TOP

2013年 東京・下町 旅行記

東京下町・浅草・南千住そして、東京スカイツリー


13/05/10~13/05/15 札幌→成田空港→国立→神田明神→東京大学→深川不動→スカイツリー→両国→成田山

日程    5泊6日
経費(大人2名)
交通費 航空券(新千歳→成田) @2,990×2(往復)×2人=12,260円
成田→都心 @900円×2名×2(往復)=3,600円
スイカのチャージ ふたりで10,000円
新千歳パーキング @2,500円
宿泊費 パレスジャパン @3,200円×2人×3日=19,200円
食費 30,439円
雑費 東京スカイツリー・チケット他 8,145円
総計 86,144円


行程
1日目 格安航空「ジェットスター」 新千歳→成田
成田空港・第2旅客ターミナル国内線 成田市
京成高速バス(成田→東京駅・八重洲北口) 成田市→東京都
キッテ「KITTE」 東京都
2日目 国立界隈 東京都国立市
3日目 あしたのジョーのふるさと「いろは会商店街」 東京都台東区
江戸下町伝統工芸館 同上
東京スカイツリー・イルミネーション 東京都墨田区
4日目 東京大学 東京都文京区
深川不動堂 東京都江東区
5日目 東京スカイツリー展望台 東京都墨田区
両国国技館前でナマ関取に遭遇 同上
成田山新勝寺 千葉県成田市


泊まったところ パレスジャパン
食べたところ 上海美食中華・雅月(がげつ) 中華コース料理
三定 上天丼
23番地カフェ 地ビール
ちゃんこ江戸沢 ちゃんこ鍋
川豊 鰻重と肝吸い

1日目   出発編   今日の歩数=9,327歩  曇り
2013/05/10 格安航空「ジェットスター」

LCC航空のジェットスターから激安航空券発売のメールが届いた。成田⇔新千歳@2,990円。(諸手数料込み)。発売開始から時間が経過しているから、完売しただろうか。「もう寝る。」という家人に「格安航空券が取れたら東京へ行く?」と聞いてみた。「うん、いいな。」。後は、カレンダーに記された家人の予定とにらめっこ。

ジェットスターと言えば、昨年秋に初体験。乗るべき機材がなかなか到着せず、客を待たせての機内清掃と給油で、ほとほと待ちくたびれた。ドタバタはあったけれど、安さには勝てない。

まずは、ネット予約から。「空席は・・・あるある。往復ともに取れそう。」。早速、予約画面へと移る。ところが、途中から一歩も進めなくなってしまった。問題の箇所は、受託手荷物追加料金の項。私と家人は、リュック1個づつ。なので、無料で機内持ち込みOK。なのに、予約画面では有料手荷物1個づつの予約欄にチェックが入り、どうしても外せない。@1100円×2名×2(往復)=4400円。もともと激安航空券、4400円位多目に払っても安いのだが、必要もないのに予約するのはすっきりしない。画面を行きつ戻りつして、結局は「同じ困った経験者」さんのサイトに助けられた。後は、すんなりと予約完了。随分と手間取ってしまった。

写真のチケットは、チェックイン機に予約番号を打ち込んでプリントされたもので正規の搭乗券。昨秋には、これを更にカウンターで正規チケットに発行し直した。しかも、その正規チケットたるや、 コンビニのレシートに似た紙。なぜに2度もチェックイン手続きが必要なのか。大いに疑問を抱いたが、今回は改善されていた。

改良点は、まだある。前回は、機内持ち込み食料は、一切不可。厳しいチェックだったが、今回は温かい以外の飲み物は可。なにより有難いのは、定刻どおりの発着が遂行されたこと。あの創業時のドタバタが信じられない様なスムーズさ。嬉しい想定外。
2013/05/10 成田空港・第2旅客ターミナル国内線

空の駅・CHIBA Marche

海外への乗り換えで何度か成田空港を使ったが、降り立ったのはこれが2度目。前回から時間が経過していないせいか、懐かしさすら湧いてくる。

到着ロビーの出口近くにあるのが、千葉県の物産館。あたりにスタンドのコーヒーショップやケーキ店など小洒落た店が並ぶ中、 華やかな国際空港のイメージとはミスマッチな田舎っぽさが、ひときわ人目をひく。「空港裏の畑から、たった今引っこ抜いてきました。」という顔をした、水が滴りそうに新鮮な花や野菜などが買い手を待ち、まるで、「道の駅」の直売所のごとく。近代的な羽田とは、全く正反対の雰囲気が、逆に新鮮。


2013/05/10 京成高速バス(成田→東京駅・八重洲北口)

機内広報誌に載っていた京成高速バス。成田空港→東京駅・八重洲北口が片道@900円。

バスのステップに足を駆けようとしたら、スタッフらしき若者の声が背中を追ってきた。「チケットを先に買ってきてください。」。これから買いにいったら、このバスに乗り遅れるかも。私の心を読んだ若者が言った。「僕に6000円をくれたら僕が買ってきますよ。ひとり@3000円なので。」。もしかして、新手の詐欺か、冗談を言っているのか?判断に迷い、じっと若者の顔をみた末に呟く私。「@900円じゃなかった。」。若者は「それは京成さんのバスです。あちらの19番のりばから出ていますから。」違う会社のバスだった。疑って、ごめん。

それにしても、他社のバスは一様に@3000円。京成の@900円と、どこが違うのだろう。「道路が混んでいれば2時間程度かかることもあります。」とチケット売り場の無愛想なお姉さんに言われたが、 結局1時間ちょっとで東京駅に到着。グッジョブ。
2013/05/10 キッテ「KITTE」

KITTE内商業施設部分


屋上庭園から見た東京駅

JR東京駅・丸の内南口に今年3月21日ニューオープンした「(キッテ)」は、日本郵便がはじめて手がける商業施設。ネーミングは、「切手」と「来て」にかけたもの。

旧東京中央郵便局の局舎一部を保存・再生した新築部分からなる。1階では、普通の郵便局窓口の後方に郵便局関連グッズが所狭しと並んでいた。

2階から上は、目が醒める洒落た商業施設。途中階にある郵便局の歴史を展示した博物館は、一見の価値あり。時間がいくらあっても足りない。

階上は、人気の「屋上庭園」(無料)。東京駅を左上から見下ろす見晴らしは抜群のスポットだ。目を転ずれば、東京駅を発着する電車が手に取るように見える。後ろで見知らぬおじ様が言った。「俺、ここからの景色が好きでさ。一日見てても飽きない。」。ふと隣を見れば、自他共に認める「鉄男クン」の“家人”がうっとりと線路をみつめていた。
2日目   国立編   今日の歩数=21,661歩  曇り時々雨
2013/05/11 国立界隈

一橋大学構内・・・佇む息子

午後から、息子と合流し国立へ。

国立は、大正時代まで一体が雑木林だったが、箱根土地株式会社が学園都市構想に基づき大学を誘致し地区開発。同時に国立駅が開業され、以後高級住宅地として発展した。中央線の国立駅から南武線の谷保駅まで続く「大学通り」。駅から1歩足を踏み出せば、キャンパスを散策する気分だ。通りの両側の桜並木は、春には桜の名所として有名。

国立は、故・忌野清志郎ゆかりの地。街中の楽器店には、今もポスターが貼られている。「たまらん坂」は、どこだ。
2013/05/11 上海美食中華・雅月(がげつ)

夕食を求めてぐるぐると国立駅前を徘徊の末、 国立駅南口から富士見通りを徒歩5分ほどの所に気になる店を発見。入り口に大きく書かれた「上海的美食中華」の文字に吸い寄せられた。上海料理は初体験。
雅コース(@3000円)
前菜四種盛り 大正えびの辛子炒め 本日の魚料理
     

点心1(焼売) 点心2(小龍包) 筍の青海苔揚げ
牛肉とセロリの炒め 季節料理の炒め 炒飯

デザート・杏仁豆腐(店の公式サイトより)
飲み物
  
青島ビール&紹興酒(〆て2300円)

コースにしよう。が、家人は札幌を発ったあたりから体調がすぐれず、沢山は食べられない。値段ボリュームともに中程度の「雅コース」に決めた。杏仁豆腐まで含め、全10品。次から次へとやってくる上海中華をばっさばっさと片付けるうち、いつしか、お腹がぱんぱん。

中でも、感動ものは小龍包。口の中にひろがる肉汁の旨さよ、〆の炒飯が絶品。会計11,300円なり。

この店は「五目刀削麺」も人気。
3日目   南千住&浅草&スカイツリー夜景 編   今日の歩数=26,753歩  曇り
2013/05/12 あしたのジョーのふるさと「いろは会商店街」

ジョーの像



商店街の脇道から見るスカイツリー

息子宅を出て、今日から宿替え。家人が「一度泊まってみたい」と言う南千住へ。

ホテルから数分歩いたら、台東区の「いろは会商店街」に出た。場所は南千住と三ノ輪の間あたり。ここから南へ歩くと浅草。俗に言う「山谷地区」である。目につくのは、若い外国人バックパッカーと若い女性旅行者たち。

が、商店街の入り口やコンビニ前など、昼間から缶ビールやカップ酒をあおる年配の男性たち。道端で酒の肴に刺身パックをつつく、少々リッチな酒盛り集団もいる。昨日は高級住宅街・国立で、今日はドヤ。この落差。コンビニの窓の下には「ここは座る所ではありません。」と書かれた張り紙も。「普通こんなとこに座ろうとは思わないでしょ。これが、山谷か。」驚きの私に、家人が言った。「あの人たちは、人に危害を加えたり悪さをする訳ではない。ただ、運に恵まれず不器用に生きてきた人たちだ。それのどこが罪なんだ。偏見が一番こわい。」

商店街は、日曜日のせいか開店前なのか、ほとんどの店のシャッターが下り閑散としていた。脇道には、くっきりと聳えるスカイツリーが現れ、 商店街を抜けた所で「あしたのジョー」の像が、通りすがりの若者のように振り返る。矢吹丈。
2013/05/12 三定
  
上天丼@1735円

南千住からブラリ歩きし、浅草・雷門の有名な天婦羅の店・三定を発見。日本初を謳う老舗天ぷらを食さねば。と暖簾を掻き分けたその時、店の中から出てきた店員に押しとどめられた。「今、待ち時間30分なので。もし、よかったら、そこの通り(雷門通り)を曲がった所に並んで。」。角を曲がってみると、そこにも三定があった。あっちの三定とこっちの三定とが、中で繋がっているのか?

店内は、1階レジあたりで所在無げに待機中の客が十数名ほど。階段には2階席待ちの列が階下まで続いている。2階は、全て座敷。待つこと20分あまり、ついに2階席に到達。話の種拾いも、なかなかに根気がいる。ベテラン店員さん揃いなのだが、この混雑に対峙する殺気にも似た気が目に見えない空(くう)でぶつかり合う。かたや、やっと注文の段階に辿り着けた客たちの一戦終えた達成感にも似た安堵のタメ息とがミックスし、 不思議な空間が醸し出されていた。客席を見回せば、外国人客がとても多い。

三定は、天保八年(1837年)江戸時代に、初代・定吉が三河(愛知県)から上京し、 自宅前(人形町)に天ぷら屋台を出したのが初まり。店の名は、「三河の定吉」の三と定をとって三定となった。以来170年以上続く老舗の天ぷら屋。ちなみに、雷門横の店舗とこことが中で一緒になっている気配はない。

三定の天ぷらの特徴は、胡麻油をたっぷり用いた江戸前天ぷら。一番人気の「上天丼」を注文した。

海老・白身魚・小かき揚げ(小さく切ったイカ他)。衣をしっかりと纏い、結構なボリュームだ。
2013/05/12 江戸下町伝統工芸館

台東区は、「江戸の粋」や「いなせな町人気質」や「職人が培った伝統産業」など、 江戸の史跡・文化が満載の地域である。そんな中から生まれた下町伝統技能を今に残す職人も多く、 この技を広く紹介するためにオープンしたのが江戸下町伝統工芸館。入場無料。

週末には職人による実演や手作り教室が開催され、親子づれなどで賑わう。
この日は、指物の実演。箪笥などを作る家具職人が、観光客の目の前で見事なカンナかけを披露していた。見事な手さばきに感心し、うっとり見とれる家人。「しばらく、この場を動きそうもないな。」と、他のコーナーを一回りして戻ると、喜色満面の家人が待ち受けていた。「これ、貰った。」手には、10センチ四方位の木が大切そうに握られている。実演で使った桐の端材である。家人が熱心に見ているので、職人さんがくれたそうだ。「これ、なんに使うの。」と尋ねる私に、まるで子供の様な笑顔で家人は言う。「なんにも使えないだろうな。だけど、なんだか嬉しい。」
2013/05/12 東京スカイツリー・イルミネーション

とうきょうスカイツリー駅

足元から

隣・アサヒビール本社に映るツリー

東橋近くの路地から
隅田公園からのスカイツリー

今は開業1周年直前、まだまだ人気。展望台へ上るには、長い待ち時間があるそうな。明日、比較的すいている早朝の開始直後に登塔と決めた。本日は、タワー周辺を探訪し夜景を堪能の予定。

このあたりは、ちょっとした空間からもツリーが姿を覗かせる。しかも、同じツリーが周辺の景色により、別モノに見える。中でも異彩を放つのが、隣・アサヒビール本社社屋に映るスカイツリー。建物の色を映したゴールド・ツリー。まるで、大スクリーンを見ているようで一瞬、蜃気楼かと目をこすった。

午後7時のライトアップに備え、スカイツリー・スポットの隅田公園へと移動。遮るものなく、全景が見える。徐々に夜の帳が下り、タワーはピンクに染まっていく。神秘的。

ふと見れば、三脚に立派なカメラを据えた60代くらいの男性が隣にいた。毎夜、文京区からツリー撮影に来ているのだと。薀蓄によると、普段は江戸紫にちなんだ濃い紫色の「雅」と隅田川の水を表現した薄いブルーの「粋」。この2種類が毎日交互に点灯され、クリスマスなどのイベントでは赤や緑などの特別仕様色が灯されてきた。開業1周年イベントで、5月7日から6月4日まではこの中の12種類を日替わりで点灯し、記念日・5月22日には12種すべてが見られると。今日のピンクは、普段は見られない色。得した気分。
2013/05/12 パレスジャパン

ツインルームは2段ベッド

これまで、東京の東には宿泊したことがない。今回は家人のたっての希望もあり、南千住のホテルを塒に決めた。ホテルの住所は、台東区清川2丁目。かつて、この辺りは簡易宿泊所が立ち並ぶドヤの代名詞だったらしい。しかし、今は逆に治安の良さが評判となり、外国人バックパッカーたちに人気の格安ホテル街へと変貌を遂げた。日常的に発生する犯罪は酔っ払い同士の喧嘩程度とのこと。

このホテル、新しくて綺麗。しかも、南千住駅から徒歩5分。東京駅八重洲口からバスで19分、降りて徒歩1分。この足回りの良さは特筆モノ。公共部分には、キッチンやコインランドリーが完備し、インスタントコーヒーや紅茶も備え付け。近くのスーパーで食材を買い込めば、自炊も出来る。コストパフォーマンスは◎。

部屋はシングル・ツイン・ドミトリーの3種で、私と家人は素泊まり1人@3200円のツインルーム。 限られたスペースが上手に利用されている。室内には冷蔵庫もあり、2段ベッドの夫々にテレビが設置され、別の番組を楽しむ事が出来る。快適。

1日目の夜中2時。外が騒がしい。窓から見下ろせば、ホテルに面した道路の向こう側にパトカーが停まり、数人の警官が円形に立ち尽くす。円心では、ヨッパライが寝ていた。警官の1人がヨッパライを揺すって起こすも、足がもつれ自力で立つ事すら出来ない。パトカーに乗せようとした警官の手を、乱暴に振り払った。業を煮やした警官が言う。「酔っ払っているんですか?」(って、それは見れば解る。)さらに言葉を継ぐ。「あなたが、酔って寝てるから来たんですよ。」。(そだそだ。)。するとヨッパライは、回らぬ舌で言った。「俺は、呼んでねぇ。帰れ!」。 15分ほどそれを繰り返した挙句、おぼつかない千鳥足でヨッパライは自らどこかへ去って行った。
4日目   自由行動(都営バス一日券のプチ旅) 編   今日の歩数=23,449歩  曇り
閑話
都営バス一日乗車券

今日は東京スカイツリー観光の予定だが、空にはどんよりと雲がかかっている。急遽、今日と明日の予定をチェンジし、家人と別行動の自由日に。

ひょいと思い出した。どこぞの高校の修学旅行で、都営バス一日乗り放題券を使って東京散策をした、と言う話を。たしか、23区内のバス料金は1乗車@200円の均一料金。1往復しても400円かかるので、1日乗車券@500円は文句なしにお得だ。

ホテルから徒歩1分のバス停「清川2丁目」で、やってきたバスに飛び乗ってみる。券は、車内で買った。あとで知った処によると、Suicaカードに入れてもらうことも出来るらしい。行き先は、気分まかせ。いや、ただバスに乗っている事。それだけが目的。
2013/05/13 東京大学

安田講堂

バスは東大構内へ裏側から入り、東大病院前で終点。都バスが大学構内を常時運行しているのは、病院への通院者のため。

広い構内を徘徊するうちに、かの有名な安田講堂の前に出た。ここが、かつて学生自治組織・全共闘と機動隊がもみあいを展開した60年安保の舞台・東大安田講堂。講堂は過ぎし日を全て飲み込んで、時の流れに身をゆだねるかの如く凛とした静寂の中にある。

東大構内には、あちこちに食堂が散在する。中のひとつ・銀杏メトロ食堂の貼り紙に「アルコール販売 15:00~20:00)」と書かれたポスター発見。第二食堂でも「日本酒夏祭」の張り紙を見たが、東大は飲酒禁止ではないのか。私が居住する北海道では、昨年 小樽商科大学・サークルの飲酒による新入生死亡事故を受け、構内での飲酒は全面禁止となった。北海道大学でも状況は同じ。数年前に同様の事故があり、学祭でのアルコール禁止。最近は構内でのジンパ(ジンギスカンパーティ)も禁止となり、学生や職員たちからの反発を受けている。東京大学では、学生の自己管理力を信じるということか。

「太った豚よりも痩せたソクラテスになれ」。60年安保当時の卒業式で、東大・大河内総長が卒業生に贈った言葉。「満足した豚であるより、不満足な人間であるほうがよい。満足した馬鹿であるより、 不満足なソクラテスであるほうがよい。(中央公論社「世界の名著)。 自由には責任が伴う。その中で失敗と成功を繰り返し、学生はソクラテスになる。してみると、北海道の大学が育てあげるのは、禁止と言う縄で手足を縛られ、 失敗もしない代わりに成功経験もない中性脂肪たっぷりの満足した豚か。
閑話
テニスボールのイケメン君

テニスコート沿いを散策していたら、ネットの外に黄色いテニスボールを見つけた。練習中に外へ飛び出して、回収もれしたのだろう。 拾いあげ、コートの周囲に張られたネットの網目から中へ押入れ様とするも失敗。困った。どうやって返してあげようか。

コートの出入口を目指しボールを握り締めて歩いていたら、むこうから5・6人づれの男子学生グループがやって来た。と、中のひとり・イケメン君が、私の手に視線を止めた途端に破顔の笑みを私に向け 「さ~せん、さ~せん(訳・すいません)」と右手を差し出した。テニス部員か?一見で状況を掌握した頭の回転の速さと物怖じしない人懐っこさに、真っ直ぐ育ってきた生育暦が垣間見える。

「Boys, be ambitious」(少年よ、大志を抱け)。札幌農学校(現・北海道大学)のクラーク博士の言。若者よ、大きな志を胸に、痩せたソクラテスになれ。いや、痩せすぎも問題か。
2013/05/13 深川不動堂

深川不動尊参道

本堂

千葉県成田市にある成田山新勝寺の東京別院。拝観無料。

門前仲町駅から深川不動尊へ向かう参道は、和菓子屋などが立ち並び下町風情が漂う。これが「人情深川ご利益通り」。ネーミングが、グイっと人の心をひきつける。昔昔どこの町にもこんな通りがあった。心は遠い昔へタイムスリップ。

まずは、通りの突き当たり・本堂へお参りして、って、実はこれが大きな勘違い。一見、ここが本堂と思えるが、さにあらず。こちらは旧・本堂で、本当の本堂は旧・本堂隣の梵字で埋め尽くされた壁の建物だった。どう見ても、そうは見えない。

本堂にお参りした後、内仏殿へ行ってみた。入り口を入ると、まずは枯山水があり、架かる石橋の下に敷き詰められた石は内仏殿の建設工事の時に地下30mから採掘された「願い石」。天井からの光が「阿」の文字を映し出す。「物事の始まり」を意味する梵字だそうな。前で拝観していた男性が、その光の文字を身に受け、手を合わせ頭を垂れて立ち尽くす。私もならって、阿の字の下で合掌。はて、どういうご利益があるのやら。
5日目   東京スカイツリー展望台と、蔵前でちゃんこを喰らう 編   今日の歩数=21,749  曇り時々晴れ
2013/05/14 東京スカイツリー・展望台

展望デッキ



展望回廊



降りるエレベーター・・・豪華♪

チケットカウンターで「展望チケット」@2000円を購入。
朝イチなのに開場時間が近づくと、何処からか人が湧き出て来て、 たちまちのうちにチケットカウンター前に長蛇の列が出来上がった。

「展望デッキ」到着。
なんと350階。が、残念ながら今日は曇りで遠くの山々は見えない。ただ、タワー足元あたりの学校や会社では、屋上に大きな字で学校名や企業名が表記され 「あそこが●だ。」と、なかなかに楽しい。

さらに上の「展望回廊」へ上がるため、ここで又並びチケット@1000円を購入。
展望シャトルの早いこと、あっと言う間に445階へ到着した。ここからは、タワーぐるりを螺旋状に繋がる展望回廊を徒歩で上る。これが緩やかな傾斜で「なんだか気持ちが悪くなってきた。」という声があちこちであがった。軽い乗り物酔い状態。

「展望回廊」到着。
最高到達点451.2m。もう少々くっきり見えたら、さぞや見事だろうに。それでも、ここまで高いと圧巻なり。秋なら、もっと晴れてくっきり見えるのかもしれない。

「降りるエレベーター」
出口階へ降りるエレベーターのドアが開いた途端に、どよめきがあがった。上部に金色の鳳凰が配され、高級感いっぱいなのだ。和風の趣。なかでも、外人観光客は大喜び。
2013/05/14 23番地カフェ

ビールを注文したら素敵な笑顔も

隅田川沿いに建つ「通称・ウ○コ」のオブジェでお馴染みのアサヒビール本社。その隣・アネックス店舗1Fには、アサヒビール直営店の「23番地カフェ」があった。

店内で昼前にもかかわらず、中年女性のグループが数組ほどグラスを傾けていた。折角 アサヒビールのお膝元へ来たのだもの、ここでしか飲めないビールを!

こうして選んだのが、「隅田川ブルーイングポーター」@650円。チョコレートを思わせるロースト香と苦味、クリーミーで滑らかな泡が特徴。「ポーター」とは、18世紀ロンドンで生まれに荷役運搬人、すなわちポーターが好んだことから命名されたとのこと。

泡が、生クリームの様にふわっと滑らかに喉を通過していった。ほんのり苦味が、一層の隠し味。これは旨い。
2013/05/14 ちゃんこ江戸沢

鶏@980円&豚@1180円



小鉢



漬物
ランチちゃんこ鍋定食

隅田川に沿って歩いた。気がつけば、両国。両国といえば、ちゃんこ鍋。今日の昼ごはんは、これに決めた!

駅周辺を、ちゃんこ鍋屋を求め歩き回る。駅前ビルを前に立ち尽くす、私と家人。そこは、相撲に疎い私ですら名前くらいは知っている元大関が経営するビル1棟すべてちゃんこ鍋屋。「さすがに、結構なお値段だな。」値段表を眺めてつぶやく私。

私と背中合わせの状態で信号待ちをしていたご婦人が、それを耳にして遠慮がちに口を開いた。「あの、ちゃんこ鍋だったら、安くて美味しい所がありますよ。今、私も食べてきたんです。」もしかして、その店のサクラか?見れば、上品な出で立ち。鍋を食べて暑いのか、手にしたその店のチラシでパタパタと自分に風を送っている。知人が青森から来るので、下調べのために食べにきたのだとか。すっかり警戒心が解けた私。「ちなみに、お幾らのランチを。」との不躾な質問にも 「贅沢して、ランチの鶏ちゃんこ鍋。@980円です。もう、お腹がいっぱい。」と茶目っ気たっぷりな返事が返ってきた。

さて、オーダーはランチタイムサービスの「鶏ちゃんこ定食」と「豚ちゃんこ定食」。スープは、醤油・塩・味噌・牛白湯・キムチ・カレーの6種から選ぶ。私は、スタンダードに醤油スープ。ベースの鶏がらスープは、あっさりとしつつもコクが深い。しかも、ご飯とコーヒーはお代わり自由。ボリュームもあり、満腹・満足。ビールを注文しても総額2772円という廉価だ。旨い!安い!この店を教えてくれた女性の顔が、目に浮かぶ。縁は異なもの、味なもの。感謝。
2013/05/14 両国国技館前でナマ関取に遭遇

旭天鵬

栃ノ心

魁聖

只今 場所中という事で、国技館前はファンで溢れている。

と、道に横付けされた車から力士が降りてきた。ファンたちは四股名を連呼し、温かい声援を送る。私も周囲に倣って声を張り上げる。実は、私 相撲は疎い。よって、目の前に降り立った力士の名前を知らない。テレビ中継でよく見るお顔だけれど。それでも、本物を目の当たりにすると胸が沸き立つ。去った後には、力士の髪を結う鬢付け油の爽やかな香りがふわっと漂った。

「当日券はないのかな。」とチケット売り場へ駆け寄ると、当日券どころか千秋楽まで完売状態。

後日譚
帰宅後、写真を基に名前認識。見かけた中の魁聖関は、イケメン力士で有名だそうな。もっと、しっかり見てくれば良かった。
6日目   成田山と鰻重 編   今日の歩数=19,241歩  晴れ
2013/05/15 成田山新勝寺

総門


成田山新勝寺は、平安時代・平将門の乱のおり、 朱雀天皇の密勅により寛朝大僧正を東国へ遣わしたことを起源とする。名の由来は「また新たに勝つ」という言葉に因む。節分の豆まきで有名。

KR成田駅や京成電鉄成田駅から新勝寺の参道が伸び、駅から一歩足を踏み込めば、そこはもう門前町の真っ只中。土産屋や食べ物屋がずらりと並び、さながら祭りの縁日に紛れ込んだ気分になる。

広い境内には、新旧の本堂やら建造物が並び、国の重要文化財が目白押し。市民の信仰の場にして、憩いの場といった雰囲気が漂う。

旧本堂前で、地元の男性に出会った。この寺の裏手で生まれ育ったのだと。本堂はいつ幾らをかけて建造されたとか、なかなかに博識。が、一通り寺の説明を聞いて分かれたら、すぐに又その男性に遭遇し話の続きが始まった。お話好きな性格らしい。有難いが、境内は広く段々と時間がなくなってきたぞ、困った。
2013/05/15 川豊

店先でうなぎ解体実演中



鰻重@2200円(漬物つき)

肝吸い@100円

成田山と言えば、歌舞伎の宗家・市川家。江戸期からの縁で機会あるごとにお参りし、帰りには鰻を食べるのが一家の恒例とのこと。

店先でうなぎを捌く実演をしていた「川豊」に、参道を行く人々が吸い込まれて行く。後に着いて店へ入ると「2階でもいいですか。」とスタッフの声。二つ返事で頷く私達。

鰻は口に入れるとホワンと柔らかい舌触り。なのに、しっかりと存在感を主張していた。美味い。当たり籤を引き当てた様な浮き浮き気分で、うなぎを口に運びつつ耳は周囲の客の声を拾う。「今日はついてたね。前回来た時よりも、早く店に入れたもの。お腹がいっぱい。でも、ベツバラ、別腹」。他の店のサンプルと比べてもボリュームがあるし、肝吸い@100円も嬉しい。この店をチョイスして、大正解。
BACK TOP





©2007匁の旅手箱
inserted by FC2 system