TOP

2016年 北陸・北関東旅行記 2

長野県・渋温泉→善光寺→忍城



16/09/27~16/10/01   

旅程
1日目 渋温泉 外湯めぐり 長野県下高井郡山ノ内町
2日目 善光寺 長野市
JR長野駅 同上
3日目 道の駅 八ツ場ふるさと館 群馬県長野原町
4日目 道の駅 はなぞの 埼玉県深谷市
5日目 忍城址 埼玉県行田市


泊まったところ 渋 白銀屋旅館 長野県下高井郡山ノ内町 渋温泉
道の駅 北信州やまのうち 長野県下高井郡山ノ内町
道の駅 ふじみ 群馬県前橋市
道の駅 はなぞの 埼玉県深谷市
温泉 渋温泉 外湯めぐり 長野県下高井郡山ノ内町
富士見温泉・見晴らしの湯 群馬県前橋市


食べたところ ●ナカジマ会館 信州そば JR長野駅コンコース

1日目   晴れ
16/09/27 渋温泉 外湯めぐり

9番湯・渋大湯



浴室

1300年の歴史を持つ信州・渋温泉は、35の旅館と外湯9を持ち、 武田信玄や佐久間章象山や葛飾北斎など著名人が多く訪れたと伝えられる名湯。 前日、ひょんな話の弾みから今日の訪問と相成った。

渋温泉で有名なのが、外湯めぐり。宿泊している旅館から渡された「湯手形(外湯の鍵)」を持ち、9つの外湯を巡り歩く。 全てを巡ると「苦(九)を流す」そうな。外湯めぐりは、地元の人と宿泊客のみ。料金は無料。 日帰りは、@500円で9番湯のみ利用可。

まずは、一番人気の9番湯。洗い場がなく、浴槽のみのシンプルさだが、ここには蒸し湯が併設されていた。 9つの湯、それぞれに泉質が違うので効能も違う。 目が疲れやすい家人は6番湯・目洗いの湯、私は白濁した8番湯・神明滝の湯がお気に入り。 9湯を巡るとなれば、浴衣を着たり脱いだりを9回繰り返す訳で、ザブっと湯船に浸かる程度で先へと進む。 そんな様子なので、中にはおそろしく熱湯があった。 入る人が少ないと、湯を水でうめる事もなくエライ高温になっていたのだ。 さすがの熱湯好きの家人も1箇所入れない湯があり、翌朝制覇して満足気。

浴衣に下駄履きで、温泉街を歩く。坂の中程ですれ違った大学生2人組は、家人の顔をみつけて満面の笑みで言った。 「昨日 あれから3番湯へ行きましたよ。確かに、熱くて指の先をちょっと入れただけで退散しました」。 昨日何番目かの湯で出会い、交わした外湯情報の続きだ。 ここには、見知らぬ人とも共通の話題がある。温泉街を、温い風が通り過ぎる。
16/09/27 渋 白銀屋旅館


温泉街の坂の中程に位置する温泉旅館。 湯めぐりには、調度良い立地だが、建物はかなり古い。

予約の決め手は、日にち限定割引プラン・1泊2食つき@8800円。 渋温泉郷の中でも格段の安さ。 しかし、部屋の畳は日焼けてささくれだち、床が下がっている部分も。 内湯は家庭風呂みたいなのが1つだけ。 到着時は熱い湯だったのに、夕食後の男湯は温い湯だったそうな。 家人いわく「熱い湯は体に悪いですからね」と先客がどんどん水でうめていたのだと。 実は、先客はこの旅館の家族。何だか、主客転倒の様相だ。

そういえば、ここ、24時間 風呂が自由に入れると銘うっているのに、若女将は言った。 「一応24時間になってますが、12時くらいまでに」

古さが醸し出す趣は好きだが、古い≠レトロ。

夕食


朝食

夕食

メインは、豚背ロースと野菜のしゃぶしゃぶ。 肉が美味い。肉に執着が薄い私でも、にんまり。

と喜んだのは、ここまで。
山菜釜飯は固形燃料の燃えカスが残る一人用コンロに乗っているにも係わらず、 へらを鍋の縁に差し入れると鍋底の形のままにご飯が持ち上がる。 この暑い時期にここまで冷えているなんて、どんだけ前に作り置きしたのか。 茶碗蒸し、しかり。 表面中央が乾燥のため臼状に凹み、レンジで温めたため器の周りに巣が立っている。 思うに、自賄いではなく仕出し屋料理なのでは? それならば、それで良いのだが、 温かい料理は温かくあるべきで、レンチンすれば済む事ではない。 これ程までの冷や飯は、楽しい温泉気分に水を差す。
2日目   雨ときどき曇
2016/09/28 道の駅 北信州やまのうち

道の駅 北信州やまのうち


巨砲  @250 円& 天山 @300円

朝、旅館をチェックアウトし、近くの道の駅に寄ってみた。 さすが長野、店頭に居並ぶ果物の何と豊富なことか。 まずは葡萄。種類が多く迷った私は、隣で葡萄の品定めに余念のないご婦人に聞いてみた。 「粒が大きい方が、美味しいんですかね」。 昨日TVで観て岐阜から買いに来た彼女は、小首を傾げてぽつりと呟いた。 「でも、粒が大きくて値段が高いのは近所でも買えるから」。

思案の末、巨砲・青葡萄(天山)・りんご(秋映)を購入。 皮がピンと張り、甘い果汁が口いっぱいに広がる。 なんて、美味しいのだろう。 まだ旅の始まり故に、多めに買えないのが残念。秋の味覚を堪能した、幸せなひと時だ。

この後 善光寺を観光し、夕方戻って今夜はここで泊まり。 車の出入りが多いので治安面の不安もなく、かと言って煩い程でもない。地味に、お勧め。
2016/09/28 善光寺

善光寺


仲見世通り

最近はセクハラ問題で世間を賑わせている、善光寺。無宗派の寺。 住職は、天台宗の名刹から推挙された僧侶「大勧進貫主」と、 代々 公家出身者から迎えた「大本願上人」のふたりが務める。 大本願上人の大本願は尼寺。ふたつの宗派がひとつの寺に共に存る、というのも珍しい。

仲見世通りは道幅がたっぷりと広く、ゆったりとした余韻が漂う。 雨に見舞われ参詣客が少なく、その分 近所の幼稚園児たちの散歩など、地域の人々の日常が賑やかに展開していた。

本堂内に通称びんずるさんと言う仏様がおり、自分の体の悪い所と同じ所を撫でると良くなると言われているそうな。 沢山の参拝者から撫でられて来たのだろう。 目鼻が分らない程にツルンツルンで、のっぺらぼう状態。 目の前で熱心に撫でている人は、口あたり。一言多いとかか。


豊響関

「あぁ、あれ 相撲の・・・誰だっけ」
「御嶽海じゃぁ、ない」

そんな会話を耳にし、見れば浴衣姿の大きな人が立っていた。 確かに、力士だ。ちょうど、通りがかりの女性に写真を撮られていたので、便乗して私もパチリ。 プライベートだっただろうに、快く応じてくれた。

調べたら、御嶽海とは別人で豊響。よくTVで見るお顔と思っていたのだが、失敬。
2016/09/28 JR長野駅

車を善光寺近くの駐車場に置いて、つかの間の散策へと繰り出した。

JR長野駅は、新幹線の発着駅。建物は、近代的な雰囲気だ。 玄関口の柱にかかる提灯が真田の家紋・六文銭。 当地ならではの意匠が、長野らしさを良く表してした。
2016/09/28 ナカジマ会館

信州そば@310円

折角だから、信州の蕎麦が食べたい。と、家人。しかし、駐車時間が迫っている。 そこで目にとまったのが、駅コンコースの立ち蕎麦。2007年に長野駅構内の「ナカジマ会館 立ち食いそば」が惜しまれつつも閉店し、その味を復刻したものだとか。 店内は入れ替わり立ち換わり客がやって来て、人気の程が伺えた。

掛け蕎麦@310円。蕎麦はすぐに到着。鰹出汁がいい仕事をしている。充分に満足。 信州蕎麦、食べたゾ~。
3日目   曇りのち雨
2016/09/29 道の駅 八ツ場ふるさと館

道の駅

かつて、激しい建設反対運動が起こり、日本中にその名を知らしめた「八ツ場ダム」。
工事は、紆余曲折を経て着々と進んでいる。静かな山間部に「道の駅」や付け替え道路など、新しい施設が出来た。 人影もない自然の中を、密やかに都会の風が吹き抜ける。

この道の駅は、八ツ場ダムの役割や長野原町の歴史などを広報する「やんば館」と、 地物野菜や群馬の土産物販売所などを備える。 建物は新しくて綺麗。 しかし、ここで働く人は何処から通っているのだろう。 人家もまばらで、たっぷりな緑を湛えて空気の美味しい大自然の真っ只中にぽつんと建つ。

足湯

お勧め一番は、足湯。

源頼朝も唸ったと伝わる川原湯温泉の源泉をひき、じんわり足の芯から温まる。気持ちいい~。

不動大橋

八ツ場ダムの広報施設・「やんば館」の敷地内・足湯あたりから見た「不動大橋(湖面2号橋)」高さ87m。 この橋の下すべてが、水没予定地。

足湯の川原湯温泉は、まさにここ。 旅館などの温泉施設は今や高台へと移転し、別の源泉を引いているそうな。 歴史ある名湯が、ダムによって失われた。 足湯の湯が、今は貴重な昔ながらの川原湯温泉の源泉。
2016/09/29 道の駅 ふじみ

車中泊は、出来れば温泉併設がベスト。 で、今宵の宿は 「温泉のある道の駅・第1位」と誇らしげな看板が立っていた赤城山麓の「道の駅 ふじみ」に。 すぐ眼下に広がる前橋市街。雄大な大自然に包まれていながら、街がこんなに近いのが不思議な位だ。

駐車場は広くしかも静かで、P泊お勧め。ただ、風が強く遮るものがないので、車が揺れることも。

湯は、同じ敷地内にある「富士見温泉 見晴らしの湯」。@510円、19時以降orシルバー@300円。 今日は、月に何度か催される人情芝居の日だったらしく大広間はお年寄りで溢れんばかり。 私はと言えば、いつもの通りの烏の行水。 長湯は苦手なので、大広間を覗いたり本を読んだりして家人が湯から上がるのを待つ。 これまた至福の自由時間。
4日目
2016/09/30 道の駅 はなぞの

「そろそろ明日から家に向かって走ろうか」と話したのは、先夜のこと。 3つ4つの道の駅を経由し辿りついたのが、ここ。 駐車場は広いし、車中泊の数は半端なく多いし、安心感でいっぱい。 北海道の道の駅は、季節を間違えなければ、ほとんどこんな感じ。 久しぶりに出会えたバッチリな場所。なんだか懐かしさに涙が出そうだ。 とは言え、ここは我家からそう距離がある訳ではなく、帰宅も可能。 「家に帰る?」と家人に問うと「折角の良さ気な所だから、泊まっていくか」。

徒歩で最寄のスーパーへ行き、格安で鰤刺しをせしめた。 今夜は、グルメな夕食。

さて、そろそろ寝るか。 と車窓を眺むれば、次から次へとスマホ片手の人々が往来する。 日が暮れると、懐中電灯片手の人も闊歩しだした。 「なんじゃ、こりゃ」。 と窓に貼り付いた家人が言った。 「ポケモンGOだな」。
5日目
2016/10/01 忍城址

御三階櫓と復元された門

忍城は、石田三成の水攻めにも耐え、過酷な戦国の世を潜り抜けた、関東七名城に数えられる名城である。 映画「のぼうの城」のモデルとなった城だ。

時代とともに、武蔵武士・成田氏から徳川家・松平氏へと城主を替え、明治期に取り壊し。 その後、本丸跡地に当時を偲ばせる忍城址が整備され、敷地内には博物館(入館料@200円)が併設されている。

広大な湿地帯に建つ忍城は、周囲を湖沼に囲まれ全面が堀状態。 それ故、難攻不落の城と言われた。「浮き城」と言われた所以である。

3千の勢力で2万数千の三成軍と対峙し、1ヶ月に及ぶ戦いにも城が落ちる事はなかった。 城主が小田原城詰めとなり、留守を預かる娘・甲斐姫が城を守って戦う姿が目に浮かぶ様だ。 しかし、小田原城の落城に伴い、甲斐姫は秀吉の側室に召し上げられた。 戦国の世の非情。櫓の写真を撮っていた方が、戻ってきた。 「何だか、撮り漏れた気がして」と。

さて、ここ行田市は、足袋の生産でも有名である。 往時は、日本のシェアの大部分を占めていたが、時代とともに衰退した。 とは言え、行田は今 静かなるブームの中にある。 人気作家・池井戸潤の作品「陸王」が、行田市の足袋業者の話なのだ。 これをキッカケに、忍城人気が再沸騰したらいいな。
BACK TOP





©2007匁の旅手箱
inserted by FC2 system