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2012年 四国旅行記 Vol.1

「さぬきうどん」食い倒れ♪

12/05/8~12/15   札幌→関西空港→徳島→高知→宇和島→道後温泉→高松(大人2名)
日程   7泊8日
経費
交通費 航空券(新千歳→関西空港) @4,780×2(往復)×2名+@210(手数料)×4=19,120円
フェリー(和歌山→徳島) @2,000円×2名=4,000円
なると遊覧船 @1,500円×2名=3,000円
高知MY遊バス @1,000円×2名=2,000円
四万十川の屋形船 @2,000円×2名=4,000円
レンタカー(12時間)&保険&ナビ&ガソリン代 @6,926円
電車(JRほか)とバス @33,300円
新千歳パーキング @2,600円
宿泊費 東横イン徳島駅前 ツイン(1室2名)@7,581×2泊=15,162円
スーパーホテル高知 スーパールーム 2名1室@7,980×1室=7,980円
スーパーホテル高知 スーパールーム 2名1室@5,880×1室=5,880円
ホテルクレメント宇和島 @5,500円×2名=11,000円
にぎたつ会館 @5,020円×2名=10,040円
ドーミーイン高松 @7,700×1=7,700円
拝観料など  宇和島城 ほか 3,400円
食事代 外食&食糧 19,060円
雑費 傘 ほか 14,892円
総計  〆て      170,060円


旅程
 1日目 格安航空「ピーチ」で新千歳空港→関西空港
和歌山城
  ○和歌山城西之丸庭園
南海フェリー
  ○南海フェリー・つるぎ
  ○徳島フェリーターミナル
2日目 寺町
  ○眉山
  ○徳島眉山天神社
  ○錦竜水
  ○春日神社
  ○阿波おどり会館
新町川
  ○満ち潮水族館
  ○ひょうたん島周遊船
  ○橋の下美術館
鳴門の渦潮
3日目 JR高知駅
桂浜
市内散歩
  ○はりまや橋
  ○デンテツターミナルビルのからくり時計


泊まったところ 東横イン徳島駅前
スーパーホテル高知
食べたところ 麺屋ひしお(和歌山) 紀州湯浅吟醸醤油ラーメン&しらす丼セット
ひらヰ 徳島餃子&フィッシュカツ&ご飯


食べたもの 金ちゃんヌードル 徳島駅近くのコンビニ
竹ちくわ 徳島駅近くのデパ地下
鯖棒ずし 同上
ぼうぜ寿司 同上
帽子パン 高知駅のパン屋&ひろめ市場ちかくのパン屋


閑話 丁と町
海草振興局
こんなの見っけた
中国人の敬老精神
「たっすいがは、いかん!」
しほちゃん
ICカード「ですか」
1日目   出発 編   今日の歩数=18,095歩  曇り

夢の格安航空会社「ピーチ」が、ついに運航開始。「そんな格安チケットを、籤運のよろしくない私メがとれるはずもないが」と思いつつも、まずは挑戦。あら、取れちゃった。で、どこへ行こう。しばし迷った末に、未踏の地「四国」をめざす。
12/05/08 格安航空「ピーチ」

新千歳空港→関西空港 @4780円。

既存航空会社の搭乗と、どこが違うのか、興味津津。機体は、色が珍しく一目でそれと判る。まずは、発券機でチケットをゲット。飛行機の搭乗券とは言え、スーパーのレシートと変わらないペラペラの紙。既存航空会社のチケットは、随分と贅沢だったのだと、改めて痛感。

座席は通路をはさんで両側に3席づつ横に計6席。座席自体が小さいとは感じないが、前が狭めなので足の長い男性はちょっと窮屈かも。身長178センチの家人は、「問題ない。」と。

機内にはテレビやオーディオがない。救命胴衣のつけ方も、ピーチは実演のみ。しかし、この方が乗客の意識が集中できて効果的な気がする。

金髪スッチー

ピーチ」は、軽食や飲み物の無料サービスなし。一切の無駄を省き低料金で運航するのが、ポリシー。

運航日初日、機内での有料飲食物が売り切れてしまった。お弁当=@700円、インスタントコーヒー@200円と、値段控え目。
機内飲食サービスがない分わさわさと追われる感がなく、逆にゆったりと過ごせた。不自由もなく、無事に関空着。

基本的に、新千歳空港ではボーディングブリッジで、関西空港ではバスで空港ビルへ移動する。手荷物も、ピーチは預けると有料なので、ほとんどの人が機内持ち込み。有料手荷物の引き渡しは、新千歳空港はターンテーブルだが、関西空港は乗客とは別のバスで空港入口のバス停へ運び、歩道に広げたビニールシート上に手荷物を降ろし、乗客ととほぼ同時に荷物の受け取りができる。設備がなくても、知恵で充分克服できる。と、教えられた気がする。

この値段の安さは、大きな魅力だ。徹底したコストダウンには、乗客として大いに協力したいと思う。しかし、安全面でのコストダウンにだけは、手を染めてもらっては困る。ただ、それを願う。
本日の予定
関西空港→(電車)→和歌山市駅→(バス)→和歌山港→(フェリー)→四国上陸。一歩目は徳島。


~和歌山篇~
12/05/08 麺屋ひしお

紀州湯浅吟醸醤油ラーメン@600円

和歌山市駅に到着。駅前発のバスで、和歌山港を目指すはずだった。時刻表によれば、5分も待たずにバスがやってくる。とその時、同じ時刻表を見つめながら熱心にメモする女性が、つと顔をあげた。「この地の美味しいものって何ですか。」と尋ねると、彼女は即座に返答。「美味しいもの、特にないけど、ラーメンかな。」時は昼。ラーメンという単語が、私たちの胃袋をぎゅっと鷲掴み。バスを1便遅らせて、まずはラーメンだ。

ラーメン地図を駅で入手し、店探し。足が向いたのは「麺屋ひしお」。日本の醤油発祥の地・和歌山県湯浅の湯浅醤油がスープのベース。紀州湯浅吟醸醤油ラーメン+しらす丼のセット@880円。店員さんが、自慢の醤油を霧吹き容器でラーメンにひと回しかけた。醤油の香りが、食欲を誘う。細めの縮れ麺に、濃い目のこってり色スープ。が、意外にあっさり味だ。なんて美味いんだろう。魅せられた私と家人。

しらす丼@380円
閑話
丁と町

和歌山市の中心部を徘徊すると、「○○丁」という地番表記が目についた。

「丁」は「ちょう」と読み、かつての武家町。一方、「○○町(まち)」は町人が住む町人町。市街地では、両方混在もある。

数年前に訪れた伊達家のお膝元「城下町・仙台」でも、「丁」と「町」が共存していた。和歌山は紀州徳川藩がおさめる城下町だった。その名残を、ここに見つけた。
12/05/08 和歌山城

天守閣にはムカデ?

和歌山城は、徳川御三家のひとつ・紀州徳川家の居城。姫路城・松山城と並ぶ、日本三大連立式平山城。
そもそもは、豊臣秀吉の弟・秀長が紀州征伐の副将として参陣し、平定後に秀吉の命により築城したのが始まり。当時、若山と呼ばれていた地名をこのとき和歌山と改めた。「この城、見たことある。」と呟いた方は、かなりの時代劇通。和歌山城は「水戸黄門」や「暴れん坊将軍」など時代劇の撮影に使われることが多いのだと。

初代・頼宣と14代・茂承以外の藩主は、二の丸御殿に住んでいた。この二の丸御殿は、江戸城本丸御殿を真似て作られたため、表・中奥・大奥に分かれていた。時代劇で馴染みの大奥は、江戸城・和歌山城・名古屋城のみにあったそうな。

天守閣には、鯱がお決まり。しかし、どう見てもムカデにしか見えない。城の周りをぐるりと回り、やっと真相判明した。私が見たのは、鯱の裏側。ために、鯱が逆立ちをした図かムカデに見えてしまったのだ。とほほ。

童謡「まりと殿様」は、紀州の殿様を謡ったもの。天守前広場には、歌詞の5番の歌碑が設置されている。城内のチャイムにも使われているそうだ。
和歌山城西之丸庭園

紅松庵

和歌山城西之丸公園は、南海本線・和歌山市駅から徒歩10分に位置する和歌山城内の日本庭園である。別名・紅葉渓庭園(もみじだにていえん)。国の名勝。入園無料。

庭園は江戸初期に紀州藩初代藩主・徳川頼宣が、和歌山城の西之丸に隠居所と共に池泉回遊式庭園を築いたのが始め。北部を流れる「紀ノ川」を天然の堀とし、標高48.9mの虎伏山(とらふすやま)に建造された和歌山城。庭園は、その地形をいかして鳶魚閣や二段の滝が設けられているのが特徴。

●紅松庵(こうしょうあん) 1970年、発掘調査の結果、数寄屋造りの茶室の遺構が確認された。 1973年、和歌山出身の名誉市民・松下幸之助が復元建築して、寄贈。
●御橋廊下 二の丸と西の丸を結ぶ、斜めに架けられた廊下橋。2006年に復元。

御橋廊下、いい眺めだろう。殿様になってみたい。
閑話
海草振興局

海草の専門部署か?

海草振興局は、●地域振興部●健康福祉部●建設部の三部より成り、地域のまちづくりや社会福祉、道路や河川事業などを担当。 要するに、都道府県の出先機関。支庁の様な存在らしい。

にしても、なぜ海草か。命名の理由が気にかかる。
12/05/08 南海フェリー

つるぎ
南海フェリー・つるぎ

和歌山市駅から和歌山港へは、南海電車かバス。南海電車を降り和歌山市駅へ着いたので、バスに決めた。

和歌山港から徳島港を結ぶ南海四国ラインは、日本でも珍しくなった鉄道連絡船。乗船時間2時間、料金@2000円。関空から徳島港まで、こんなお得プランがある事を、南海電鉄車中の吊り広告で知った。普通は、関空から和歌山港@890円、和歌山港から徳島港@2000円で計2890円。教訓:駅では、まずお得情報をリサーチするべし。
南海フェリーのマスコットキャラクター

高野きらら&阿波野まい

さて、乗船。甲板から船室への入口に、大きな萌えキャラが私たちを出迎える。これ、南海フェリーが乗船客を増やすための一手。マスコットキャラクター・「高野きらら」が和歌山育ちで、「阿波野まい」は和歌山生まれの徳島育ち。いづれも高校1年生という設定。2人の集客力はいかに。

乗船するとすぐに、売店前に人が並び始めた。列の後ろから伸びあがり、真相を窺う。どうやら、特別席を購入する人達。特別席とは、船首部分に設けられた椅子席のこと。@500円。

この日は空いていて、ゆったりと横になり甲板から海上の景色を楽しむ快適な船旅。2時間は短い。
12/05/08 徳島フェリーターミナル

ターミナルビル

感動の四国上陸。
ここは、遍路の1番目・霊山寺から24kmの所にあるそうな。
~徳島篇~
12/05/08 ひらヰ

徳島餃子(ゆず胡椒)@380円
(写真は二人前)

ご飯@160円



フィッシュかつ@390円

徳島の晩御飯は、徳島餃子。「ひらヰ」という店の暖簾をくぐった。

酒と飯の店。店内、ほろ酔いのサラリーマンばかり。取りあえず、徳島餃子とご飯と徳島名物フィッシュカツをオーダーした。餃子は一人前・6個。ちっさい。酒の肴には一口サイズの方が食べやすいのか。ただ、ゆず胡椒は美味い。

徳島名物・フィッシュかつ。
魚のすり身をカレー粉などで味を整え、パン粉をまぶし揚げたもの。主に徳島県東部で食べられているローカルフードで、魚肉練り製品の一種。地元では、スーパーやコンビニなどでも販売されている。ちなみに、徳島県では「カツ」と言えば「フィッシュかつ」のことで、「豚かつ」は「トンカツ」と言い醤油やソースやマヨネーズを付けて食べる。マヨネーズをつけた揚げたて熱々を、頬張ってみた。魚肉すり身がふんわりと口いっぱいに広がる。「これが、徳島の味。」。
12/05/08 東横イン徳島駅前

JR徳島駅から徒歩4分。周辺に飲食店も多く、大変に便利だ。ツイン(1室2名)@7,581×2泊=15,162円。ここ徳島駅前店は、手入れの行き届いた花壇の花が印象的で、建物自体も清潔感がいっぱい。

ロビーに設置されたコーヒーメーカーは、ボタンを押すだけで挽きたてのコーヒーがいつでも無料で飲める。コーヒー好きの家人には、断然ポイントが高い。

無料と言えば、東横インの常で朝食が無料。炊き込みごはんとお握りとパンとみそ汁と、他におかず6品。その中に、昨夜はじめて食べた徳島B級グルメの「フィッシュかつ」と「竹ちくわ」もあった。客に「徳島を味わってもらおう。」というホテル側の心遣いが嬉しい。
金ちゃんヌードル 竹ちくわ

徳島のご当地カップめん@170円


名物・竹ちくわ@105円

鯖棒ずし ぼうぜ寿司

肉厚な鯖でボリューム満点@1100円


「ぼうぜ」初体験@682円

2日目   ひょうたん島遊覧&鳴門の渦潮 編   今日の歩数=14,657歩  雨と雷のち曇り

~寺町~

徳島市の東部・眉山山麓。町内には、様々な宗派の寺院が集中し、まるで金沢の寺院群の様。ひとところに寺が密集している訳は、戦時下の兵力の集結場として寺を利用するため。防衛上重要な機能を担っていた。畢竟、この辺りの寺の多くは、藩主・蜂須賀家との密接な関係をもつ。
12/05/09 眉山

新町橋&眉山

川は吉野川、山は眉山。

眉山は、標高290m。どの方角から眺めても、眉の形に似ていると言う。古くは万葉集にも登場し、最近は、さだまさし原作・松嶋菜々子主演の映画「眉山」のモデルとして知られる山。眉山は、市内の多くの校歌にその名を刻む。

緩やかなカーブを描き横たわる眉山は、名の通りどこかおっとりとした空気を醸し出す。この日は生憎の曇り空。今にも泣き出しそうな空を背景に、悠然とそこにあった。
12/05/09 徳島眉山天神社

知恵の牛

眉山山麓に位置する神社。
主祭神は菅原道真。学問の神様・道真公にちなんで「知恵の牛」がある。牛の頭は散々に撫でられテカテカ。私は、鼻を撫でてきた。 道真氏の専門外なのは百も承知だが、私の花粉症を宜しく。

境内の一角、大岩を神体とした姫宮神社を覗く。念願成就、縁結び、夫婦円満の効があるそうな。鳥居は鮮やかな赤に塗られ、「恋むすび」と書かれたハート型のピンクの額がかけられていた。賽銭箱にハートが書かれ、参道は彩りよい御影石の敷石。無論ハート。 ハート5枚を梅の花びら風に並べ描いた絵馬。見事なハートづくしが奏功し、若者たちの隠れパワースポット。
12/05/09 錦竜水(きんりゅうすい)

徳島市の眉山麓にある湧水。眉山湧水群のひとつである。とくしま市民遺産選定。高い硬度と豊かなミネラル分を含み、カルシウムイオンとマグネシウムイオンなどが多く、コクとまろやかさが特徴。

江戸時代の徳島城下では、この湧水を購入して飲み水とし、当時の徳島藩は水番所を置いて湧水の保護をしていた。1976年(昭和51年)頃、いったん水脈が途絶え、「名水阿波錦竜水保存会」により復旧工事がなされ、1987年(昭和62年)蘇った。今も焼酎の空きボトルを幾つも持ち、水を汲みにくる人々が多い。また、阿波市の太閤酒造場では、この錦竜水を利用して酒を製造している。

「どんな味。」と見れば「一般飲料水水質検査結果書」。飲料水としてのお墨付きと言う訳か。手をのばして水を掌に受けると、目の前に貼り紙が。「水は煮沸して飲んでください。」。水質検査書を掲示しているのに、生水は駄目。よそ見している間に、家人が、ちゃっかりと飲んでいた。「まろやか。」だって
12/05/09 春日神社

天神社から山裾の寺院群を歩くと数分。春日神社が見えてきた。

1586年、藩主・蜂須賀家政が、徳島城築城とともに名東郡田宮村(名西郡入田村)より奉還したと言われる。市中五社のひとつ。春になると、空が見えないほどの満開の桜が見られるそうな。

この境内には、錦竜水を使用して作られた徳島銘菓・滝の焼餅なる名物があると言う。餅米の粉を練り、餡を入れて焼いたもので、とくしま市民遺産だとか。忘失していた。残念。
12/05/09 阿波おどり会館

朝からの怪しげな雲行きが、一気に雨となって降ってきた。お腹にズシンと響くような轟音の雷までも連れて。午後から鳴門の渦潮を見に行く予定。落雷が怖いので、「阿波おどり会館」で雨宿り。

阿波おどり会館は、阿波おどり関連の展示や実演を行う施設として、1999年(平成11年)に開館した。外観は阿波おどりの高張り提灯を模した逆台形。道理で、頭が重そうな建物に見えたはず。

1階には、物産観光交流プラザ、2階は阿波おどりホールとギャラリー、3階は阿波おどりミュージアム、4階は貸ホール、5階が眉山ロープウェイ山麓駅と喫茶軽食の店。午後2時から、2階で阿波おどりの実演がある。@500円。 ちょうど、渦潮観光の時間。雨の降り具合次第で、こちらに予定変更もありか。
閑話
こんなの見っけた

「阿波おどり会館」前のあずまや、屋根は阿波おどりの笠をモチーフに
新町川
12/05/09 満ち潮水族館

満ち潮水族館

徳島市は、吉野川水系の新町川に抱き込まれる中州。その形が瓢箪に似ているため、別名ひょうたん島。江戸時代、徳島の経済を支えた「阿波藍」を乗せる船が行き交い、大層賑わったと。新町川沿いには、繁華街や観光スポットが多い。8月の阿波踊り会場も、このあたり。

新町川に架る新町橋の下にある遊歩道に設置されているのが、満ち潮水族館。新町川は海辺に近い川で、潮の満ち引きがあるため満潮時には遊歩道の高さまで水面が上昇し、新町川に生息する魚を観察できる。

その数約30種類。まるいガラス越しに川を覗くと、私も魚になった気分。
12/05/09 ひょうたん島周遊船

2人が交互に船長を勤める

両国橋北詰から、NPO法人「新町川を守る会」が運営する「ひょうたん島」を一周する無料の周遊船が出る。一周約30分。無料の遊覧船は、おそらく日本で唯一。保険代@200円。

今朝の第一便・午前11:00発の便に乗船した。思いがけない水上の冒険に、胸わくわく。出港。朝早いだけに、乗客は私と家人の2名のみで贅沢な貸切状態。船上から次々に変わりゆく景色を追いかける。ひょうたん島プチ船旅の醍醐味なり。

船上から見る徳島中央公園は、徳島城跡、徳島中央公園など緑いっぱい・市民の憩いの場。川っぷちを歩いていた外国人グループが、私たちの船を見つけて歓声をあげた。どちらからともなく、手を振りあう。これもまた、遊覧船の楽しみ。
12/05/09 橋の下美術館

多くの橋や鉄橋をくぐる。その数、22本。中には潮の干満の影響で水位がぐっと上がり、橋の下すれすれを潜ったり。得難いスリルと迫力に、胸が高鳴る。

「7つの橋の裏に巨大絵画を設置して、船に乗りながら鑑賞する世界初の美術館」水の都・徳島ならではのこの企画は、 徳島青年会議所50周年記念事業としてメンバーが青春を賭けたプロジェクト。当初は、期間限定で、あまりの好評を得たので延期し展示している。水位があがった橋の裏を船が潜ると、この巨大画が眼前に迫ってくる。なんという迫力。家人が唸った。「これ、貼るの大変だったろうな。」

満ち潮水族館といい、遊覧船といい、この橋の下美術館といい、水の都という特徴を前面に打ち出した町づくりが、独創的で眩しい。
12/05/09 鳴門の渦潮

渦潮と大鳴門橋

雨もあがり、渦潮が見られそう。

まずは、徳島駅から路線バスで鳴門観光港をめざす。@690円。所要時間:70分。途中、大塚国際美術館に停車。ここは、モザイク壁画で世界的にも有名な美術館で、是非訪れてみたいが時間がない。

で、バスはどこで降りるの。乗客のほとんどは渦潮見物だろうから、皆と一緒に降りればいいや。と呑気に構えていたら、鳴門観光港というバス停についた。が、数人がぱらと降りた程度。名前から、ここだと思うのだが。躊躇う間に、バスは発車。バスは、今来た道を戻り始めた。もしや、今の所で降りるのだったか。慌てて運転手さんに聞くと、やはり乗り過ごし。が、目の前に救いの糸が一筋垂れた。鳴門観光港は大型観潮船乗り場で、この先の亀浦口からは小型観潮船が出ているのだと。「小型船の方が渦潮を近くで見れて迫力あるよ。」と運転手さん。不幸中の幸い。(うしお汽船の高速船・うずしお@1500円。所要時間20分。)

大渦潮の見頃は1日に干潮時と満潮時の2度。潮見表によれば、今日は14時が干潮。この前後2時間位が渦潮の見頃ということになる。

観潮船が走り出して3分ほどで、怒涛の渦潮渦中へ。飛沫がかかりそうな近距離で、渦潮をみた。北側(瀬戸内海)と南側(太平洋)の波が大鳴門橋の下で出会い、激しくぶつかって渦を発生させる。乗客たちは、興奮の面持ちで歓声をあげては夢中でカメラのシャッターを切る。なんという迫力!なんという感動!肉眼ではこんなにはっきりと捉えられるのに、普通のカメラではうまく写らない。せめて、私の網膜だけにはしっかりと焼き付けておこう。
閑話
中国人の敬老精神

渦潮からの帰り、路線バス車中でのこと。途中のバス停から老夫婦1組と小学生位の女の子連れの若夫婦1組が乗り込んできた。彼らは辛うじて座れたが、車内はほぼ満席。次のバス停では初老の婦人が乗り込み乗車口に立った。すぐに先ほどの若夫婦の男性がすっと席を立ち、件の老婦人の腕に軽く手をまわし自分の席へと誘った。隣に座っていた彼の妻が、手を広げ夫が今まで座っていた席へと婦人を招き入れた。それを笑顔で見つめる男性に同伴の老夫婦と女の子。

漏れ聞こえてくる話によれば、彼らは両親を伴って日本へ観光にきた中国人家族。席を譲った男性は、片言ながら日本語での会話ができる。「今、日本は良い季節なので、娘の学校を休ませて連れて来た。」そうな。両親を伴って、ひょいと日本まで観光に来られるほど急成長した「中国の聞きしに勝る経済力。」

驚きは、その敬老精神。中国では、儒教に基づく敬老思想と長寿を尊ぶ思想がある。こんなにもさりげなく席を譲る。簡単そうで、大抵の日本人には出来ない。領土問題など政治的問題は山積しているにせよ、それは外交の問題。優れた処は認めたいと、縷々思う。

機会があったら、私も勇気を出して席を譲ってみようかな。「私は譲られる年ではないわよ。」と逆ギレされ断られたら。途端に勇気が萎える。
3日目   高知・桂浜&市内散歩 編   今日の歩数=16.824歩  晴れ


徳島バス
AM7:45徳島駅発→AM11:00高知着。座席指定。@3500円。
~高知篇~
12/05/10 JR高知駅

龍馬とお龍のパネル写真が
(駅改札口コンコース)

高知到着。駅に着くと「リョーマの休日」と書かれた旗がたなびき、どちらを向いても龍馬一色。さすが高知!

駅改札口コンコースにでんと据えられた龍馬とお龍のパネル。その背中にこんな言葉が書かれていた。
お龍さんが語った龍馬

龍馬はソレはソレは妙な男でしてまるで人さんとは一風違って居たのです。
少しでも間違ったことは どこまでも本を糺さねば承知せず、明白にあやまりさえすれば直にゆるして呉れまして、此の後斯く斯くせねばならぬぞと丁寧に教へて呉れました。
◎一戦争済めば山中へ這入って安泰に暮す積り、役人になるのはおれは否ぢゃ。
退屈な時聞きたいから月琴でも習っておけとお師匠さんを探して呉れました。
◎私の名ですか。矢ッ張り龍馬の龍の字です。
初めて逢った時分おまえの名のりょふは何う言う字かと伺ひますから斯く斯くと書いて見せると夫れではおれの名と一緒だと笑って居りました。                        坂本龍馬全集より
龍馬が語ったお龍

右女ハまことにおもしろき女ニて月琴おひき申候。      坂本乙女あて書簡より(龍馬書簡集)

私しらの妻ハ日々申聞候ニハ、龍馬ハ国家の為骨身をくだき申べし、しかれバ此龍馬およくいたわりてくれるが国家の為ニて、けして天下の国家のと云うことハいらぬことと申聞在候。
夫ず日々ぬいものやはりもの致しおり候、そのひまニハじぶんにかけ候えりなどのぬいなど致しおり候。そのひまニハ本よむこといたせと申聞候。
此頃ピストオルハ大分よく発申候。誠ニみよふな女ニて候得ども私しの云うことよく聞込ミ又敵を見て白刃をおそるうことおシラヌモノニて、べつにりきみハせねども又いつかふへいぜいとかわりしことなし。
これハおかしきものにて御度候。      坂本乙女あて書簡より(龍馬書簡集)

※月琴とは、3~4弦の中国の楽器。ボディーが満月の様に丸い形をしているので、その名がついた。日本でも、明治初期には婦女子に広く普及したそうな。

「お龍は、毎日自分のために縫物などをせっせとやってくれています。そんな暇があったら本でも読めと言っているのですが。」と、お龍がいかに甲斐甲斐しく自分の世話を焼いてくれているかを姉・乙女に書き送る龍馬。そも初めは龍馬自身が師匠まで探してきてお龍に月琴を習わせたのに、乙女には「お龍は、月琴を弾く誠に面白い女だ。」と見栄を張ってノロケる。そんな人間臭い龍馬に、つい吹きだしてしまった。
12/05/10 帽子パン

帽子パン(駅構内のパン屋さん)


帽子パン
(ひろめ市場近くのパン屋さん)

駅の中のパン屋を発見した家人は、ダッシュで駆け出した。目当ては、高知名物・帽子パン。高知では普通に売られているのだが、県外ではまず入手不可能なのだ。まさに幻のパン。

帽子パンの名の由来は、形が帽子に似ているから。昭和30年頃「高知に新しいパンをつくろう」と市内のパン屋がメロンパンにヒントを得て考え出した。つばの部分がカステラ生地で、クラウンの部分がメロンパンよりも甘めなパン。1個でカステラとパンの両方が味わえる、B級グルメ。高知では県民食と言われる程、生活に根付いているが、なぜか他県には普及しなかった。1個@130円。

甘党の家人が別のパン屋さんでも買い求めて、味の比較をした。「店によって味が微妙に違う。どっちも美味いけど。」
12/05/10 桂浜

龍馬像

いよいよ龍馬が待つ桂浜へGO!

駅のバスターミナルで、JR高知駅~桂浜の区間が一日乗り放題券「MY遊バス」をゲット。所要時間40分。@1000円。「今日、乗りますか。」と受付の女性に聞かれたので頷くと、券裏側・スクラッチ部分の今日の日付を鉛筆の裏側でひっかいた。

車窓の景色は、徐々にローカル色を増してゆく。と気がついた。運転手さんが、乗降客がいてもいなくてもバス停に着くたびに一旦降りるのだ。なんだろう、と伸びあがってみると、停留所のバス時刻表になにやらひっかけて戻って来る。それは楕円形でピンク色プラスティックの小さな札。バスの通過を知らせる札なのだ。なにせ、1時間に1本しか運行が無いバスだから。エラク原始的な方法だが、滅法合理的。

桂浜は、民謡「よさこい節」で歌われている月の名所だが、龍馬像が建つ龍頭岬と龍王岬までの弓状に広がる海岸は、昼でも素晴らしい。松の緑、紺碧の海、五色の小砂利。まるで、一幅の絵のようだ。160年程前、龍馬がこの砂浜に立ち、海の彼方の外国へ思いを馳せた同じ景色を前に、胸がいっぱい。

龍頭岬に建つ龍馬像は、1928年に高知県の青年有志の募金によって建立された。和服にブーツを履いた龍馬は、いかにも時代を先取りする風体。像の横の特設展望台から、龍馬の目線で太平洋をみた。

「なんの、浮世は三文五厘よ。ぶんと。屁のなる。ほど。やってみよ。」(龍馬から乙女への手紙)
市内散歩
12/05/10 はりまや橋

はりまやばし

「よさこい節」の歌詞にもなった、純信とお馬の恋物語のはりまや橋。

江戸時代、堀川を挟んで商いをしていた「播磨屋」と「櫃屋」が、両店の往来のため私設の橋を架けたのが、はりまや橋の由来。すでに堀川は埋め立てられ、市中心部にこじんまりとした朱塗りの橋があった。札幌の時計台とともに「日本三大がっかり」のひとつにあげられる「はりまや橋」。「よさこい節」であまりにも有名になってしまったために、イメージが独り歩きしてしまった印象は否めない。
12/05/10 デンテツターミナルビルのからくり時計

はりまや橋のすぐそば・デンテツターミナルビルにあるからくり時計。これが、面白い。

9時から21時まで1時間ごとに音楽が鳴りカラクリが現れる。カラクリの上は高知城、右が真っ赤なはりまや橋、左は坂本龍馬、下はよさこい鳴子踊りの5人衆。カメラを構えた時、すでに右のはりまや橋が半分格納されていた。すべての格納が済むと、時計自体が壁面に密着し終了。
閑話
「たっすいがは、いかん!」

「たっすいがは、いかん!

某大手ビールメーカーの広告看板。市内のあちこちに立て掛けられているのだが、「はて、どんな意味だろう?」。

ちょうど立ち寄ったお店で聞いた。「元々、たっすいがはいかんぜよ!と言う土佐弁で、弱々しい男は、ダメと言う意味。」とのこと。一呼吸おき言い継いだ。「味が薄いのはダメ。」という意味なのだと。

要するに、男もビールも弱々しくてはいけない。味の濃いのが良いということ。いかにも、龍馬の古里らしい。ちなみに、このビールはこの広告で、売り上げがグンとアップしたそうな。
しほちゃん

しほちゃん

電車に途中から乗り込んできた小学1年生くらいの女の子。しほちゃん。いえいえ、知り合いではなく初対面。持っていたバッグに名が書かれていたのだ。

乗車するなり、手に持っていた定期券をランドセル・左ベルトのフックに下げ、次に首の後ろに両手を回し一生懸命手を動かした。汗で首筋に張り付いた長い髪の毛を後ろで一つにまとめようとしている。帽子を被ったままなので、ちょっとぐだぐだ気味の縛り方になったが、何とか完了。暑さで上気した顔に、安堵の色を浮かべた。

幾つも持っているバッグがずり下がる度に膝に抱えなおしつつ、車内の乗客たちの行動をくるくると観察。やがて、乗降口近くの席が空くとそちらへ移り、車内アナウンスに耳を傾け、降りるべき停留所で去った。次から次へと頭がフル回転している様子が手に取るように解り、見ていて飽きない。「可愛いな。」と家人が思わず呟いた。
ICカード「ですか」

「そうです。これ、ICカードですよ」と思わず答えたくなってしまう。

この言葉が、バスと電車に乗るたび車内に書かれていた。これ、代金をチャージしておきバスや電車の乗降時にカードリーダーにタッチして運賃を支払う、ICカードの高知版。ただ、このネーミングに惚れた。
12/05/10 スーパーホテル高知

天然温泉入浴時間表

スーパーホテル2連泊。1泊目は1室@7980円。2泊目が1室@5880円。ちなみに部屋は同じ。10日は木曜日、11日は金曜日。金曜日の方が繁忙日だと思うが、なぜか金曜日の方が安い。謎解きは入浴の後で。

ここには、看板通り天然温泉・「龍馬の湯」がある。浴室はひとつで、時間による男女入れ替え制。が、女性時間帯の条件が悪い。夜が1時間半。朝が2時間半。10時チェックアウトで出発間際まで入浴する人って少ないだろうに。何という男性優遇。つまり、宿泊客は男性が多いのだ。ビジネスマンの出張で泊まるケースが多いのかも。それならば、木曜日よりも金曜日の宿泊代が安いのと、風呂時間の男女差も納得がいくというもの。

朝食は無料で、ご飯とパンとみそ汁+おかず・肉じゃが他6品。飲み物は、自販機が朝食時間帯のみ無料。飲み物の選択肢が多いのは、嬉しい。もう一つ、朝食メニューとして出た「飲むヨーグルト」が美味。
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