ち時間3時間とのこと。

定員20名程の小船の前後に乗った2名の船頭が、櫂を操り荒川を下っていく。今年は、多分にもれず長瀞も水不足。浅瀬では、川底をこじる様に船を進めた。流れ同士がぶつかって発生した渦を乗り越える時には、船の縁に取り付けられた長いビニールシートを被り飛沫を避ける。キャーと言う黄色い歓声(悲鳴)が、何故か涼気を誘う。「お客さんたち、運がいいよ。この位の水量だと船の進み具合が遅いから、ゆっくり楽しめるんだ。流れが速いとスリルはあるけど、あっと言う間に終着点に着いちゃうから」。

まったりのんびり、長瀞の美しい渓谷をたっぷりと楽しんだ。
閑話
16/07/08 求人の貼紙

街を歩く息子が、のけぞった。

通りの店の硝子戸に貼られた求人の貼紙。「年齢不詳じゃあ怪しすぎ、年齢不問だろう」と。
16/07/08 阿左美冷蔵 宝登山道店

長瀞と言えば、阿左美冷蔵のかき氷。夏場は2時間や3時間待ちと聞いたが、今日は平日、しかも開店時間直後。なのに、店先にはすでに「満席」の看板が出ていた。

が、退店する1組の客と交代する形となり、待ち時間なしの入店。何という幸運。

かき氷

宝登山山麓から湧き出る沢水で作った自家製氷。店内には、大きな氷を切り出す写真が掲げられていた。見ているだけで、涼しい。

三人それぞれに別のものを注文。()内は、かき氷にかける蜜。一見ミスマッチに思える蜜が、意外にも美味。

★和三盆づくし(秘伝みつ+和三盆落雁+和三金糖)@1500円
★あさみの果汁スペシャル(みかん+白桃+里ぶどう)@1200円
★あさみの和スペシャル(抹茶+きな粉+黒みつ)@1300円

こんな大量のかき氷、融ける前に食べきれるだろうか。一瞬不安が過ぎったが、どっこい、ここの氷はしっかりと形を維持して聳え立つ。が、氷自体はふわっと肌理 細やかなのだ。「阿左美冷蔵の氷」は、すでにブランド化しており、長瀞の他店で出すかき氷の多くが阿左美の氷を使っているそうな。食べ終えて外へ出た。体の芯から冷えたせいか、蒸し暑い外気すら爽やか。
16/07/08 宝登山神社




秩父三社のひとつ。歴史を遡ると日本武尊に遡るとか、神話の話になり長いので省略。

何と言っても、拝殿の龍の彫刻が圧巻。色鮮やかでこの立体感。凄い。

ひょいと見れば、若い女性たちが熱心に手を合わせる一隅が。そこは全国の社がずらりと並び、各地の社をまとめて参拝できる人気のパワースポット。そんな事とは知らぬ家人は、「何だろう?」と後ろからうらうらと覗き込む、まるで怪しいおっさん。
16/07/08 和同開珎

和銅黒谷駅・ホームの和同開珎



和銅遺跡



聖神社

元明天皇の時代、秩父郡で日本初の高純度自然銅(和銅)を産出した。献上を受け喜んだ天皇は、元号を和同と改元し、和同開珎の鋳造を命じた。これが、日本で初めての流通硬貨と言われる。昔、学校で「わどうかいほう」と教わったが、今は何故だか「わどうかいちん」と言う。


和同開珎の関係地は、3ヶ所。

1・秩父鉄道・和銅黒谷駅ホーム
駅のホームに、大きな和同開珎がある。これが、無ければ気づかず通り過ぎてしまいそうな程に小さな駅だ。

2・和銅開珎遺跡
和銅黒谷駅から徒歩15分の和銅遺跡へ。・・・甘かった、ほとんど山歩き。矢印表記の立て看板だけが頼りなのに、矢印の向きが、どうにも解かり難い。行ったり来たり迷った末、30分以上も彷徨って、和銅遺跡に辿り着いた。ここは、吉高由里子の西武鉄道のCMで人気となった日本で初めて銅を採掘した地。

3・聖神社
和銅遺跡から近い聖神社は和同開珎が祀られている縁から、地元の人々に銭神様と愛され、金儲けの神様として大切にされているのだとか。ご神体は、ムカデ。足が多いムカデは、金に困らないと言われているらしい。「宝くじ、○億円が当たりました」。と言う類の礼状が多数貼られていた。「ホンマかいな。賽銭、もう少し奮発すれば良かったか?」。
16/07/08 茶房レストラン春夏秋冬

わらじカツ丼@950円



二段せいろ膳@1400円


秩父鉄道・秩父駅の駅舎がある「秩父地場産センター」は、1階に物産館、2階にレストラン等が入る複合ビル。2階「茶房レストラン春夏秋冬」は、ほとんどが秩父産の食材を使った地産地消。

丼から飛び出した大きなカツと格闘する家人を覗き込み、それを横目にしてにんまりと通り過ぎて行く客たち。秩父わらじカツ丼は、大人気の秩父名物。甘辛い秘伝のタレで味付けした大きなカツ2枚は、一足のわらじをイメージしたもの。「美味い!」と家人は絶賛。

二段せいろ膳は、小鉢/煮物/温野菜/ご飯/汁物/香物。せいろ1枚、地物の野菜で埋め尽くされた温野菜は、種類も多く彩りも美しい。蒸してこれだけ。元の量はどんだけだったのか。茄子・胡瓜・トマトなどの夏野菜は、ビタミン補給・美容・老化防止に効果があるそうな。自分の体に、ちょっとドヤ顔したい気分。

もうひとつ、秩父の郷土料理・みそポテト@350円は、ジャガイモの天婦羅に味噌ダレがかかったもの。ほこほこの芋をさくさくの衣が包み込む。うまい!
16/07/08 秩父まつり会館

笠鉾



屋台

秩父夜祭りは、京都祇園祭り・飛騨高山祭りとともに、日本三大曳山祭りのひとつ。江戸中期、秩父神社に立った織物市「絹大市」の発展とともに盛大に行われる様になったそうな。毎年12月初旬の2日しか見られない秩父夜祭りを常設で再現したのが、秩父まつり会館である。

1階の笠鉾・屋台コーナーでは、高さ11mの笠鉾と屋台が展示されている。冬の夜空を演出した星が煌き、花火が打ちあがる。祭囃子が鳴り響く、まるで本物の祭りの如く。気がつけば、夜祭りの興奮と感動と高揚感にすっぽりと抱き込まれていた。

入館料@410円
16/07/08 秩父神社



左甚五郎 作

「子宝・子育ての虎」


「つなぎの龍」

秩父三社の二つ目。

本殿は徳川家康の再建による。
秩父神社と言えば、名工・左甚五郎の手による「子育ての虎」と「つなぎの龍」。豪華絢爛な彫刻を目にすると、往時の徳川家の繁栄、そのスケールの大きさに目が眩む。圧巻。

静かな境内に佇む。2000年の歴史が昨日の事の様に彷彿とさせられ,歴史の重みがずしんと重い。
16/07/08 慈眼寺

切妻造りの黒門



観音堂

秩父鉄道・御花畑駅から徒歩5分、秩父市中心部の一角にある秩父札所13番寺。眼病に御利益がある寺と言われ、「目薬の木」の飴や茶葉が、境内で販売されている。目が疲れやすい家人は、早速 飴を購入。

偶然にも、毎年7月8日に開催される「慈眼寺あめ薬師縁日」に遭遇した。雨が降る事が多いので、「雨薬師縁日」とも言われる。なるほど、ぽつぽつと雨粒が落ちてきた。境内は勿論、黒門前の大通りに屋台がずらりと並ぶ。雨が降ろうが槍が降ろうが、お祭り気分は全開。 
閑話
秩父フリーきっぷ

息子からの指令で、西武線へ乗り換えた秋津駅で「秩父フリーきっぷ」を購入した。これが、水戸黄門の印籠よろしくオールマイティ。

秩父フリーきっぷとは、西武線発駅から西武秩父駅までの往復乗車券と、芦ヶ久保~西武秩父駅間と秩父鉄道(野上・長瀞~三峰口駅間)が2日間乗り降り自由の有難い切符。秋津からの料金は@1920円。秩父鉄道の該当駅間なら、これ1枚で事足りる。使い慣れた頃、某駅の改札で提示したら、首を傾げられた。おっと、間違えた。定期入れの中で隣同士になっていた「魔法がかかっていないSuicaカード」を出してしまった。
16/07/08 民宿すぎな

民宿すぎな&スタッフ



夕食(これに、ご飯と味噌汁つき)



天婦羅(右下の黒い塊が岩茸)



朝食(同上)
右端小鉢がツルムラサキ

西武秩父駅から循環バス・ぐるりん号に乗り「ミューズパーク南口」下車、徒歩10分。
「歩ける?」と息子。「10分でしょ、楽勝」と安請け合い。山道の国道、歩道は狭く、すれ違うダンプの風圧が怖い。小雨だった雨粒が次第に大きくなり、心細い。万策尽き、宿の車で迎えに来て貰った。道を1本、間違えていたらしい。

民宿すぎなは、秩父の高台に建つ純和風の宿。広い敷地に全6室のゆったりさ、眼前に広がる大自然。雨がやむと、武甲山にかかる雲海が見えた。何という贅沢。

部屋には、女将手製の手作りケーキが用意され、細やかな心遣いが嬉しい。

★食事
夕食は、地元食材を活かした秩父の旬の料理。岩魚・山菜の天婦羅・煮物・先付け・豚肉味噌漬け他。秩父名物・しゃくし菜漬けも。中でも、黒い小さめな塊の天婦羅は岩茸といい、断崖に生えているため崖からロープで中吊りにならないと取れない幻の高級食材だそうな。朝食では、ツルムラサキのお浸しが出た。ホウレンソウより赤紫で粘りがあり、栄養価が非常に高いそうだ。
★風呂
浴槽に面した、1面硝子。手前にはススキやカサブランカが咲き、遠くの山々が丸ごと見える。まるで、露天風呂みたいな。

料理よし、湯よし、サービスよし。大満足。


翌朝は、大雨。バス停は遠いし、どうしたもんか。3人寄っても、文殊の知恵は出ず、タクシーを呼ぶ事にした。道中のタクシードライバーの話。「あそこは(民宿すぎな)、以前景気のいい時に、どこぞの資産家が知人等を呼ぶための半ば別荘として建てたもんで、金をかけた建物なんですよ。当時の宿泊代は、1人5万円。その後、今の人が買い取り民宿として経営してるんだけど、このあたりの民宿ではかなり高級な方」。支払いは息子の財布。確か1人1万円弱とか。なんて安上がりな一夜お大尽さま。
2日目  大雨のち曇り
16/07/09 橋立鍾乳洞

戸の開いている所が出入口

大雨の中、タクシーで鍾乳洞入口へ辿りついた。入場料@200円。

橋立鍾乳洞は、埼玉県武甲自然公園中心部に位置する埼玉の人気観光スポット。洞内の2/3は、大変珍しいとされる竪穴式。登ったり降りたり這い蹲ったり、とにかく低くて狭い所が多い。「蝙蝠がいるよ」と息子。それを見やる余裕も無い私。鍾乳洞と聞いて、さぞや涼しいだろうと期待したが、それは早合点。顔から汗が噴出してきて、出口の明かりが視野に入った時、密かに脱出の達成感をかみ締めた。

預かって貰っていた荷物を引き取りに行ったら、受付のおばちゃまから飴ちゃんを頂戴した。汗をかいたから、甘いものは有難い。
閑話
おはようございます

鍾乳洞への道沿いに、店屋が佇んでいた。蕎麦屋と土産物屋の兼業。ちょうど開店準備で店先を掃いていた店主が、「おはようございます」と、明るく声をかけてきた。まるで、近所の住人に朝の挨拶でもする様にさりげない。そう言えば、昨日の長瀞商店街でも「おはようございます」だった。

一般的に、店の人が声をかける時は「いらっしゃいませ」。あくまでも、客として財布を開かせ商品を販売するのが狙い。が、秩父では客以前に一人の人間として対していた。媚びた笑顔を貼り付けるでもなく、素朴で自然な挨拶が心地よい。
16/07/09 三峯神社

極彩色の祭殿



桔梗紋と菊紋



遥拝殿

旅の直前、近くの美容院で「秩父へ行くのだけど、お勧めの観光地とか食事処とか、ある?」と聞いたら「秩父は三峯神社しか行った事ない」と若い美容師さん。それは、どういう神社?

門前に佇めば、霧で視界が遮られたが、拝殿へと歩を進めると、不思議に霧が晴れた。ここの守り神は狐(山犬)とか。狐に化かされた気分だ。

この社の起源を辿れば、多分に漏れず神話へと誘われる。それは置いといて、目を奪われたのが公武合体の紋所。右が皇室の菊紋で左が秀吉の桔梗紋。半分こって、両者の顔をたてた折衷案だろうか。珍しいものを見た。

神社の裏山(妙法ヶ岳)の森を分け入った山頂に、奥宮謡拝殿の見晴台がある。正面に酒が供えられ、漂う荘厳な気と相まって、ぞくぞくとした冷気に抱きすくめられた。山々を一望していると、心が洗われる思いがする。


再び神社へ戻ると、息子が言った。「あんまり時間はないけど、風呂に入る?」。実はここの境内には興雲閣という併設施設があり、宿坊での宿泊や、神様の温泉「三峯神の湯」があるのだ。風呂好きな家人は、大きく頷く。さてさて、女湯。誰もいない。数分後、若い女性グループが3人入ってきた。いわく「気持ちいい。やっぱ、入ってよかったね。15分しか時間がなかったけど」。言うなり即効であがっていった。湯を舐めると、しょっぱい。神様の湯だけに、最高の匙加減。@600円。

ここは、理屈ぬき楽しい。
閑話
中津川いも 田楽

「ジャガイモではありません。奥地の砂利畑で少量採れる貴重なものです。便秘がぴたりと治る」

境内の茶店。中津川いも 田楽@300円。やせた砂利畑で、自家用として細々と作りつづけてきた奥秩父の名産。今に残るのは、奇跡に近い。一重に、三峯神社への観光客に支えられたお陰だとか。味は、ジャガイモというよりもサツマイモに近いほこほこ感。とかくに、過酷な状況で苛め抜かれたものが滋味豊かだったりする。人間なら、こじけてしまいそうだけれど。

写真右は店主。この後、「写真ですか」と満面の笑みを浮かべた。しまった、写真撮影の承諾を取り忘れてた。失敬。ちなみに、ここも例の吉高由里子のCM撮影現場。道理で、客が多い筈だわ。
16/07/09 SLパレオエクスプレス

昼食を求め、秩父鉄道・秩父駅へ戻ったが、ほとんどの店が調度 午後のクローズ。致し方なく、御花畑駅へリターン。

駅構内は人の山。不思議に思う間もなく緊張の瞬間が訪れた。なんと、SL・C58363がやってきた。もう、目が点。これは、土日のみ走らせるファンサービスだそうな。

訳も解からぬうちに巻き込まれ、唖然呆然。あとで振り返れば嬉しいサプライズ。
16/07/09 元祖立ち食いお花畑そば




たぬきそば@370円

秩父鉄道・御花畑駅へ戻った。今日 何度目だろう。
さて、目的の昼飯。気になっていたのだ、駅構内の立ち食い蕎麦。「皇太子様 御来秩 献上 せきたの特挽地そば」との看板をチラ見していただけに、記憶の底にこびり付いていた。「だら、皇太子様の蕎麦を食べるべぇか」

天蕎麦を注文したら、すでに売り切れ。で、たぬき蕎麦にした。これでもかと言う程の天かす。これで充分「たぬき蕎麦」?・・・お得。

実は、この店 駅のホーム側からも利用できる。一方、改札を抜けた所にもう一店蕎麦屋がある。趣を異にし、小さなテーブルと椅子があり、ちょっと一杯の飲み屋風。後で調べたら、こちらも中々の人気店なのだとか。

次回はちぇっく。
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