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2013年道北旅行記

利尻島・礼文島 編


2013/08/18~08/22 今夏は、北海道の人気離島・利尻島と礼文島へ

旅程
2日目 ハートランドフェリー 稚内市⇔利尻島・礼文島
桃岩展望台 礼文島
澄海岬 同上
江戸屋山道 同上
スコトン岬 同上
姫沼 利尻島
オタトマリ沼 同上
仙法志御崎公園 同上
3日目 港の湯 稚内市
ノシャップ岬 同上
4日目 道の駅・マリンアイランド岡島 枝幸郡枝幸町
上湧別温泉チューリップの湯 紋別郡湧別町


泊まったところ ●稚内森林公園キャンプ場(詳細は2012道北1を)稚内市
●道の駅・わっかない (詳細は2012道北1を) 稚内市
●道の駅・上湧別 紋別郡上湧別町
風呂 ●港の湯 稚内市
●上湧別温泉・チューリップの湯 紋別郡湧別町
食べたところ ●礼文島・澄海岬海岸の売店 たこ天そば
●オタトマリ沼の売店 万年雪ソフト
●道の駅・マリンアイランド岡島 かに汁


閑話 ●島に信号機は幾つある?
●島の暮らし



覚書 フェリー代 
(稚内→礼文島@2,180、礼文島→利尻島@880、利尻島→稚内@2,180)×2名
1,0480円
観光バス(礼文B=@3,800円、利尻B=@3,100円)×2名 13,800円
走行距離 985km
ガソリン 52.29リットル 7,850円
1日目
札幌の家を出て、稚内へひた走る。今日は移動日。 宿泊地は昨年訪れ、勝手知ったる稚内森林公園キャンプ場。 ここは、夜景が綺麗な穴場スポット。
港から船の汽笛が聞こえてくる日本北端の港町。
2日目
13/08/19 ハートランドフェリー

北海道から離島やサハリン(樺太)へのフェリー運航を担う。旧社名・東日本フェリー。

旅客数の大幅減少により、今夏から利尻・礼文航路の夏季運航を1日4往復から3往復に減便。 先日利用した津軽海峡フェリーも経営難に苦戦していたが、ここも事情は同じだ。

昨夏キャンプ場で会った方が「利尻・礼文はとっても良かったけれど、フェリー代が高くてね。」と。 確かに車のフェリー代は高い。しかも、2週間位の滞在予定がツレの都合で短期滞在となってしまった。

調べてみると、2島とも小さな島で1日での2島巡りが可能。稚内に車を置きカラ身での日帰り弾丸観光と決めた
フェリーからの利尻富士

続く雨の天気予報に、見られないかも? と諦めモードだった利尻富士。 時間とともに姿をみせた時には、乗客たちに興奮が広がった。

名の通り、富士山にそっくり!

稚内から礼文島までの航海は、1時間40分。 海に浮かぶ様に見える利尻富士がぐんぐんと大きくなり、船の前に立ちはだかった。
~礼文島~


定期観光バス・礼文B「礼花爛漫」コース
香深FT~桃岩展望台~西上泊・澄海(スカイ)岬~江戸屋山道散策~スコトン岬~香深FT
13/08/19 桃岩展望台

礼文島の道路は、東海岸側にあり西側にはない。 依って、観光は同じ道を行きつ戻りつ。

香深フェリーターミナルから最初の訪問地・桃岩展望台へ。 桃の形に似た岩は、存外急な崖。数年前までは登山が出来たそうだが、今は禁止区域。

周辺に、天然記念物に指定された花畑が広がる。 礼文島では海抜0mから高山植物が花を咲かせ別名「花の浮島」とも呼ばれる。 島の代表花は礼文島にのみ生息する「レブンアツモリソウ」。 名の由来は、花弁が平家物語に登場する平敦盛が背負った母衣(矢を防ぐ武具)に似ているため。 5・6月に淡いクリーム色の花をつける。すでに時期が終わっていた。

このあたりは、アイヌ同士が戦った伝説の古戦場。 景色はいいが、一歩足を踏み外せば海へ真っ逆さまと言う地形。 ここでの戦いは、命がけだろう。
キタノコギリソウ

名の由来は、葉の縁のギザギザが鋸の歯の様に見えるため。
花は、可憐で愛らしい。
13/08/19 澄海(スカイ)岬

礼文島屈指の観光スポット。 朝からガスっているのに、名前通り凄まじい程に澄んだ青い海。険しい断崖の海岸線が、海の青さを際立たせる。ここは、ドラマ「Dr.コトー診療所」の主題歌・「銀の龍の背に乗って」(中島みゆき)のPV撮影が行われた所。

♪あの青ざめた海のかなたで、今まさに誰かが痛んでいる まだ飛べない雛見たいに 
  急げ悲しみ 翼に変われ 銀の龍の背に乗って 「さあ ゆこうぜ」♪

いつの間にか歌の中に吸い込まれ、なみだ、涙。
澄海岬からの利尻富士

ほんの一瞬、雲の間からぽっかりと顔をだした。 山裾を雲で隠し、頂上は雲の笠を被る。 まるで空に浮かんでいる様な姿。神秘で幻想的な利尻富士が、そこにある。
13/08/19 たこ天そば

たこ天そば@500円

「この後、利尻へ渡り定期観光バスご利用の方は、フェリー待ちの時間がとても短く昼食を取る時間がありません。 又、この先にも食事が出来る店はありません。ここで小腹を紛らせておいて下さい」とガイドさん。

海岸ぶちのバス発着場前に1軒だけある売店へ飛び込んだ。 しかし、軽食系はたこ串焼きやあげいも等の数品目。 これでは、小腹も紛れまい。と、奥に麺ブースを発見した。 メニューは「うどん、そば、たこ天うどん&そば」のみ。 たこ天そばを注文すると、「そこのバス?」と店主が顎をしゃくり、 横でとうきびを焼いていた奥さんにアイコンタクト。 あっと言う間に、たこ天そば2丁あがり!まさに、あうんの呼吸。

たこ天は、蛸入りの蒲鉾?NO。名の通り、小さく刻んだ蛸の足が入った天婦羅だ。 地元で取れた蛸の歯ごたえが、なかなか良い。バスの集合時間に急かされながら、大急ぎでかきこんだ。
13/08/19 江戸屋山道

約160年前、加賀の国・銭屋五兵衛がこの地で露国と密貿易の傍ら“きんつば焼き”を始めた折、 江戸仕込のため屋号を江戸屋としたのが地名の由来。

ここは、島の植物を見て歩く散策ポイント。とは言え、今は春の花がひと段落し咲いている花もまばら。

ガイドさんは、根っからの島育ちで入社2年目。20歳。 後5年は苗字を変えないでガイドを続けるので、又会いに来てくださいって。 それはないな。タレント・芳本美代子の若き日に似た別嬪さんだもの。
エゾニュー

エゾニュー

「ニュー」の語源はアイヌ語で「甘い茎」。 茎は空洞で、昔は水筒がわりに使ったそうな。食用としても重用されていた。にしても、デカイ!

すでに花の時期はすぎ、ただいま立ち枯れ状態。
13/08/19 スコトン岬

スコトン岬とトド島

スコトンとは、アイヌ語で「スー(夏の)コタン(集落)」と言う意味。
目の前に横たわるのが無人島・海驢(トド)島で、晴れた日にはその先にサハリン(樺太)が見えるそうな。

ガイドさんによると、礼文島の東海岸側は穏やかな風景が広がり、西側は断崖絶壁が続く。 東と西では景色が全く違うのだと。 そのため、島民は地形の穏やかな東側に住みつき、 西側の人家といえばゴロタ岬の老漁師夫婦と江戸屋山道下あたりの「アワビコタン」に1軒あるのみ。 スコタン岬の透明度な海の色は、北海道・積丹のシャコタン・ブルーにそっくりだ。

見下すと、岬の真下に建つ「民宿スコトン岬」の看板に目が釘づけとなった。 「人が住んでいます。石を投げないでください。」。石を投げる人がいるのか?
最北限のトイレ

最北限のトイレ

ここは日本最北の地。と思っていたのだが、看板などの表記は「最北限」。 これは、最近の測量により微妙な差で宗谷岬が最北端と判明したため。 以来、スコトン岬は最北限を名乗る。

最北端は文字通り最も来たの端で、最北限は人間が住む最も北という意味。 どれどれ、最北限のトイレってどんなだ?
閑話
島に信号機は幾つある?

帰る途中の交差点での、ガイドさんから私達への質問。答えは2つ。 香深FTを出る所に1つ。そして、今通った交差点に2つ目。 ここは、交通量が多いから設置したのではない。 近くに小学校と幼稚園があり、将来子供たちが島を出て他の土地へ行った時に戸惑わないため。 つまりは、信号機に慣れさせるため。 設置直後は子供たちがひっきりなしに歩行者ボタンを押すので、車側の信号がなかなか青にならなかったが、 今はもう慣れてしまって誰も押さなくなったそうな。

離島だからこそ必要な教育的配慮。
12:52香深FT着。13:05発・鴛泊行きフェリーに乗船。13:45鴛泊FT着。


~利尻島~
定期イ観光バス・利尻B「利尻スポットめぐり」
鴛泊FT~姫沼~オタトマリ沼~仙法志御崎公園~鴛泊FT
13/08/19 姫沼

利尻山と姫沼

利尻島には、太古の火山活動で形成された沼がいくつもある。 姫沼もそのひとつ。昔、ヒメマスの養殖が行われたのにちなみ、姫沼と呼ばれたと言う。

整備された遊歩道を、沼を眺めながらの散策。 が、遊歩道の幅は狭く、反対から人がやってくると互いに身を斜めにしてやり過ごさざるを得ない状況。 利尻富士を見ながら上を向いて歩き、年に数人は沼に落ちる人がいるのだと。

運が良ければ、原生林に囲まれた湖面に映る「逆さ富士」を見ることが出来るはずだが、 「山の姿がくっきりと綺麗に見え、且つ風がない」と言う条件を満たすのは、かなり難しい。
13/08/19 オタトマリ沼

利尻山とオタトマリ沼

島南部にある利尻で最も大きな沼が、オタトマリ沼。 周辺に日本最北限のエゾアカマツ原生林があり、高山植物や野鳥が生息する。

利尻山の別名は、利尻富士。富士山に似た美しい容姿をみせてはいるが、 標高は1718mで登山となると上りで5時間あまり。 なかなかに険しく手ごわい山である。

名が全国に知られる様になったのは、北海道の銘菓「白い恋人」のパッケージ。 この沼で撮影された事は、つとに有名である。白い恋人の利尻山は、真っ白い雪化粧を施し、夏とは又一味違う。
万年雪ソフト

万年雪ソフト@300円

駐車場前の売店で、私が土産物を眺めている間に家人が「万年雪ソフト」を買ってきた。@300円。

牛乳の濃厚な味が印象的。
13/08/19 仙法志御崎公園

仙法志御崎公園と利尻富士

奇岩・怪石が点在する仙法志の海岸の一角にある、仙法志御崎公園。
公園は、昆布・ウニなどを見ることが出来る「天然の水族館」で、ゴマフアザラシの飼育も行われている。

利尻富士は見る角度により、その姿を変えると言う。ここから望む利尻富士は、鋭く雄雄しく実に美しい!
閑話
島の暮らし

利尻のバスガイドさんはベテランさん。 女講談師に似た口調で語った島の暮らしぶりは、以下。

①新聞の朝刊は、毎朝8:20着のフェリーで稚内から運ばれてくる。
②島には農家がなくて、畑で作っている野菜は自家製のみ。
③モノはフェリーで届くので物価が高く、時化ると何日も食品が届かないので、買いだめ。
④島全体が国立公園。花・山菜などの採取は禁止。島民は許可書@1000円の発行を受けて採る。
⑤お客さんに「いつも美味しいウニを食べられていいね」と羨ましがられるが、地元の一般人は高いので滅多に食べない。
⑥島に熊はいない。過去、1度だけどこからか海を泳いでやってきたが、島民たちが捕らえた。
⑦島で消費する電気は風力発電などで自賄い出来ている。
3日目
休息日・・・風呂→ノシャップ岬
13/08/20 港の湯

港の湯(左入り口が副港市場)

稚内副港市場内にある天然温泉施設。入湯料@700円。

1階に再現された稚内繁栄期の町並みでタイムワープしたり、市場内で地元海産物を購入したり。 ロシア料理や海鮮丼の屋台を楽しむことも出来る。

さて私達、昨日の弾丸ツアーで少々疲労感が残る。本日は、のんびり風呂に浸かって元気回復。

清潔で広い風呂施設は2007年のオープン。座敷や椅子席など5種類の休憩室を備え、海を見渡すティクアウトコーナーがあり至れりつくせり。展望大露天風呂の湯船に身を沈め、行きかう船で賑わう稚内港を一望する。至福の時。
13/08/20 ノシャップ岬

夕日


雲の切れ間から利尻富士

昨年は曇って見ることが出来なかったノシャップ岬の夕日。
今日こそは!との思いが通じたのか、雲に隠れては現れるを繰り返す。 まるで、宇宙の異空間にいるような。

視線を90度移せば、雲を纏った利尻富士が夕日の淡いピンクを背負い幻想的に登場した。 なんと言う神秘!なんと言う贅沢!
4日目
13/08/21 道の駅・マリンアイランド岡島

道の駅・マリンアイランド岡島


かに汁@300円

7月初旬に開催される大人気の「かに祭り」の開催地・枝幸にある道の駅。 国道238号に面し、雄大なオホーツク海を航海する船を模す建物が目印。地場産品の展示販売などで賑わう。

国道を渡るとキャンプ場と海水浴場があり、大自然が満喫できる夏場のお楽しみスポットである。

枝幸と言えば、かに。まずは、レストランへ直行し「かに汁」を注文した。 ズワイガニは日本では山口県以北の日本海と茨城県以北の北太平洋で漁獲され、 鳥取県から兵庫県、京都府にかけての山陰地方で水揚げされたズワイガニが「松葉ガニ」と呼ばれているそうな。 つまり、産地によって名称が異なると言う次第。よって、枝幸のカニはズワイガニ。

かに汁は、カニの足が想像以上に多く入っていた。カニ専用フォークで、 足の中に詰まった鮮度の良い身をほじり出す。 汁の旨さは言うに及ばず、身も旨い。2度美味しい♪
13/08/21 道の駅・上湧別温泉チューリップの湯

上湧別町は、5月から6月初めにかけ120余種・100万本が咲き競うチューリップの名所。

屯田兵に4.4ヘクタールの土地が無償提供された折り、 この狭い土地で農業収入を増やす手段としてチューリップ栽培が始められたのが、そも初め。 その後は順調な発展を続けるも、昭和41年のオランダの球根が世界市場で暴落し日本からの輸出が困難となり、 国内市場を模索するも花を楽しむ社会情勢にはなく、チューリップ農業は衰退した。 しかし、生産農家たちが自分たちの観賞用として自宅庭に植え続け、 やがて「町花」に指定されたのを機にチューリップを町おこし事業に据えた。 今では、年間10万人の観光客を集める。

ここは、温泉施設そのものが「道の駅」。 和風・ヒノキ壁と洋風・石材壁の浴場は男女日替わり。@500円。スーパー銭湯。 ジャグジー・寝湯など種類の異なる浴槽と洗い場が1つづつ仕切られていること、 休憩場が広くゆったりしていること、建物が新しく清潔なこと。 透明の湯は肌にぬるっと纏わりつく心地よさ。いづれも、ポイント高し。
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