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2012年 東京・湘南 旅行記

大仏次郎が愛した鎌倉・コアンドルでシチューセットを堪能♪


12/09/06~12/09/10   札幌→成田空港→浅草→高尾山→鎌倉→江ノ島→川崎大師
日程    4泊5日
経費(大人2名)
交通費 航空券(新千歳→成田) {@5,290×2名(往)+@6,790×2名(復)}+@200(手数料)×4=24,960円
成田→都心 @1,890円×2名×2(往復)=7,560円
スイカのチャージ ふたりで12,000円
新千歳パーキング @2,100円
宿泊費 ほてる汐彩 トリプル(1室3名)@8,400×3名=25,200円
雑費 14,830円
総計 〆て     86,650円
※息子との3人での行動に関わる経費は息子が負担してくれたので、未計上。


旅程
1日目 ●格安航空「ジェットスター」 新千歳→成田
3日目 ●JR高尾駅 東京都八王子市
●高尾山 同上
 ○京王・高尾山口駅 同上
 ○ケーブルカー(高尾登山電鉄) 同上
 ○たこ杉 同上
 ○薬王院 同上
 ○六根石 同上
 ○高尾山・山頂 同上
 ○4号路・森と動物コース 同上
 ○みやま橋(つり橋) 同上
 ○エコーリフト 同上
●トリックアート美術館 同上
4日目 ●円覚寺 神奈川県鎌倉市
●建長寺 同上
 ○半増坊~勝上献展望台へ 同上
●鶴岡八幡宮 同上
●エスカー 神奈川県藤沢市
●江島神社 同上
●江の島岩屋 同上
●小田急電鉄・江ノ島線・片瀬江ノ島駅 同上
●湘南モノレール・湘南江の島駅 同上


泊まったところ ●ホテル汐彩
食べたところ ●どぜう飯田屋 どぜう鍋定食
●インドレストラン・ジョナキ ランチAセット
●レストラン コアンドル シャリアピンステーキ、ハヤシライス
ビーフシチュー
●潮風料理  舵屋 生しらす丼
●Pico江ノ島店 釜揚げしらすとキャベツのペペロンチーノ
チチニエリ、生しらすのカルパッチョ
●越後叶家ラゾーナ川崎店 もりそば、トムヤムクンつけそば


食べたもの ●三福だんご 高尾山・お食事処 香住
●チョコころっけ 元祖 鎌倉コロッケ・鳥小屋
●鎌倉ビール imbiss
●江の島ビール 某・休み処
●しらすパン 仲見世の某店


閑話 ●江ノ電・鎌倉駅の車止め
●大道芸人「のぢぞう」さん

1日目   出発編   今日の歩数=9,710歩  曇り
2012/09/06 格安航空「ジェットスター」

手前のピンクの機体がピーチ
後ろがジェットスター

今年就航したLCC(格安航空)3社のうち、先日のピーチに続く搭乗体験・第2弾。 新千歳~成田の格安航空「ジェットスター」に乗った。 便名GK112は、カンタスとのコードシェア便。往路@5290円。復路@6790円。

出発数日前、LCCの特集をテレビで観た。 搭乗手続きに1分でも遅れたら、搭乗はおろか払い戻しもないと。ちょっと緊張。

搭乗開始を待つも、乗るべき機材が到着せず。 機体が新千歳空港に姿を見せたのは、出発予定時刻の15分前。 10分位後、搭乗ゲート前に整列して待つ私たちの横・ベニヤ板で仕切られた板の向こうを、 今降り立ったばかりの乗客が到着ロビーへと通って行った。 さらに、燃料給油で数10分の待機。 結局、新千歳空港の離陸は予定より20分遅れ。

しかし、飛行中に出発の遅れを挽回し到着時間の5分前に成田空港に着くという離れ業。 所要時間を25分も短縮したことになる。何もかもが、時間との戦い。 まるで、綱渡りのマジックを見る思いだ。その日、新聞を広げて合点がいった。 昨日も、ジェットスターは成田の発着時間内に最終便が着けず、欠航していた。 これで、乗客の安全は保障されているのか。その一点だけは、譲れない。
2日目   「どぜう」を食べに浅草へ 編   今日の歩数=18,907歩  晴れ一時にわか雨
2012/09/07 どぜう飯田屋

どぜう飯田屋



どぜう鍋

辿り着いたのが、開店10分前。 白い調理服姿の若いお兄さんが入口に暖簾をかけに出てきて、一旦中へ引っ込んでから私に手招きをした。

案内された席は、大部屋の手前の奥・掘りごたつ席。

座敷係さんの説明によれば、「どぜう鍋」は骨のついたままの泥鰌と骨を抜いて食べ易くした「ほねぬき鍋」とがあると。 迷ったが、骨のついた「どぜう鍋」を注文。 浅くて丸い鉄鍋にまるごとの泥鰌が10数尾、隙間なく整然と並ぶ。 卓上ガスコンロに火を入れながら、担当係さんが言う。 「ねぎのお替りは自由ですから、遠慮なく言ってくださいね」。 沸騰した鍋にねぎをテンコ盛りにすると、すぐに泥鰌とねぎの香ばしい匂いが漂い、鼻と胃袋をくすぐる。 泥鰌が口の中でほわんと崩れる柔らかさ。泥臭さがなく、食べやすい。 どぜう鍋定食(@2000円)は、胡瓜の酢の物・キャベツの漬物・ご飯・豆腐のすまし汁。 (ご飯のお替り自由)。

私が「どぜう鍋」に舌鼓を打っている間にも、客がどんどん入ってきた。 耳に飛び込む注文の内容は、「どぜう鍋」vs「うな重」。 どっちも、いい勝負。
3日目   高尾山&トリックアート美術館 編   今日の歩数=23,216歩  晴れ
2012/09/08 JR高尾駅

3・4番ホームの天狗

今日は、昼に息子と合流して、高尾山登山の予定。まずは、家人とJR高尾駅へ。
駅の3・4番ホームに、大きな天狗の像が鎮座する。そう、ここ高尾山は天狗の住む山。

JR高尾駅は、首都圏からのアクセスの良さが抜群。 JRと京王線が駅を共用している幹線駅で、今日も乗降客でごった返す。

JR高尾駅の北口前はロータリー。駅前の土産物店前では、霊園の送迎マイクロバスが入れ替わり立ち替わり、 大勢の墓詣客を呑み込んで走り去る。高尾は、霊園が多い。 一般人は言うに及ばず、寺山修二、藤沢修平、松本清張、昭和天皇ほか多くの有名人が、ここ高尾に眠る。
2012/09/08 インドレストラン・ジョナキ

ランチAセット@600円

JR高尾駅から京王・高尾山口駅への途中で、インドレストラン発見。

店内には、シェフと接客係のインド人が2人。 ランチタイムの開始時間で、まだ他に客はいない。

ランチメニューのランチAセット(@600円)を注文。 (ダール(豆)カレー、ナン、ライス、サラダ)。 ダールカレーは、スパイスが効いた本格的な味で、うまい。 ナンもランチメニューにしては、堂々たる体格だし、ライスは固めでカレーにぴったり。 これで@600円は驚異。「立地的に足の便が悪い」というハンディを加味しての値段かな。
2012/09/08 高尾山
京王・高尾山口駅

京王・高尾山口駅

「高尾山は、このあたりで育った人なら必ず小学校の遠足で行った所で、ビーチサンダルでも登れる山だって」 と、息子が同僚から聞いてきた。

標高599mの頂上までは、幾つかのルートがある。歩きやすい1号路かーブルカーやリフトを使えば、 子供でも楽にハイキング気分で登ることができ「物足りない」と言う人には、本格的登山ルートもある。 つまり、自分に合ったコースを選べは誰でも登れる山。 高尾山が、老若男女に愛される所以でもある。

高尾山口駅に現れた登山者たちは、赤ちゃんを乗せたバギーを押す若い母あり、 学齢前の幼い子供あり、ピンヒールのお姉さんあり、 今流行の山ガールあり。体力・年齢・ファッション等てんでに違う人たちだ。 この人々が、同じ山の山頂を目指しているのが、不思議。

登山
ケーブルカー(高尾登山電鉄)

ケーブルカー・MOMIJI @470円

息子の都合で昼からの登山なので、往路はケーブルカー+1号路表参道コース (石畳や舗装で歩きやすい楽々コース)。 復路は、4号路(歩きにくい山道、つり橋あり)+エコーリフト。

標高599mのうち、ケーブルカーを利用すれば標高472mまで行けるので、 残りの標高差127mを自力で登ればよい。 たったの127mである。「山に登って来た」とは、おこがましくてとても言えない。
たこ杉

写真の縦横を間違えた訳ではない。 木の根元に根っこが絡みついている高尾山名物・たこ杉。 樹高37m・推定樹齢450年という世にも不思議な風貌の樹で、八王子市の天然記念物指定。

たこ杉を見た昔の人々の驚きは、いかばかりか。 存在の原因がどうあれ、目の前にある不思議。 これこそが、半世紀近くも変わらない現実なのだ。
薬王院

本堂の左右にかかる天狗の額
こちらは向かって左側

山のシンボル・薬王院は、真言宗・智山派の大本山で正式名称「高尾山薬王院有喜寺」と言う。 燃え盛る炎の上を山伏が渡る大火渡祭で、有名。

本堂には、羽を付けた天狗=烏天狗の姿をした飯縄権現(いづなごんげん)と薬師如来が祀られる。

烏天狗と言えば、仁王門の仁王様もそれ。 普段見慣れている「筋肉むきむきで厳めしい仁王様」とは違う珍しい天狗の姿に、少々戸惑う。 向って左側が「阿」、もののはじめを大切に。 右側が「吽」、ものごとのけじめをしっかりと。 万事物事の始めと終わりは大切だという教えである。
六根石

六根石
山のあちこち18か所にある

仁王門を潜ると、六根清浄石車力石がある。 六根は人間の大切な感覚器官である目、鼻、耳、舌、心、体の六つの感覚器のこと。 物事を見つめる眼、匂いを嗅ぐ鼻、音を聞く耳、味覚を味わう舌、感覚を感じる身、 これらの大切な情報を判断する意(心)、 この六つが清らかにと願い神仏に祈ることを六根清浄と言う。

山のあちこち18か所に設置された六根石。 これを、たとえば1か所で6回づつ回せば、人間が持っていると言われる煩悩と同じ数の108回となる。 六根石をぐるぐる回し、日々の汚れた煩悩を高尾山に捨て、清らかな気持ちを持ち帰るのだと。

六根清浄は「苦難を乗り越えて霊山に登ることによって可能。」とされる。 ケーブルカーで、楽して登って来た私たち。 多少の後ろめたい思いを棚にあげ、「ざんげざんげろっこんせいじょう」と唱えながら、石車をせっせと回す。 きっと、ご利益があるハズ。と思うことからして、煩悩が居座っている証拠か。

高尾山・山頂

大見晴園地

標高599m、高尾山・山頂。

山頂は平らで広く、やまびこ茶屋、大見晴亭、曙亭の三つの茶屋とビジターセンターがある。 山の頂上である事を、忘れてしまいそうな“混み様”

山頂の西側には展望のよい大見晴園地があり、江の島・大山・蛭ヶ岳・富士山などが一望できる。 はずだが、如何せん今日はガスってさっぱり見えない。

ここで、箒をもって小首を傾げた愛くるしい「おそうじ小僧」発見。 30年前、都心からも近く自然がそのままに残る高尾山は、休日ともなると大勢の人がやってきて、 空缶やらビニール類が散乱したゴミの山だったそうだ。 片づけても、ハイカー達のポイ捨てには追い付かない状態。 長い攻防の果てに、管理側が思い切った一計を案じた。 それは、山にゴミ箱を一切置かず「持ってきたゴミは各自が持ち帰る」という当たり前のこと。 ゴミ箱撤廃策は、見事に功を奏した。 皆の大事な財産である山を素晴らしいままに次世代へ受け渡すのは、今を生きる人間の責任にほかならない。

下山
4号路・森と動物コース
 
山頂を下った1号路と4号路との分岐点、そこから4号路へ入る。

舗装し整備された1号路とは別世界で、1号路と違い人も少ない。 高尾山でも特にモミの木が多い地域だけに、昼なお暗くうっそうと茂った木々の間から僅かに木漏れ日がもれる。 森林浴なら最適だが、足もとの土が湿っているので滑りやすい。 しかも、アップダウンが激しいので結構体力の消耗を感じる。
みやま橋(つり橋)


高尾山で唯一のつり橋として、人気

やがて、現れたつり橋。そこから先は平らで、温帯林系の樹木が茂る。

春 ブナの新緑の美しさは見事なのだと。
三福だんご

だんごは炭火焼

ケーブルカー高尾山駅の前「お食事処・香住」で販売されている「三福だんご」@300円。

だんご三兄弟は、串の上から、長男・大福、二男・幸福、三男・裕福。 三つの福を一本の串に合体させた縁起のいい団子だと。 上新粉を蒸して杵でつき、俵にさし炭火で焼き上げる。 味は、味噌だれと醤油だれ。 私が買ったのは、醤油だれ。 醤油を炙った香ばしい匂いと、だんごのモチモチ感が堪らない。
エコーリフト

エコーリフト@470円

たこ杉の少し上、「浄心門」あたりで4号路は切れ、往路の1号路に合流する。 そこから程近い山上駅からリフトに乗って下山。 エコーリフトは、山上駅標高462mから山麓駅標高224mを結ぶ全長862mの長さ。

順番が来た。そばに張り付いている従業員さんの「一歩だして」の声に押され、 リフトの乗り位置へ右足を踏み入れる。 バランスを崩しつんのめりそうになる体を、なんとか踏ん張って立て直す私。 足元を見れば、リフトの下の地面が「動く歩道」。 普通のリフトは、乗り場の地面は動かない。 動くのはリフトのみで、リフトの通過位置でリフトを待ち、来たら腰を下ろせばいい。 リフトと地面と私と、三者がそれぞれに動いて、どうする。事前に知らなければ、危険。

が、乗ってしまえば、長いリフトは快適そのもの。途中で看板発見。 この先で写真撮影をし、リフトが到着する山麓駅で販売すると。 やがて、リフト沿いの木々の間からフラッシュが光った。 「え?私が撮られたの?看板は、このことか」。 山麓駅に到着すると、出来上がった写真がリフトから降りてくる客を待っていた。 撮影すると即時山麓駅へ転送し、プリントアウトするのだと。 こんな商売も、あるのだな。
2012/09/08 トリックアート美術館

オープンカフェテラス
入場時もらえるコインで
自販機ドリンクがサービス

高尾山の麓、京王・高尾山口駅のすぐそばにある「トリックアート美術館」。

高尾山口駅のベンチで、割引券を拾った。 オフィシャルサイトから割引クーポンをゲットできるようだが@1300円→@1100円。これも、縁。

トリックの面白さに脱帽。 「凸凹が逆の絵」は、親子三人すっかり虜になってしまった。

水のない水族館
魚が額の中から脱走



凸凹が逆の絵
(指差し部分が凹)



マジックテーブル
息子の体はどこへ?



危険!
ワニの巣窟・マジックミラー

急須(絵の前で手を握ってるだけ

奈落の谷底にかかる
朽ち果てた一本橋
4日目   鎌倉&江ノ島 編   今日の歩数=26,677歩  晴れ

~鎌倉~
2012/09/09 円覚寺(えんがくじ)

山門

北鎌倉駅から徒歩5分、円覚寺総門に出た。拝観料@300円。

円覚寺は、北条時宗が建立した鎌倉五山第二位の臨済宗円覚寺派の大本山。 山号を瑞鹿山(ずいろくさん)と言う。 円覚寺開堂の儀式のおり、白鹿の群れが現れ説法を聴聞したという故事による。

山門仏・殿などの典型的な宋の重厚な禅寺様式が、凛として美しい。 背骨に軸芯が一本通ったような、厳粛な気持ちにさせられる。

日本への仏教布教の際、その教えが難解すぎ、真に理解しえたのは日本では聖徳太子ただ1人だった。 ために、万人が理解できる平易な教えが必要となった。 かくして、念仏を唱えるだけで来世は極楽へいける浄土宗や浄土真宗に代表される念仏系が布教の趨勢となる。 やがて、その教えに疑問を抱き自らを「無」にして悟りを開こうする宗派が現れた。 その修行こそが「坐禅」である。

と、昔々ガッコで習ったような気がする。 念仏の効果は疑問だし、坐禅はしんどい。 と思う私は、念仏も唱えず坐禅も組まずのナマクラな門外漢。 白鹿さん、あんたはエライ。
2012/09/09 建長寺

梵鐘(国宝)

円覚寺から徒歩15分。鎌倉五山第一位の臨済宗・建長寺派の大本山・建長寺。 北条時宗の父・ 北条時頼が建長5年(1253年)に宋から来日した高僧・蘭渓道隆を招き建立した 我国最初の禅寺。拝観料@300円。

円覚寺の建物と酷似し、スケールアップした様な印象を受ける。 日本で初めて純粋禅の道場を開き、往時は千人を超す雲水が修行をしたそうな。

建長寺に隣接するのは「鎌倉学園」と言う男子校。 境内と学校の門扉が開放され、拝観料なしで自由に出入りできる羨ましい環境だ。 ここは、サザンオールスターズ・桑田佳祐の母校として有名。 本人曰く「建長寺を歩く修学旅行の女子高生に、2階の校舎の窓から顔を出し声をかけたりしましたよ」。 2003年に、境内でライブを開催しファンが押しかけた。 国宝やら重要文化財がひしめく建長寺で、だ。 国宝の梵鐘も、さぞや驚いたことだろう。 

半増坊~勝上献展望台へ

半増坊

建長寺の境内を、山門、方丈、正統院と歩き、半増坊へ続く長い参道に出る。 参道のゆるい坂道を過ぎ、最後に急な長い階段を登りきった所にある建物が半増坊。 標高145mの山腹にある鎮守社で、 別名「鎌倉アルプス」と呼ばれる「天園ハイキングコース」の出発点でもある。

総門から随分と歩いた気がするが、時間にして15分程度。 半増坊へたどり着きほっとしたら、家人が半増坊の奥を窺う。 そこへ、ハイキングコース横の展望台から降りてきたカップルが、家人に言った。 「展望台から、富士山が見えましたよ」。 かくして、話の流れと勢いで更なる高みを目指すことに相成った。 ここからは、今までとは比較にならない急な山道を5分ほど登る。 私は息も絶え絶え。男どものなんと元気なことよ。 

やっと着いた、勝上献展望台。気持ちいい。 建長寺が、遥か遠くに見える。思えば遠くへ来たもんだ。
レストラン コアンドル

昭和42年に鎌倉・小町通りに開業。 以来、45年前のホテル・オークラのレシピを忠実に守り続けた デミグラスソースをモットーとするフランス料理の店である。鎌倉文士と言われた安西篤子・鮎川哲也・大仏次郎。特に大仏次郎は週に3回は来店し、 決まった席でシャリアピンステーキに舌鼓を打ったと言う。

料理の旨さは言うに及ばず、店主の接客ぶりがスマートで秀逸。実に、居心地が良い。

シャリアピンステーキ(大仏ステーキ)@4980円
看板メニュー・シャリアピンステーキ

「ソースではなく、醤油が合うよ。」という作家・大仏次郎の一言で誕生したメニュー。 玉ねぎと醤油の風味が牛肉と絶妙にマッチしたコク深い逸品。 フォークの先を近づけただけで崩れ落ちそうな柔らかでホワホワな牛肉。 世の中に、こんなに美味い牛肉があったのか。

シチューセット@3675円

2週間煮込んだビーフシチュー
シャッターチャンスは15秒!



特製ガーリック・トースト
焼きたて



野菜サラダ



ゆずのシャーベット





紅茶

ハヤシコース@2835円

特製ハヤシライス
きのこたっぷり



ライス



冷製 野菜のポタージュスープ



野菜サラダ



Coffee
2012/09/09 潮風料理 舵屋

生しらす丼@800円

満腹を抱えてコアンドルを後にし、小町通りを散策。

鎌倉名物・生しらすは、その日によって水揚げがある日とない日があるそうな。 「本日 生しらす入荷」の看板を見つけた。 食指が動いたものは、迷わず食べるべし。

かくして、本日の昼食2食目。「1・2人前を頼んで、3人でシェアしようか」と言ったら、 「店の迷惑になる」と息子に却下された。 ひとり1人前が、店への礼儀というものだろう。 ふと入口に目をやれば、2階にあるこの店の、1階の階段出入口までも客待ちの列が続いていた。

生しらす丼は、副菜たち(大豆とひじきの煮物・胡瓜の酢の物・味噌汁)を引き連れてやってきた。 どうやら、時間的にランチメニューとなったらしい。 処で、待望の生しらす。 想像どおりに新鮮・淡泊で、多めの生しらすがのる。 さくさくと胃袋へおさまった。恐るべし、別腹。
2012/09/09 元祖 鎌倉コロッケ・鳥小屋

鎌倉・小町通りのコロッケ屋前、息子が店内へ飛び込んで行った。

「チョコころっけ」@200円。 中身がチョコの珍コロッケだ。 「気持ち悪い」と毒づく辛党の私の脇で、甘党の男ども2人がコロッケにかぶりつく。 曰く「いや、違和感ないゾ」。 私の拒否反応は、おかずと思えばこそ。 スイーツと思えば、なんら問題ない。 他にも、抹茶、柚などあり。
2012/09/09 鶴岡八幡宮

本宮のハト文字

鶴岡八幡宮は、別名・鎌倉八幡宮と呼ばれる日本三大八幡宮のひとつ。

源頼朝がこの地に社殿を作った時、すでに平家は滅亡し奥州・藤原氏も討伐、全国60余州を平定し天下に敵なし。 まさに、頼朝の絶頂期であった。 翌年には征夷大将軍となり、鎌倉は政治・文化の中心地となっていく。 幕府の儀式や行事が全てここを中心に行われ、鎌倉=鶴岡八幡宮=武家政治の象徴となった。

鶴岡八幡宮と言えば、大銀杏。 公暁が叔父・実朝を暗殺する時に、この木の陰に隠れていた処から「隠れ銀杏」とも呼ばれる「鶴岡八幡宮のシンボル」。 だが、樹齢1000年とも言われる老体は、平成22年の強風の前に倒壊した。 現在は、その横で残った根から若木がすくすくと成長している。その生命力に、瞠目。

話は本宮へ。額の「八幡宮」の八の文字、飾り文字か?と思い目を凝らしてみれば、なんと鳩の形をしたハト文字だった。 鳩は八幡様のお使いで、鶴岡八幡宮は別名・鳩宮とも言われるそうな。鎌倉の鳩サブレーは、ここからか。
2012/09/09 imbiss
鎌倉ビール(アルト&ベールエール)@700円

小町通りの「ビールとドイツ・ソーセージの店」imbissで、鎌倉ビールをゲット。 これから江の島へ向かうので、鎌倉ビールに遭遇するチャンスは、これが最後。 息子と2人で2本飲み比べ。
閑話
江ノ電・鎌倉駅の車止め

「かわいい。」立ち止まり、思わず見入ってしまった。

江ノ電・鎌倉駅3番線ホーム。
緑色の車止めの先頭部に、ちょこんと座るのはカエル。向日葵の髪飾りが、キュートだ。

カエルは、「乗客が無事にカエルように。」と言う語呂合わせ。 鎌倉駅の隠れ名物で、季節ごとにサンタや節分の鬼にコーデをカエル。

お洒落さん。


~江の島
2012/09/09 エスカー

エスカー

「エスカーってどれ」。 乗物大好きな家人が、目を輝かせエスカレーターから身を乗り出す。 実はこのエスカレーターこそが、エスカー。

エスカーは、1959年 江ノ島につくられた日本初の上り専用の屋外エスカレーター。 全長106m、高低差46mを4連で結ぶ。 1連目と2連目が1区、3連目が2区、4連目が3区と呼ばれ、 途中の区からの利用も可。片道(全区利用できて)@350円。

有料のエスカレータ―、初体験。
2012/09/09 江島神社

奥津宮
天井画・八方睨みの亀
どちらから見ても睨まれている様に見える「昔のトリックアート」

神奈川県藤沢市江の島にある江島神社。 えのしまじんじゃと読み、辺津宮・中津宮・奥津宮の三宮の総称。

江島神社は、欽明天皇の勅命で江ノ島の南の洞窟に宮を建てたのが、その始めと言われている。 以来、歴代の鎌倉将軍や代々の有力者たちの保護のもと、弁財天信仰が盛んとなり多くの庶民が参詣するようになった。

その頃は、岩本坊・上の坊・下の坊の三つの別当がそれぞれの社を管理したが、 三坊の間に利権争いが起こり、奥津宮を管理する岩本坊が他の二つの坊を吸収支配し岩本院を名乗り、全島の権益を握る。 しかし、明治の神仏分離により僧侶は神主となり、三社は総じて江島神社と改名し 参詣者の宿坊を営んでいた岩本院は旅館「岩本楼」と改められる。 その時、江島神社の祭神は弁財天から宗像三女神へと代わった。

坊さんは仏様に、神主さんは神様に仕えるのが仕事。 僧職が神職へ転身なんて、明治政府はなんて無茶苦茶な。
閑話
大道芸人「のぢぞう」さん

ハートの止まり木の二羽のキス・バード



これから何が起こるのか・・・不安な4人



クライマックス・椅子を外す「のぢぞう」さん

サムエル・コッキング苑前の広場に着くと、遠巻きな人だかり。 ちょうど、大道芸が始まる処だった。パフォーマンスは「のぢぞう(野地蔵)さん」という大道芸人。 つかみは、動かない空のトランクを引っ張るパントマイム。 次に、観客のカップルを巻き込んでのジャグリング。 さらに、バルーン・アートの「ハートの止まり木の2羽のキス・バード」をカップルにプレゼント。

最後は、観客の中から連れ出した若い男性4人が織り成す「人間イス」。
各々が隣の人に対し90度の方向を向き、背中合わせに座る。 「のぢぞう」さんが4人に催眠術?をかけ 「まっすぐ手を挙げて。 そのまま、ゆっくり後ろへ倒れて。はい、静止」 で、各自の背中がそれぞれ右側の人の太ももに乗る。 井桁に組んだ感じ。 そして、男性陣の掛けている椅子を1つづつ外し椅子なしになるが、 4人は空中で膝を立て上体を直角に倒した状態を微妙に保つ。 まるで、見えない透明の椅子があるかのごとく。

最初は何気なく見ていたのだが、いつの間にか引き込まれ、つい最後まで見た。 絶妙な間の取り方や漂漂とした「のぢぞう」さんのキャラに惹かれて。 「のぢぞう」さんは、江の島の大道芸人でアマチュアの横浜大道芸クラブの事務局長さん。

終いまで見た訳が、もう一つ。 実は、駆り出された4人の男性の1人が息子。 彼の持病の椎間板ヘルニアを気にかけつつも、楽しい。

「のぢぞう」さんは、俄か仕立てのアシスタント4人を横に並べ、最後の挨拶。 「今日ご協力いただいた4人を紹介します」。 はてなマークを顔に張り付けた4人を尻目に、 名を問うでもなく「のぢぞう」さんは息もつかずに一気に言い倒した。 「右から、●さん、○さん、△さん、□さん」。 会場は、大爆笑の渦。 息子は「加藤さん」だそうな。


後日譚
息子のつぶやき「理論的には可能なバランス力学。 お互いに知らない者同士で、 相手が重くならないようにとの気遣いから、上体を自分で維持しようとし苦しかったけど、 4人が相手まかせに脱力すれば、さほど重くないはず。 忘年会の宴会芸で使えそうだな。」
2012/09/09 江の島岩屋

第二岩屋
洞窟の奥で待ち受ける龍

島の最奥にある洞窟・岩屋は、弘法大師や日蓮上人も修行した江の島振興発祥の地。 源頼朝が奥州・藤原秀衡征伐を祈願した、とも伝えられる。

岩屋は、富士山の氷結に通ずと言われる第一岩屋と、龍神伝説の第二岩屋からなる。入場料@500円。
第一岩屋を出て第二岩屋へ向かうため一旦外へ出る。太陽が眩しい。魂の時空を彷徨う不思議な気分。
2012/09/09 江の島ビール

江の島ビール

島の奥・岩屋からの帰り道で、江の島ビールを発見。 店の名は、暖簾が風に舞い不明。 店内はテーブルが1客のみ。すでに先客が陣取っているので、店の前で1本を愚息と半分づつ立ち飲み。

店から下へ降りると、江の島乗合船の船着き場に出る。 息子が店主に聞いた。「次の船の出発は、何時ですか」。 店主は渋い顔で答えた。「時間なんてない。あいつら、きまぐれだから」。 後で調べたら、決まった時刻表はなく客の状況を見ながらの随時運行だと。
2012/09/09 しらすパン

しらすパン(3個入り250円)

仲見世のとある店の前で、「しらすパン」の大きな文字が躍っていた。即購入。

この包装が、食べやすくてお洒落。
しらすパンの正体は、油で揚げたドーナツ。 ほんわりと温かく、中に「とろりチーズ」とそれに絡みつく「しらす」が潜んでいた。 「しらす」から微かに漂う磯の香り。ここは湘南・江ノ島。
~島をつなぐ橋を渡ると、そこは片瀬
2012/09/09 小田急電鉄・江ノ島線・片瀬江ノ島駅

夕闇の中に忽然と現れた「竜宮城」。 これが、小田急電鉄・江ノ島線「片瀬江ノ島駅」。

この駅、3社の路線が乗り入れ、江の島地区の駅では唯一東京方面への直通列車がある。 竜宮城に模したデザインが、何ともユニーク。
Pico江ノ島店

日曜の夜で、店内は満席。が、時を置かず奥のテラス席へ案内された。 見上げると、満天の星。何て、ロマンチックなロケーション。 と、思ったのは一瞬のこと。 強風でメニューも話し声も飛び、会話が成立しない。 ドタバタの5分後、席が空いて室内席へと移動。ほっとした半面、残念な思いもよぎる。

オーダーは、しらす尽くし。 カルパッチョの生しらすとヒラメに感動し、ピッツアの釜揚げしらすに舌鼓を打ち、 ペペロンチーノのしらすが放つ江の島の香りを堪能。 こうまでしらすを化けさせるシェフの腕前に、ただただ脱帽。

嬉しい事に、ここの江の島ビールは樽生。 「樽の口がなかなか開かなくて」と注文から時がたって運ばれてきた。 どことなく樽の香りがし、味にコクがありマイルド。おかわり。


生しらすのカルパッチョ(ヒラメ入り)
@550円

チチニエリ(しらすとモッツァレラチーズ)
@1380円

釜揚げしらすとキャベツのペペロンチーノ
@1380円
            
江の島ビール樽生@680円      &    ウーロン茶@380円
2012/09/09 ほてる汐彩

トリプルルーム

ネットで見つけた宿は「ホテル汐彩」というオープン2年目の新しいホテル。 玄関は鎌倉市で客室は藤沢市、登記は藤沢市。

オーシャン・ビューの部屋から、ヨットが白い帆をなびかせて行き交う様を一望。 湾沿いに建つホテルの向え側は、江の島ヨットハーバーなのだ。気分は、すっかりサザン。

部屋は、バストイレ付の和室3人部屋(トリプル)。@8400円。
マットの上に布団を敷いたような程良い高さで、使い勝手がいい。 浴槽が大きめなバスルームに、広めの洗面スペース。 何から何まで行き届いた設備に、入浴を終えた息子が言った。 「これ以上、望むことは何もない」。

食堂で面白いCoffee機、発見。 hotはコーヒーのボタンを押し、 iceは氷のボタンを押した後にコーヒーボタンを押すと冷コーヒーが出来上がる仕組み。 24時間無料で提供され、部屋への持ち込みもOK。

朝。このホテルには食事つきの宿泊プランがなく、 無料サービスで数種の焼きたてパンが用意されている。 パスタや焼きそばや卵焼き、他にも副菜数種、それにスープ2種類まであるプチ・ヴァイキング。

5日目   川崎大師&帰宅 編   今日の歩数=18,713歩  晴れ
2012/09/10 湘南モノレール・湘南江の島駅

懸垂式モノレール

平日は観光客が少なく、利用者のほとんどは地元住民や通学客。 小田急と江ノ電は海岸線に駅が設置されているのに対し、 湘南モノレールが内陸に駅を設けているのは江ノ電や地権者の反対に遭ったため。

モノレールには、レールをまたぐ跨座式とレールに吊り下がる懸垂式がある。 ここは、懸垂式。車体が宙に浮いているのが新鮮だ。風が強い日は、さぞや揺れることだろう。 目の下を、家や畑が飛んでいく。 思いのほか、早い。

駅舎は地上5階建てで、1~3階がテナント、4階が切符売場と改札口、5階はホーム。 2階から4階まではエスカレーターで結ばれているが、 1階から2階までと4階から5階までは階段があるのみ。 足腰が弱り階段がきつくなったら、どうするの。
~川崎~
2012/09/10 越後叶家ラゾーナ川崎店

昼時で、順番待ち多数

JR京浜東北線・川崎駅ラゾーナ内の蕎麦屋。

看板メニューは「へぎ蕎麦」。 へぎと呼ばれる四角い器に冷やした蕎麦3~4人前を一口程度の束にして丸めて盛り付けたものである。 越後叶家の蕎麦は、小千谷や十日町地方で古くから伝わる伝統製法を取り入れ布海苔をつなぎとする。 へぎに盛るから「へぎ蕎麦」で、蕎麦じたいは他の蕎麦と同じ味なのか? 縷々思った結果、もりそば@680円とトムヤムクンつけそば・ヨーグルトつきを注文。

蕎麦の味の方は、独特の歯触りとコシ、布海苔の成せる技か。美味い。

息子と、ここで解散。
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