TOP

2013年 ベトナム旅行記

ベトナム社会主義共和国の商都・ホーチミン市・・・美味い!バインミー


13/02/26~13/03/02 新千歳→成田空港→ホーチミン 3泊4日
レート VND 10000= JPY 45.02
USD 1 =JPY 93.44
経費(大人2名)
交通費 ツアー代金 @59,800×2名=119,600円
(日本国内空港使用料) @1,000円×2名=2,000円
(現地税・経由便利用料) @1,860円×2名=3,720円
(現地税) @1,760円×2名=3,520円
新千歳パーキング(5日間) @2,100円
保険代 損保ジャパン“Off”カップルプラン 2人で       3,710円
現地ツアー代金 メコン川クルーズ @米29ドル
現地の交通費 タクシー 220,000ドン
食事代 350,000ドン
雑費 2,850ドン
総計  145,650円


旅程
1日目  成田からタン・ソン・ニャット国際空港へ
2日目 ニューワールドホテルで両替
ドンコイ通り
街歩き
歴史博物館
  ○水上人形劇
TNKオフィス・デタム事務所
3日目 途中の村でトイレ休憩
ミトーの村落
伝統音楽鑑賞
メコン川くだり part1(手漕ぎボート編)
蜂蜜&ココナツ工場
メコン川くだり part2(エンジンボート編)
タイソン島上陸
永長寺(ヴィンチャン寺)
4日目 国営百貨店(サイゴン タックス トレードセンター)
  ○タックススーパー


泊まったところ ティエンタオホテル
食べたところ 日本航空JL759 機内食
歴史博物館の喫茶店 ブラック・コーヒー
とある村でのランチ メコン名物・象耳魚
(エレファントフィッシュ)
Nha hang Ngon(ニャーハンゴーン) フォー、生春巻き
某ホテルのLobbyBar サイゴンビール・コーラ
食べたもの バインミー 徳発餅家
閑話 ベトナムの道路横断術
ぼったくりタクシー防止カード
NYAO氏のベトナム講座
チャッカリ君、彼女GET
DocPhat(徳発餅家)のケーキたち

1日目   出発編   今日の歩数=11,633歩  曇り
2013/02/26 成田国際空港からタン・ソン・ニャット国際空港(ホーチミン)へ

シャトル電車
空港ロビーの立ち食いそば(きつねそば@500円)
機内の飲み物

私は赤ワイン、家人は珈琲
機内食

カレー

海鮮
ホーチミン市
2013/02/26 ティエン タオ ホテル

ツアーのホテルは、いつもながらのBかC級ホテル。ホーチミン市は、昨年から地下鉄建設に着手したばかりで、鉄道網もかなり心もとなく足周りはタクシーかバスに限られる。

さて、今回のホテルは中心部・ドンコイへは、かなり不便。ホテル自体は老朽化が目立ち、壁紙や窓枠にまで貼ったクロスがベロンと剥がれたままとか。しかし、職員はしごく素朴でフレンドリー。英語の使えるフロントは1人いるが、日本語はまったく通じない。到着時に旅行社の現地スタッフから一応の説明を受けたので、特に問題はないが。

朝食は、ネット情報によると「ヴァイキング形式だが、種類も少なく、そこそこ。」と。確かに、料理の種類は少ないが悪くない。とりあえずヴェトナムの名物「フォー」も出たし。
2日目   ホーチミン市内を徘徊 編   今日の歩数=27,481歩  曇り

2013/02/27 閑話
ベトナムの道路横断術

ベトナム初日は、街歩き。

ホテルを一歩出た所で、仰け反ってしまった。目の前を物凄い数のバイクや車が走りぬけ、交差点近辺は地面が見えない程の過密度。えらい所へ来ちまった。

ベトナムには、横断歩道や歩行者信号がほとんどない。と思ったほうがいい。しかも、バイクや車が途切れることなく走り続けている。暑いので走っている人もいるそうだ。車線無視、対向車線をも平気で逆走する。どうしたら、この道を渡れるのか?

苦肉の策、地元の人に背後霊の様に着いて渡ることにした。「皆で渡れば怖くない。」。グッドアイデアではあるが、いつもこちらの都合の良い具合にベトナム人の先導者がいるとは限らないのが、困り処。道路横断のコツは、「私は渡る。」と言う確固たる意思を発散し、躊躇って立ち止まらず、真っ直ぐに渡りきる。迷って立ち止まろうものなら、途端にその隙間に付け込み、当方の体の前後すれすれにバイクや車が通っていくため、 逆に危険。我が身を盾にしての横断は、本能的に怖い。命がいくつあっても足りない様な。

ふと見れば、欧米人たち。まるで、このバイクの洪水が目に入っていない様に、急ぐでもなくマイペースで思いのままに渡りきっていく。それを、バイクや車がスピードダウンしたり止まったりジグザクにすり抜けたりと、 テクニックを駆使し巧みにかわして走り去る。手を直角より下に下げ、 下へ向いた手の平を「待て、待て。」と言うように上下にひらひらさせつつ、おどおどと渡る私。心臓は早鐘を打ち、出来るなら脱兎の如くここを走り抜けたい気分。道路一本渡るも、命がけだ。
2013/02/27 ニューワールドホテルで両替

昨日 成田空港のチバ銀行で、少しだけ円を米ドルに両替してきた。レートは、1万円が105ドル。が、ホーチミン市の街中では現地の貨幣・ドンしか使用できない。ドンの手持ち不足が心配。

ホテルで朝食をすませ「ベトナムのお金を、もう少々入手しなければ。」とフロントで両替を依頼。日本円で5000円が95万ドン。ネット情報では、10000円で260万ドンよりも上だと得。円安にしても、ちょっと高すぎて納得がいかない。 が、市内で日本円の両替を扱っている銀行が、とても少ないのも現実。

ホーチミン市は至る所にロータリーがあり、そこから放射線状に道路が走る。これが、方向感覚を狂わせる。旅行本「地球の歩き方」を手に、身を削る思いで道を横切り、目の前に現れたのが「ニューワールドホテル」。我が塒よりは、グレードが高そう。「そうだ、ホテルなら両替をしてもらえるに違いない」。5000円で115万余ドン。宿泊しているホテルと比べると、20万ドンも多い。日本円にすれば880円程度だが、気分の問題。

紙幣はどの札も「ホーおじさん」が微笑んでいた。ホーチミン氏だ。ちなみに、ベトナムでは旧札の10万ドンと5万ドンは使えないらしい。古く汚い紙幣は、銀行でも交換してもらえないと聞く。往々にして街中で買い物をした観光客が、釣りで渡される事があるらしい。主流の新札はポリマー製。火には滅法弱いそうな。
2013/02/27 ドンコイ通り


ドンコイ通りは、ホーチミン市の目抜き通り。近代的なデパートや高級ホテルが立ち並ぶ市内一の一等地。旅行者の多くが行き来する人気の場所である。日本なら、さしずめ銀座。しかし、路地を入るとフランス統治時代の建物が今もそのままに残り、独特な息吹が漂う。

ちなみに、ここドンコイ通りの地価は、1㎡あたり日本円で300万円程と高い。せめて、この美しい並木の散策を楽しませてもらうとしよう。
街歩き


統一会堂(旧大統領官邸)

サイゴン大教会(聖母マリア教会)


ホーチミン市人民委員会

市民劇場

ベトナムの文字は、基本的にアルファベット。「それなら、何とかなりそう。」とタカをくくっていたが、アルファベットの上に発音記号が付き意味不明。読めたにしても単語を知らないので、解るはずもないのだが。ベトナム語は、同じ音でも抑揚により六つ程の別の意味を表す。これを六声という。中国語は四声だから、中国語よりもさらに複雑ということか。

ところで旧大統領官邸(統一会堂)からタンソンニャット空港までは、 いざと言う時に要人移送するための「秘密の地下通路」でつながっていると、もっぱらの噂。その距離8km。ほんまかいな?

「ここ、きっと何か有名な建物なんだろうな。」と思っても、それが何なのか解からない。暑さのせいもあり、疲労困憊。
2013/02/27 歴史博物館

動植物園を入って左側にあるのが、歴史博物館。ここで、有名な水上人形劇がみられる。辿り着いた時は、ちょうど正午。昼休みで閉館中とは、とほほ。

人形劇だけを鑑賞したい人も、まずは入場料15000ドン(≒72円)が必要。先史時代から現代までのベトナムの歴史や、文化を紹介。展示されている箪笥などの家具は、中国のものにそっくりだ。
館内の喫茶店

歩き疲れ足裏に水膨れが出来、湿度の高さで熱中症気味な私。午後の開館時間までの時間潰しに、館内の喫茶店へ入った。

ブラック・コーヒー(アイス)@23000ドン(≒104円)を写真を撮るのも忘れ、一気に喉へ流し込む。物凄く甘い。ブラックとは砂糖が入らないのではなく、色がブラックだった。写真右の小さなグラスは、茶色のお茶。日本なら水が出る処だが、ベトナムの飲食店では何処もこのお茶が出る。この国は、飲料水が高価なのだ。「水はただ。」と思っている日本人感覚を、再認識。

ベトナムへ来て何が大変と言って、コンビニがない。スーパーがない。水が買えない。

水上人形劇

水上人形劇会場



躍動する人形たち



人形つかい師たち

1000年の歴史を持つというベトナムの水上人形劇。元々は農民たちが農作業の気晴らしと豊作を祈って始めた地方の娯楽だったが、今では世界中で上演されている伝統芸能。

中庭には小さな池と観覧席があり、1日6回ほど水上人形劇が上演される。最少催行人数が10人で、人が集まらない時は中止になることもあるそうだ。「今日は大丈夫かな」と不安に思っていたら、上演時間ぎりぎりにアメリカ人のツアー一行がなだれ込んだ。その後、やっと私たちの入場。正面のいい席はすでに占拠され、横からの鑑賞と相成った。

鑑賞代@50000ドン(≒225円)。「地球の歩き方」には@40000ドンと書かれていたが、値上がりしたのかな。中年のおばちゃん2人が料金を徴収し、入場券も何もない。家人と私の2人分の料金を手渡したのに、人波に押され離れ離れとなり、家人は再度料金を請求された。結構、適当。料金を多めに支払えば、催行人数に達しなくても上演するらしい。

人形は、左の写真・緑部分の幕の向こうで操作。 人形同士の巧みな絡みもあるが、演じる彼らから人形が見えるのか?写真右が、最後の挨拶に出てきた人形つかい達。以前は、ここでしか水上人形劇が観られなかったが、今は他に常設の専用劇場が出来たらしいが、元祖はこちらなので、大満足。
3日目   メコン川クルーズ・ツアー 編   今日の歩数=7,286歩  晴れ
閑話
ぼったくりタクシー防止カード

vinasunタクシー

在ホーチミン日本国領事館が発行「ぼったくりタクシー防止カード」。海外旅行でのタクシー乗車は極力避けてきたが、領事館のサイトからコピーし一応持参した。

昨日1日歩き回り私の足裏は水ぶくれで歩行困難だし、家人はこの湿度の高さで両足の太もも一面に発疹が出来てしまった。かくして、初めてのベトナムタクシー体験。ホテル前にいつも横付けされているのが「Vinasunタクシー」。旅行本「地球の歩き方」によれば、このタクシー会社は優良。

今日のミッションは、旅行会社のツアー「メコン川クルーズ・ツアー」。とりあえず、集合時間までにTNKオフィス・ディタム事務所まで辿り着かねばならぬ。ドキドキはらはらしながら、ホテル前に止まっていたVinasunタクシーに乗った。そして、行き先を記した例の「ぼったくり防止カード」を提示。すると、運転手は頷き当方の希望地まですんなり運んでくれた。料金は45000ドン(≒202.6円)。チップを含めて50000ドン(≒225円)。日本領事館が発行とは言え、どれ程の効き目があるものか。かなり、疑っていたのだが。以来、Vinasunタクシーは足がわり。

他国でもやって欲しい。
~メコン川クルーズツアー~
2013/02/28 TNKオフィス・デタム事務所

ホーチミン市と言えば、メコン川くだりは欠かせない。その乗り場がある「ミトー」への手段を散々調べたが、自力では不可能と判断。ツアーしか術がない。が「メコン川クルーズ1日・昼食つき」と言っても、旅行会社により値段の差が大きい。例えば、ウエンディー・ツアーは110万ドン(≒4953円)。T&Tトラベルが、5500円。TNKが日本語ガイドコースで29米ドル(≒2710円)。 英語ガイドコースだと11米ドル(≒1028円)。 口コミ情報によれば、昼食の場所も料理の内容も各社とも全く同じだと。最安値のTNKの日本語ガイドに決めた。中には、全く英語が解らないのに英語ガイドコースで行ったというツワモノもいるそうな。景色は説明が無くても見れば解り、言葉の通じないツアー客同士でも身振り手振りで交流が出来、楽しかったという。その度胸に敬服。

ツアーの集合場所・デタム事務所は、デタム通りの中心部にある。無料のペットボトル水補充サービスが、有難い。

各種ツアーへ出発する人々でごった返す事務所前の道。バスが停まる度に乗降口へと客が群がる。私と家人が駆け寄ると、若い女性が話しかけてきた。「ジャパニーズ?」。私は頷き、尋ねる。「It'sメコン?」。すると「Yes,English.」と。英語ガイドコースか。まもなく、後に小さなバスが停まった。すると、件の女性が私たちを見止めて、そちらのバスを指差した。事務所の人だったか。慌てて、バスへと駆け出す私と家人。乗った途端に発車した。

車内はすでに満席。私たちは、補助席を利用することに。実はこのツアー、ドンコイやデタム近くのホテルへは迎えに来るが、遠いホテルへの迎えはない。途中のホテルでツアー客を拾ってきたため、自力で来た私たちは最後の乗車と相成った。
途中の村でトイレ休憩

←日本語ガイドのNYAO氏。自分の名前は、日本語で猫の鳴き声と一緒です。と。

淀みない巧みな日本語を操るが、時々アクセントに違和感がある。座学で習得したのだろうか。外国語をものにし職業にした努力は、凄い。

ミトーへの途中で立ち寄った村で、トレイ休憩。注文を受け果物をミキサーでジュースにしたり、青サイ姿の美人による土産物販売があった。ホーチミン市の喧騒から逃れ、ホッと一息。

トイレを済ませ時間が余ったので、家人は庭先のハンモックで束の間の昼寝を楽しむ。その間に、NYAO氏と運転手氏と知人女性が、庭先の竈でインスタントラーメンらしきものを煮、野外で食卓を囲んでいた。ベトナムの人は家で朝食を取らないらしい。これが、NYAO氏の1食目(朝食)かな?
閑話
NYAO氏のベトナム講座

この橋を越えるとミトー

ベトナムは、インドシナ半島東部に位置する社会主義共和国家。 国土は南北に細長い。首都はハノイ市。多民族国家。同じベトナムなのに、NYAO氏によると北と南では別の国ほどに違うそうだ。

  北(ハノイ) 南(ホーチミン)
民族 漢民族 クメール人
政治の街 商業の街
街の印象 落ち着きのある街 活動的で喧騒の街
昔の街並み 中国の街並み フランスの街並み
気候 ホーチミンより10℃以上は暑い。台風あり 暑い。台風なし
犬猫食 あり なし
埋葬 一旦埋め5年後掘り起こし洗骨後本葬 埋葬は1回。
土地があれば何処でもOK
coffee ホット アイス
スマイル 無愛想 懐っこく笑顔

社会主義国家なので、18年程前まで物資は国家からの配給制。その後 資本主義が流入し、南部の若い女性たちの結婚条件は車と家持ちの男性ならOK。そのため、韓国や台湾の男性との結婚が多いそうだ。車を買おうとすると車税が100%から200%もかかると。「ベトナムの男性は、お金がないから」とNYAO氏はふっと溜息をついた。

車は無理でも、バイクは市民の50%が所有する市民の足。人気は日本の「ホンダ」。街のあちこちで「HONDA」の看板が目に入る。これは、車ではなくバイクのことだったのか。ただ、最近は、廉価な中国製などに押され気味と。
2013/02/28 ミトーの村落
伝統音楽鑑賞


伝統音楽鑑賞



フルーツ試食&伝統茶試飲
すいか、バナナ、パパイヤ
パインナップル

小さな村落の一軒に案内された。

テーブルの上にはお茶セットがすでに用意され、女性がひとり分づつに取り分けたフルーツ皿を運んできた。

すぐに、地元の人たち(結構、年配者)による音楽演奏がはじまる。楽器の構成は、中国の胡弓や月琴に似たものとギター。一通り演奏が終わると、写真右の女性と年配の男性とによる掛け合い漫才が始まった。(両者共に村の一般人)。言葉が解らないせいもあるが、全く受けない。面白がって大笑いしているのは、演じる2人だけ。不思議な雰囲気だ。

さて、ほぼ公演?が終わった頃、日本語ガイドのNYAO氏が私たちに言った。「もし良かったら、この箱にご祝儀をお願いします。 だいたい、1万ドンくらい。1万ドンは日本円では45円程度ですから。」 強制に近い雰囲気の中、全員が従った。日本人にとって45円は大した額ではないけれど、釈然としない思いが残る。

終えて、来た道を歩いていると、地元の中年男性が勢いよく飛び出し、両手を広げて何度も叫んだ。「Your Welcome!」。顔に満面の笑みを貼り付けて。「何事だ」と立ちすくむ私たち一行。NYAO氏は無表情で歩きすぎて行った。小さな村を訪れる観光客が落としていく祝儀という名の現金収入は、彼らの生活を支える大きな糧に違いない。「Your Welcome!」は彼の精一杯の歓迎メッセージ。
2013/02/28 メコン川くだり(part1)手漕ぎボート編


前から私・家人・B君



沢山のボートとすれ違う

メコン川は、中国・ミャンマー・ラオス・タイ・カンボジア・ベトナムの6カ国をつなぐ全長約4425kmの東南アジア最大の河川である。メコンの由来は、タイ語でワニ川という意味。その入り口の町・ミトーから、いざ旅立ち。

メコン川の支流を、手漕ぎボートで進むため、ツアーのメンバーが思い思いに船へ近づいた。すると、先頭に居た私に半ズボンの若者が言った。「僕、一番前に乗っていいですか」。一番前は景色がいいし、誰だって前がいいに違いない。こんな処で言い争うのも大人気ない。「いいですよ。」と大人?の私。すると、写真一番奥・船尾で野球帽姿の若い船頭が若者(A)を手招きし、自分の傍へ引き寄せた。ベトナム人の船頭に日本語が理解できるはずも無く、どうして事態を理解したのか。お陰様で、私が先頭。

ちなみに、家人の後ろに座っているのがAと同じ年恰好のB君。その後ろ・足だけ見えるのがA。

船に備え付けの傘を被り、ジャングルを掻き分ける様に小船が進む。うねる様に流れる川の色は、茶色に濁ったカフェオレ色。船の上からも、両岸の木に重そうにぶら下がる果物が見える。ジャングル・クルーズの世界へ。

意外とメコン川は交通量が多く、ひっきりなしに他の船とすれ違う。むかし道路が出来るまでは、小船が人々の唯一の交通手段だったとか。名残か、ボートを操る人々は中年女性が多い。
2013/02/28 蜂蜜&ココナツキャンディ工場

ココナツキャンディを竈で煮ている処




小船で上陸した静かな村。工場と聞いていたが、一軒の家で蜂蜜とココナツキャンディを手作り中。  

広い敷地内の納屋前で、大蛇をズタ袋からひょいと取り出したNYAO氏。ツアー一行は順番にマフラーのごとく首に巻き、記念撮影。散々に弄られた蛇君は、ミッションを終え再び袋の中に戻された。「可愛そうに。」と呟く家人。

その間、きょろきょろと庭を徘徊する私の目の前を、何かが凄いスピードで走り抜けていった。目を凝らせば、鶏。その体は、毛が抜け切り骨と皮。体中の地肌が露出している。どう見ても肉屋にぶら下がっている羽をむしった後の鶏。NYAO氏に聞いたら、「あれは、軍鶏(しゃも)。ベトナムでは、鶏闘の習慣があるので」。毛のない鶏のなんと寒そうなことか。家人が言った。「きっと、ストレスで抜けたんじゃないか」気の毒で、カメラのシャッターを切れなかった。
2013/02/28 メコン川くだり(part2)エンジンボート編

手前の船



川に浮かぶ家、実は船。船底は生簀

次は小さいながらもエンジンの付いた船で、メコン川支流の中州の小島・タイソン島へと向かう。

カフェオレ色に濁ったメコン川が、どこまでも勇壮に続いているのだが。昨今は、この川の上流に位置する中国で混入されていると思しき有害物質による被害が、深刻なのだそうな。

ふと、流し素麺を連想してしまった。以前食べた時のそれは、グループ客ごとに別のレーンが設定されていたが、もし同じ1本のレーンで上の人がマナーに反する食べ方をしたら、下の人は迷惑千万。堪らんだろう。
2013/02/28 タイソン島上陸

民家の庭に造られた墓

民家のどこの家庭の敷地にも、大きな墓があった。

ベトナム南部では、土地があればどこにでも墓を建てても良い。しかも、1人につき1基。10人家族だと、庭に10基の墓が並ぶことになる。代が進み、墓を建てる土地が無くなったらどうするのだろう。
2013/02/28 象耳魚(エレファントフィッシュ)のランチ

上から時計回りに「象耳魚・生春巻き・野菜)


目玉焼きや野菜が載ったライス
(1人1皿)

ツアーの目玉のひとつ「メコン名物・象耳魚のランチ」。

突き出した鼻が象の鼻の様にみえるため、「象耳魚」と言う名がついたそうな。 唐揚げした魚の身をほぐして、野菜と一緒に生春巻きの皮で包んで食べる。特に美味しい訳ではない。むしろ、口コミどおり不味い。生春巻きも、早くから調理していたのか、皮が硬く日本の生春巻きとは別物。加えて、1プレートのライスは箸の間からパラパラとこぼれる粘りのないベトナム米。NYAO氏によると、メコン川流域は3毛作(3期作?)。周囲の田んぼを覗くと、水稲ではなく土一面に無造作に植える陸稲。日本の米との味の違いは、これか。

さて、メコン川くだりの項の写真に登場したB君が、カットフルーツ試食で同じテーブルについた。その後の手漕ぎボートも一緒。気がつけば、何となく傍にいる。ランチの店では、近くにいた人が自然に同じテーブルを囲む。家人が椅子を引きつつ言った。「あ、ここ3人座れるよ」。それを耳にしたNYAO氏「3人なら、あちらのテーブルへ」。かくして、ツアーグループから少々離れたテーブルへと案内された。又又同じテーブルを囲む仕儀となったB君であった。後で家人が言うに、彼が1人旅だったのでグループに入りづらいだろうと思って。

彼は、スカイツリーが見える所に住んでいる独身の30歳。福岡育ちで、今は横浜に実家があるそうな。学生時代から旅行好きで、マチュピチュへも行ってきたと。今回は、仕事の休みをとって「アンコールワット」へ飛び、昨日ホーチミン市入り。ベトナムに着いてからホテル探しをし、市民劇場ちかくに1泊@10000円位で見つけることが出来「安かった」と。「実家へ帰ると親戚に“結婚はまだか。”と言われるんですよ」と苦笑い。「いつか後悔するのかも」とも。旅好きな好青年との楽しい会話が、何よりのご馳走。
2013/02/28 永長寺(ヴィンチャン寺)


本堂



電光の光背

象耳魚のランチを終え再び船に乗り、ミトーの街から1キロ東にある椰子の木に囲まれた仏教寺院・永長寺へ。拝観料無料。

1849年に建てられた由緒ある寺。広い敷地に、西洋風の中庭とお城。中国とフランスの建築様式を取り入れたら、こうなったみたいな。アジアンなのかフレンチなのか、不思議な混合空間。

まずは、目に飛び込んでくる巨大な布袋さん。いえ、弥勒菩薩像だそうで。これのどこが弥勒菩薩?。

フランス風の中庭をすぎ奥へと歩を進めると、寺の中は一変し中国風建築。中仏折衷。どうも、頭の中が混乱しギクシャクと噛み合わない。

写真は、この寺自慢・電光の光背(仏像の頭の後ろの丸い部分)。
目に鮮やか、キラキラと光る。お祭りで売ってる「光るブレスレットやペンライト」を連想。これを目当ての観光客が、多いそうな。仏像本来の意味を思えば、光らなくてもいいのに。仏像は、日本の渋いのがいい。

この寺では、ツアーのトイレタイムが設けられていた。私は昼に食べた象耳魚の唐揚げの、慣れないベトナム食用油に反応してしまったのか、トイレ通いの合間の拝観。尾篭な話で恐縮。
閑話
要領の良いA君、彼女GET

デタム通り

永長寺を後に、バスは一路ホーチミン市へ。帰りの車内は、お昼寝タイム。スースーと安らかな寝息が聞こえてくる。

やがて、ツアー事務所のあるホーチミン市・デタム通りに到着。事務所前にて一同うち揃って記念撮影後、解散。ツアー会社のネットに掲載するそうで「協力してください」とのこと。そんな時、後ろから他のツアー客の話がまるごと聞こえてきた。声の主は、あのA。相手は20代後半のツアー仲間の女性。

A 自分、前の会社は人間関係も良かったし、別に辞めたかった訳ではないんですよ。でも、やっぱり、自分がやりたいことをやりたいから。今フリーです。
女性 私、空港関係の仕事をしていたのですが、先月会社辞めて今は就活中。自分の実力を発揮でき、ステップアップできる職場でなき意味ないものね。
私の心の声 なるほど、似たもの同士。
あの、連絡先教えてもらってもいいですか?
私の心の声 それでAは、グループでテーブルに着く機会には、落ち着きなくあちこち場所移動をしていたのか。彼にとっては、彼女探しの旅だったのか。


ふと、私たちと同じテーブルを囲んだB君を見やった。何となくグループ風になって一緒に行動してきたが、もしかして彼が女性と出会うチャンスを潰したか、私達。
~これにて、ツアー終了~
2013/02/28 DocPhat(徳発)のバインミー


バインミー



注文を受けて具材をサンド

街のあちこちで見かける屋台は、フランスパンで作ったサンドウィッチ・バインミーの店。バインミーは、フランス統治時代からベトナムに残るフランス食文化の名残だ。フランスの置き土産。

見かけはフランスパン。しかし、中のパン部分は頗るフワリと柔らかい。レバーペーストを塗りコリアンダーなど香草やハムや野菜などを好みで挟み、魚醤などの調味料を振りかけて出来上がり。これが、美味いのなんのって。ベトナムを訪れる日本人観光客の誰もが、大ファンになるのだと。屋台での注文の仕方が解らない私は、ホテル近くの小奇麗なパン屋さんへ毎日通い続けた。

この店でのパンのサイズは、大と小。小は長さ約15cm前後で、何種類サンドしても@15000ドン(≒67.53円)。私は、小サイズ。ショーケース内にずらりと並ぶ具材を、指差し注文し挟んでもらう。勿論、全種類。その具材の中に、大根と人参の甘酢漬けがあった。見た目も味も、日本の「ナマス」そのもの。まさか、ベトナムで日本料理に遭遇するとは夢思わなかったが、これがバインミーにぴったり。

あぁ、美味しすぎるバインミー。愛しのバインミー。
4日目   国営百貨店&人気レストラン 編   今日の歩数=16,264歩  晴れ
2013/03/01 国営百貨店(サイゴン タックス トレードセンター)

昨日のメコン川くだりツアーで同席したB君からの耳より情報。「買い物なら、国営百貨店2Fのタックススーパーがいいですよ。僕は、ベトナムコーヒーと手頃なコーヒーミルを買っちゃいました」。

「国営百貨店」とは、いかにも社会主義国。しかし、2012年夏にリニューアルしただけに、売り場面積は広く1階には高級ブランド店がずらりと並ぶ。ここがベトナムであることを忘れてしまいそう。

タックススーパー

まずは、2階のスーパーマーケット「タックススーパー」へ。が、スーパー入り口に立っていた警備員に押し止められてしまった。身振り手振りから推して、横にあるロッカーに荷物を入れろ。と言うことか? ちなみに、ロッカーは無料で鍵付き。慌てて持っていたバッグをロッカーに放り込み、スーパーの中へ。何だか妙に手軽。と思ったら、財布までロッカーの中だ。

店内は、世界第2位の輸出を誇るベトナムコーヒーや、インスタント麺、チョコレート、日用雑貨など品揃えは申し分ない。しかも、クーラーが効き、涼しい。市場の様に値切らなくてもいいし、ボラレる不安もない。快適。
2013/03/01 Nha hang Ngon(ニャーハンゴーン)

黄色の建物&オープンテラス
&住所表記の「160」が目印

Nha hang Ngonは、ベトナム語で「おいしいレストラン」という意味。

バスター通りをホーチミン市博物館を越え、チートゥチョン公園を過ぎた右手にある。黄色の建物とオープンテラスが目印。門を潜ると大きな花が飾られ、ゴージャスな雰囲気が漂う。外国人客が多く「ここはフランスのカフェテラスか」とキョロキョロ。入り口で出迎えたスタッフが、一緒に歩きながら訊いた。「Out or In?」。手前がオープンテラスで、2階が屋内席なので、オープンテラスを希望。

早速メニューを開いてみたものの、どれが麺でどれが飲み物やら。大まかなカテゴリー分けすら、検討もつかない。「どうやって注文するのだろう。困った」。 メニューを持ってきたスタッフが、注文票にペンを構えて私たちの注文を待っている。しかし、チンプンカンプンな異国語(日本語)や片言英語の私達を前に、 彼はベトナム語での意思疎通を断念し、私たちを庭の端:通路にコの字にずらっと並ぶ料理の前に連れて行った。注文を受け、その場で調理スタッフが作ってくれるシステムだ。結局、フォーを2種類と生春巻きとライスを注文。

本当はもっと色々と食べたかったのだが、なにせ店内は凄い込み具合。そんな中を、まるで「付け馬」の様に注文票を構えたスタッフを従えての料理選びは、さすがに申し訳なくて気が引ける。という事情で、後は食べてから追加することにした。考えてみれば、スタッフを引き連れなくても勝手に指差し注文をすればよかったのだ。気がつけば、反対側通路の料理たちを見るのも忘れる程テンパっていた私。他ではちょっと見られない多種類の料理たち。あぁ、惜しいことをした。


フォ-:1


フォー:2


生春巻き


ライス

フォー フォー:フォーは麺の上に野菜をどかんと入れて食べる。ホテルの朝食にも出て、なかなかの人気。だが、さすが本物は一味も二味も違う。
生春巻き 皮が柔らかく、中身がジューシー。この調味料はなんだろう。
ライス ご飯。しかし、箸では持ち上げられない程にパラパラ。しかも、そこはかとない甘さ。デザートか。んな訳ないな。
(計176000ドン≒792円)

超人気店なので、時分どきには予約なしでは難しい。私たちが店を出る時には、タクシーで乗り付けた人々でいっぱいだった。

バインセオ、ベトナムビールなど、飲み食いしたかった料理が山積。もう一度行きたい店のトップにメモっておこう。
2013/03/01 某ホテルのLobbyBar


LobbyBar



BIA SAIGON SPECIAL

ホテルへ戻る途中で、喉が渇き熱中症気味に。

ここは、たぶん3区で市の中心部のはず。コンビニがあると聞いていたが、どこだろう。とその時、目の前にホテルが。早速に飛び込んだ。

ホテルは大きくはないが、私たちが泊まっている所と比べると断然スマートでお洒落。明らかに、数段は格上に違いない。漂う空気すらも別物。中へ入ってみると、これぞ以心伝心という奴か、ロビーの奥にロビーバー発見。飲酒には、まだ時間が少々早いが。注文したのは「BIA SAIGON SPECIAL」という瓶ビール。家人のコーラと合わせて、御代は65000ドン(≒293円)。乾ききった五臓六腑にしみわたる。

このホテル、外国人客がとても多い。ふらっとバーへ立ち寄り、ビールを口元へ運びながら、スタッフの女性との英語での会話を楽しんで立ち去って行く。静かなゆとりの時が、刻まれていた。ホテルは、こんな優雅な時間が似合う。
帰りの機内食

閑話
 DocPhat(徳発餅家)のケーキ



バインミーを買ったパン屋さんのケーキたち。

パン屋だが、奥に入るとケーキ屋。壁の上から下までガラス張りのショーウィンドー。連日、違うケーキが並ぶ。一日で全部売り切れるのか。見ているだけで、メルヘンな気分。韓国のケーキもハデだが、この国のもド派手。
BACK TOP






©2007匁の旅手箱

inserted by FC2 system