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2012年 韓国旅行記2

釜山・・・凡一洞・釜山タワー・ジャガルチ市場


12/10/20~12/10/23      新千歳→釜山
日程  3泊4日
レート  KRW100=JPY7.17

経費(2名)
交通費 ツアー代金 @29,800×2名=59,600円
(空港使用料) @1,000円×2名=2,000円
(現地税) @1,690円×2名=3,380円
新千歳パーキング @1,700円
保険代 損保ジャパン“Off”カップルプラン 2人で           3,290円
現地の交通費 地下鉄&タクシー 14,000w
食事代 110,500w
雑費 29,500w
総計  〆て          80,750円


旅程
2日目 凡一洞(ボミル)駅周辺
龍頭山公園
 ○釜山タワー
ロードモニュメント
BIFF(PIFF)広場
ジャガルチ市場
 ○釜山ジャガルチ・マーケット
3日目 地下鉄・老圃(ノポ)駅
梵魚寺
 ○大雄殿(本堂)
 ○厨房&食堂


泊まったところ 釜山国際ホテル
食べたところ 大韓航空KE772 機内食
トリドン 焼肉
うまいよ キンパプ(ノリ巻き)&激辛ラーメン
渡辺家 刺身定食
萬金食堂 定食
名家 蔘鶏湯、ビビンバ


食べたもの ホットク ロッテ百貨店裏のホットク店
おでん 老圃(ノポ)駅の軽食店


閑話 地下商店街
釜山市民と日本人
韓国のCoffee
釜山地下鉄の両替機
車のドアに「青いスポンジ」
電車内の傘の処し方
ダイソー・ジャガルチ店

1日目   出発編   今日の歩数=7,726歩  曇り
大韓航空KE772便

KOREAN AIR(大韓航空)KE772便。座席は、通路をはさんで両側にそれぞれ3席づつの配置。こんな小さな飛行機に乗ったのは、随分と久しぶり。週末のせいか、シートはかなり埋まっている。

さて、私と家人に振りあてられたのは、ビジネスクラスのすぐ後ろ。座席の前のスペースがやけに広く、ラッキー。しかし、程無く機内食が運ばれ、そのリスクを知った。本来なら前席の背中裏に装備されているテーブルを後ろの人が使うが、この席は前の席がないため、自分の左側・ひじ掛け部分に二つ折りに畳まれたテーブルを使う。テーブルの安定が悪く、トレイを常に押さえなければ、床に落ちてしまう。しかも、家人のテーブルが壊れていて、高さの平衡を保つため折り畳み部分にティッシュを差し込み、騙し騙し食べ終えた。
機内食

緑色のパスタ  ビールは韓国製MAX

鶏 ご飯はサフランライス
~釜山~
2012/10/20 ロッテ百貨店裏のホットク店

大人気のホットク@900w(約65円)

釜山到着後は、格安ツアーのお約束・免税店へ。免税店には、トント用のない私と家人。

「では、1時間後にここへ集合してください。」と現地添乗員・ソ・ウンギョンさんの「買物タイム宣言」を背中に聞いて、脱兎のごとく外へ飛び出した。目指す先は、ロッテ百貨店裏の行列。釜山でも大人気のホットク屋台なのだ。噂通り、長い列がロッテの駐車場の中まで続いていた。隣も同じホットク屋さんで、そちらは閑古鳥。ソ・ウンギョンさんによれば、当初「ここで働く若い男性たちがイケ面揃い」で、おばさま達のハートに火が点き、今は若者たちにも大人気なのだと。確かに、若い男性たちだけで店を切り盛りしているが、イケ面と言うのは微妙かも。とは、ソ・ウンギョンさんの私見。

処でソウルのホットクはナッツ類が中に入っていて、ここのホットクはナッツ類を上からまぶす。このナッツが、香ばしい。さらに、この店のホットクは黒糖入りでコクがある。それが、人気の一因。うまい。
2012/10/20 釜山国際ホテル

部屋は正面玄関の真上
山は釜山で横が釜山港

「釜山国際ホテル」は、釜山一の繁華街・西面に近く、交通至便。コンビニや飲食店が近く、足回りの良さは特筆もの。ロビーはゆったりと広く、高級感が漂う。しかも、フロント全員が日本語堪能。

建物自体が古いのは否めないが、悪くもない。部屋の掃除が行き届き、清潔だから。問題がひとつ。洗面台の底に常時水が溜まりっぱなしで、流れない。新築以来、修理もせずに今日まで堪り水となってきたのだろう。 白いはずの部分が、茶色く変色していた。加えて冷蔵庫の中のウェルカム・ドリンクは、2人で1本。「昔の高級ホテル」と言った誰かの言葉が、頭をよぎる。

さて、韓国の大ヒット映画「チング」。映画の舞台となったホテルと、主演俳優・チャンドンゴンが死んでしまうシーンを撮影したのが、このホテル前の道路。ホテルの隣には、映画の中で主演2人が絡む有名なシーンの舞台となった国際ナイトクラブがある。


トリドン=1日目の夕食を摂った店
名家=2日目の夕食を摂った店
2012/10/20 トリドン

牛肉カルビ、豚カルビ、牛三枚肉

夕飯・・・釜山第一食目。

まずは、ホテル前の飲食店へ。 現地添乗員・ソ・ウンギョンさんに寄れば、この店は韓国映画「チング」の撮影時、スタッフが通った店。入口右脇の靴箱に、靴を収納し板敷の店内へ。客筋は、ほとんどが地元の人たち。大繁盛。

座るなりすみやかに、中年のおばちゃまがメニューを持ってきた。思案の私たちに、おばちゃまがメニューの3か所を指差して言った。 「イチマンハッセン。」。・・・18000?家人と顔を見合せていると、おばちゃまが被せるように言う。「OK?」。メニューの3か所を指でなぞり「イチマンハッセン?」と確認する私。3か所とは、牛肉カルビ、豚カルビ、牛三枚肉。値段をみても牛カルビだけで@15000もするのに、3種で18000ってありえないような安さ。

まもなく、一枚の皿に盛リ合わせた注文の肉がやってきて、店の若いお兄ちゃんが鉄鍋に全部を乗っけて行った。出来れば鉄鍋で焼くよりも網焼きがいいのだけれど。追加で家人にご飯を1膳、私に焼酎をひとつ。韓国の飲食店では、酒類はたいてい瓶で出てくる。で、「下戸の家人の食べるペース」に「私の飲むペース」が追いつかず、焼酎が半分ほど残ってしまった。勿体ないので、店の承諾を得て、ホテルへ持ち帰ることにした。店員のお兄ちゃんは日本語がなんとか通じ、おじさまたちが酔いのまわるほどに大きな声を張り上げるたびに、身を縮めて「すみません。」と私たちに謝った。楽しいお酒で、何より。

私と家人がほぼ食べ終えた頃、宴会おじさまの1人が入り口のコーヒーマシンに張り付いて、同伴者たちのコーヒーを人数分せっせと運びだした。 コーヒーは、無料サービスだ。 やがて、後ろに立っているツレに気づいたおじさまが、私たち2人分のコーヒーも入れてくれる大サービス。 酔いがまわって、ハイテンション気味。

さて、支払は35000w(約2450円)。韓国の常で、飲食店での明細はない。内訳を想定してみる。
牛肉カルビ@15000w、豚肉カルビ小@5000、牛三枚肉@6000×1、ご飯@1000w、焼酎@3000w。 ととと、計算が合わないなぁ。注文とりのおばちゃまの「イチマンハッセン」、あれは何だったんだ? ひょっとして、日本語の数字読みを勘違いして覚えているのでは?

翌朝、ホテルの玄関前で昨夜の店のお兄ちゃんに出会うと、顔を覚えていて日本語で挨拶をされた。 とても感じがよい。覚えていたのは、焼酎小瓶の残りを持ち帰ったから?
2日目   釜山タワー→ジャガルチ市場 編   今日の歩数=26,495歩  晴れときどき雨
2012/10/21 うまいよ

キンパプ(ノリ巻き)@1500w(108円)



激辛ラーメン@2000w(143円)

早々にホテルを飛び出し、最寄りの地下鉄駅へ向かう。途中、営業中の早起きキンパプ屋さん発見。客の多くは、出勤前や通学前の地元の人々。TakeOutで、忙しそうに立ち寄っては去っていく。

ここはキンパプ専門店。元祖のキンパプをオーダーした。普通、キンパプは海苔の上にごま油を塗り、ぱらぱらと白ゴマをまぶすが、ここは白ゴマなし。

家人のオーダーは激辛ラーメン。丼を覗けば・・・。激辛ラーメンって、インスタントラーメンのことだったのか。ものも言わず、麺をすする家人。 韓国では軍隊の食事から普及した部隊鍋(プデチゲ)と言うインスタントラーメンの鍋料理が、巷の飲食店のメニューにあるそうな。ラーメンを注文してインスタントラーメンが出てきても、なんら不思議はないのかも。韓国滞在中の食事回数は限られている。「釜山まで来て、インスタントラーメンを食べなくても。」。やっちまった!という感じ。

日本ではウチご飯のインスタートラーメンが、この国では外ご飯。これこそが、韓国・庶民の食文化の一端を知る旅の楽しみのひとつに他ならない。・・・と、日記には書いておこう。
凡一洞(ボミルドン)駅周辺

凡一洞は、市場が多いことで有名。歴史の古い釜山鎮市場など3つの大型市場は、庶民の台所としてバリバリの現役であり、昔ながらの釜山の姿を今に残す。

大通りから横道を覗くと、金物屋や部品屋やらが軒を連ねる。商品は、新品と中古品の商品が混在していた。とその時、近所の人とおぼしき男性が何かを持ち込んできて、店の人は慣れた手つきで客の目の前で修理に取り掛かった。日本は、いつからか修理はメーカー送りが常となった。近頃、ついぞ見かけなくなった光景に、過ぎ去りし昭和の日本が重なって見えた。

←写真中央に見える御仁は、同じホテルの宿泊客。夕べ、私と家人がエレベーターへ乗り込むと、閉じかけているドアに腕を差しこみ、こじ開ける様にして乗りこんできた。「今 白い、なんちゅうんだ?あれを、たぁくさん飲んできた。いやぁ、楽しい」。焦点の合わない眼、呂律のまわらない舌、まるで蕩けそうな表情。「飲み過ぎちゃった。では、おやすみなさい」。部屋へと向かうその足は、心もとない千鳥足。

翌朝 ひとりで市場を散策するその人に、ばったり再会。が、私達と視線が合っても、無反応で立ち去って行った。酔いが醒めた今朝、彼の中に私達の記憶はないらしい。私は知っている。あなたが、昨夜白い酒・まっこりをしたたかに飲み、幸せな気分に包まれて、 縺れる足でホテルの部屋に無事帰還した、あなた自身も知らない夕べのあなたを。
閑話
地下商店街

ホテルの最寄り地下鉄駅・凡一駅。

凡一駅のある地下鉄1号線には、ジャガルチ駅と隣駅の「南浦洞」駅を結ぶ「南浦地下ショッピングセンター」と言う長い地下商店街がある。この商店街では、約290店舗がひしめき、化粧品・靴・衣料品など様々な商品が販売されている。さらに、南浦洞駅と中央洞駅側には「光復ショッピングセンター」というロッテ百貨店へ直結する別の地下街が伸びる。2駅の間を雨に当たることも、夏の日焼けに悩まされることもなく、地下をショッピングがてら歩いて移動することができる仕掛け。スケールが大きい。昨日連れていかれた免税店「ロッテ百貨店」がある西面、ここにも400mにわたる地下通路に約300もの店が集まる人気の地下商店街「テヒョン地下商店街」があり、多くの人で賑わっていた。

「地下商店街をゆけば欲しいものは手に入る。」と言われるが、何故に建設費用も高かろう地下なのか。釜山は、土地が少ない。ために、人の集まる中心部の地下を活用した地下商店街が発展した、と言う次第。なるほど、生活の知恵か。





閑話
釜山市民と日本人

地下鉄・「南浦洞」駅地下のロッテデパート光復店前でのこと。「日本から来たの?」と、日本語で話しかけてきた気さくなオジサマ。にこにことした笑顔で、教えてくれた。 「ここの百貨店の回転寿司は、安くておいしいよ。」

思えば、釜山についた昨日から、何人もの町の人々に話しかけられた。ソウルも日本語が通じる地元の人の多さに驚かされたが、釜山はその比ではない。なぜ?ここは地理的に日本の福岡に近い。フェリーに乗れば、日帰りで釜山でのランチを楽しむことも可能なのだ。

釜山は、古くは豊臣秀吉の朝鮮出兵の足がかりともなった所。その後の朝鮮戦争。韓国側から見れば、決して喜ばしい事ばかりではなかったはずの隣国・日本との関係。加えて、この頃のぎくしゃくした両国関係。が、庶民レベルでは釜山市民は日本人観光客にとても好意的で親切だ。

政治レベルでの諍いがあっても、近い国は近くありたい。
2012/10/21 龍頭山公園
   
地下鉄・「南浦洞」駅から龍頭山公園や国際市場にかけての南浦洞と呼ばれる地域は、釜山有数の繁華街。メインストリートの光復洞はブティックが立ち並び、ソウルの明洞とよく似ている。このあたり、以前は釜山一の人気スポット。最近は西面周辺に人心が移り人気に陰りがみえてきた。

「釜山タワーへ行くなら、ぜひエスカレーターで。」とのネット口コミ発見。地下鉄「南浦洞」駅から光復路方向へ歩いて行くと、コンビニの横に緑の幌屋根つきエスカレーターが現れた。エスカレーターには、両脇を挟むように階段が敷設されている。つまり、エスカレーターは上りのみで、帰りは階段を使うしか選択肢はない。4本も乗り継ぐのに無料。

釜山では、山の頂上近くまでマンションやら一軒家が立ち並ぶ。そんな山裾に、これと同じ緑の屋根カバーをかけたエスカレーターが山頂まで連なる風景を、幾度となく目にした。エスカレーターに乗って帰宅する生活って、どんな感じ?

韓国の将棋

龍頭山公園は、修学旅行生や観光客でいつも大賑わい。1678年、今の釜山タワーあたりに「草梁倭館」が開館された。周辺に500人余りの日本人が移り住み、貿易や外交を行い大変な賑わいだったという。今は、公園内に佇む一枚の石碑だけが、過ぎし過去の栄華を物語る。

ベンチのそこここで、将棋盤を広げるおじいさんたち。いつのまにか、見物人が取り巻き、勝負の行方を息をのんで見まもっていた。吸い寄せられるように、そばへ寄ってみると囲碁の様に将棋盤の線の交差点に駒を置いている。日本は、四角い升目の中に置くのだが。 そもそも、日本とは駒の置き方が違う。駒自体も、日本将棋は相手と同じ駒を持ち、駒先の向きにより駒の主を識別する。が、韓国将棋の王様は、「赤の韓」と「緑の楚」。同じ役割の駒が、相手とは色も名前も違う。 駒が相手の陣地へ入り、裏返ってパワーアップすることもない。

勝負がついて、将棋の片割れが「負けちゃったよ。」 と苦笑いを含んだ穏やかな笑顔を私たち観衆に向けた。将棋とは言え、こんなに駒もルールも日本とは違う。
釜山タワー

釜山タワー

釜山タワーは、龍頭山公園のてっぺんに建つ地上120mのタワー。展望台からは、360度ぐるりと市内を見渡すことができる。展望代@4000w(約289円)。タワー1階や2階には、売店・カフェ・楽器博物館・文化遺産展示館などがあり、週末には各種催事で賑わうとのこと。

展望台からは、運が良ければ日本の対馬(長崎県)が見渡せるらしい。ジリジリと照りつける太陽は眩しいが、なぜか空はガスっている。
ロードモニュメント
光復洞を歩いたら、 国際市場入口の「アリラン通り」からBIFF広場あたりまで、可愛いモニュメントに遭遇した。右端のカメラを構えた像は、釜山映画祭にちなんだもの。
2012/10/21 BIFF(PIFF)広場

ここからBIFF(PIFF広場
このアーチの先は、ジャガルチ市場

BIFFとは、Busan International Film Festivalの頭文字をとったもので「釜山国際映画祭」の意。BIFF広場は、「映画の街・釜山」を象徴する市民の憩いの場所である。

「釜山国際映画祭」は、PIFFだったはず。しかし、釜山で入手したパンフレットも歩道に表記された文字もBIFF。その真相は、以前はPIFF広場という呼び名だったが、2011年に釜山国際映画祭の英語名称がBIFFに変更され、広場もそれに合わせて名称変更されたもの。広場に咲く「赤と黄の屋台のパラソル」。そのパラソルに踊る文字は、今もPIFFのまま。

広場の名の由来である肝心の「釜山国際映画祭」とは、毎年10月の第1週に10日間かけて行われる国際映画祭のことである。2011年に16回目を数え、70カ国300もの作品が公式上映されるアジア最大級の映画祭となった。今は釜山映画祭のメイン会場はBIFF広場ではなく、ビーチリゾート地として名高い海雲台(ヘウンデ)。が、映画祭の時期にはBIFF広場にも特設会場が設置され、盛り上がりをみせているのだと。

BIFF広場の象徴・歩道にある「映画祭関係者の手形」を、一枚づつなぞって歩く。沢山あり過ぎて、誰が誰やら。

焼き栗と銀杏の屋台

BIFF広場の名物・屋台フード。

ホットック、トッポッキ、キンバプ、おでん、たいやき、焼き栗、枚挙にいとまがない程に種類が多い。まさに、若者や観光客が垂涎のB級グルメ天国。中でも、釜山一の繁華街・西面でも、若者の街・光復洞でも見かけなかった「スルメなど乾物の店」が、やけに多い。

韓国では、昔から映画を観る時のおやつは、乾物のイカが人気。日本では、ポップコーンを食べながら映画を観るのが一般的だが。 なるほど、乾物なら噛んでも音が出ないから、映画鑑賞中にも、ガサゴソと音をたてず他の観客に迷惑をかけたりはしない。納得したり、感心したり。
2012/10/21 ジャガルチ市場

これは・・・なに?

ジャガルチ市場は、韓国最大級の水産市場。影島大橋下・乾魚物市場から忠武洞・早朝市場までの全部を指す。

1950年に勃発した朝鮮戦争時、当時の食料不足対策として、南浦洞にあった砂利畑に海産物の露店を出したのが、現在のジャガルチ市場のはじまりと言われている。ジャガルチとは、「砂利」という意味。

その後、政府と市とにより海を埋め立てジャガルチ市場の整備をし、1970年には地上3階建てのジャガルチ市場を開く。以来国内はもとより国際的にも人気の観光地として発展を遂げた。
2012/10/21 釜山ジャガルチマーケット

釜山ジャガルチマーケットは、ジャガルチ市場の象徴的な存在でここをジャガルチ市場と呼ぶことが多い。現在のビルは、2006年に建て替えられたもの。かもめが羽をひろげた様な特徴のある屋根は、釜山タワーからも容易に見つけ出すことが出来る。

<ジャガルチおばさん>
ジャガルチ市場で働く人々のほとんどが「おばさんたち」だったために、彼女らの全てを「ジャガルチおばさん」と呼んだそうな。ジャガルチマーケットの前に「手拭いで頬かむりをしたおばさん像」がある。
1階

1階は魚屋が奥まで続き、壮観!
場内にパッと花が咲いた。結婚式帰りとおぼしき正装の女性がふたり、スカートの裾を持ち上げながら市場内に入ってきたのだ。あまりの美しさに、思わずシャッターを切る。

韓国ドラマなどでよく見かけるチマチョゴリの襟は日本の着物にそっくりだが、この女性たちが来ている服の襟は洋服そのもの。これは、「改良韓服」や「生活韓服」と言われ、現代生活の中で手軽に着られるようにアレンジした韓服。ジャガルチおばさん達も、手をとめ息を呑み晴れやかな姿を見つめた。
渡辺家

市場では、1階で食べたい魚を買い2階の店で調理してもらって食べることが出来る。1階で魚代を払い、2階では薬味代として1人数千ウォンを支払うことになっているとのこと。

私と家人にとっての最大の壁は、他でもない1階で魚を買う時の値切り交渉。交渉どころか、金額を聞いてもチンプンカンプン。値切り交渉など、ハナっから無理な芸当。

     
刺身(ヒラメ&鮑)

直接2階の店へあがり、刺身を食べることにした。

数ある店の中、奥さまが日本人で日本語が通じる店があるそうな。その名「渡辺家」。刺身2品でひとり@15000w(≒1076円)。刺身の魚は、値の範囲ならば替えてもらう事も可能。聞けば、今日の刺身はヒラメと鮑とのこと。

ぷりぷりとしたヒラメの食感、堪らん。そして、鮑のコリコリとした歯ごたえ。ご飯は無料サービス。前菜は、白菜のナムル、白菜キムチ、枝豆、カボチャ、ふかしたサツマイモ、螺、豆腐、1本まんまの焼き秋刀魚、チヂミ。

通路を挟んだ席で、我らと同じ刺身定食を注文した若い外人カップル。当方はまだ刺身に舌鼓を打っているというのに、さっさと会計を済ませて立ち去った。あとに残されたテーブルを見れば、手つかずの刺身と前菜。口に合わなかったのか。

刺身を「おいしい。」と感じ、せっせと箸を運ぶ私達は、紛れなきアジア人。
萬金食堂

翌日も、このマーケットへ足を向けた。目的は、ビルの3階にある社員食堂。階下で魚を商っているジャガルチおばさん達が食べにくると聞いた。韓国版「サラメシ」。現地の人でも知らない人が多いディープな食堂だ。メニューは昼の定食(ヴァイキング形式)@5000w(≒359円)のみ。

欲の皮をつっぱらかして、山盛りにして皿に盛った。しかし、素材の違うキムチの種類が多く、一様に半端ではない塩辛さ。野菜サラダが一番口に合う散々な状態。これが、韓国の人々が食べつけている本来の味なのか。日本人と韓国人の味覚の違いを突き付けられた気がする。ギブアップ。

不思議なもの、発見。見た目は「まっこり」様の白い液体だ。昼間から嬉しいサービス。ぐいっと呑んだ。が、米飯のコゲを水で溶いたものらしい。とんだ糠よろこび。
閑話
韓国のCoffee

日本を出て2日目。無性にコーヒーが恋しい。雨宿りを兼ね、通りすがりのマクドナルドへ入った。

店内は天井が高くしかも広く、その広さを感じさせない客の入りに驚かされる。年齢層は、若いカップルや学生同士や中年のビジネスマン、家族づれ。マックではスタンダードなコーヒーが1杯@2800w(≒201円)。一方、巷の居酒屋で焼酎を飲めば350ml瓶で@3000w(≒215円)。日本では安いイメージのマックも、韓国ではお洒落な雰囲気を楽しむステータス的な匂いが漂う。余談ながら、釜山のスーパーでは、焼酎350ml瓶とミネラルウォーター500mlがほぼ同額の1000w(≒72円)~1200w(≒86円)。焼酎がバカ安だ。

注文したコーヒーは、砂糖の入らないブラックを期待しスタンダード。しかし、渡されたカップの中の液体は、砂糖とミルクがたっぷり入った甘味。そもそも、甘くないコーヒーなど、韓国では外人相手のホテル以外では存在しないらしい。マクドナルドも、しっかりと現地仕様だ。

韓国の人々は、どうしてこんなに甘いのが好きなのか。砂糖は、朝鮮戦争後に進駐してきた米兵が韓国に持ち込んだもの。戦争で疲弊し、食べ物にも事欠いていた韓国民にとって、砂糖は「裕福さを象徴する富の味」・憧れだったと言う。以来、韓国の人々はコーヒーにどっさりと砂糖を入れる。同様に戦後米軍の進駐下に置かれた歴史を持つ日本も、戦中戦後は砂糖が貴重品で滅多に口に入るものではなかったと聞く。が、「国民性とまで言えそうな程の砂糖への執着」が残らなかったのは、なぜだろう。

それはさて置き、ブラック・コーヒーが飲みたい。
3日目   老圃(ノポ)→梵魚寺(ポモサ) 編   今日の歩数=11,674歩  晴れときどき雨
閑話
釜山地下鉄の両替機

釜山の両替機
使い慣れた家人は、すっかりお気に入り♪

釜山生活も3日目、思いがけないアクシデントが発生した。地下鉄に乗ろうと財布を開けば、1000w札(≒72円)の持ち合わせがない。釜山では、地下鉄の券売機は1000w札しか使えない。

ソウルでほとんどの市民が利用している「T‐Mony」というICカード。先にチャージしておけばバス、地下鉄タクシーなどの交通機関決済が出来る便利なモノ。日本では、スイカのようなこのカード、釜山でも使用はできるが、釜山市内でチャージ可能な場所が数か所しかない。釜山市内の地理不案内な私たちがチャージ出来る場所を見つけ出すのは、至難のわざ。ソウルで多めにチャージしておけば良かった。

釜山で普及しているのは「ハナロカード」。しかし、今回は滞在日数が少ないので、カードを利用せず都度切符を買って済ませていたのだ。

困りはて地下鉄駅でキョロキョロしていたら、それに気付いたお助けおじさんが登場。「あそこに両替機があるから、両替してから切符を買うといいよ。」と日本語で教えてくれた。指さす先は、券売機から遥か離れた所。どうして、隣に設置してないのか。韓国でのICカードの普及率は日本以上。券売機は時代の波に押しやられ、いづれ消えてなくなる運命か。
~老圃(ノポ)~
2012/10/22 地下鉄・老圃(ノポ)駅

おでん(餅)釜山名物

ノボ駅は車庫があるため、地上に駅がある終着駅。長距離バスや市内バス発着の韓国交通の要である。

駅の売店でおでん発見。昨日の釜山駅では、身を斜めに差し込む隙間も無いほどの混雑で買えなかった、おでん。それが伏線となり、立ち食いおでんに食いついた。金額は?食べ方は?

大勢の人が入れ替わり立ち替わり1・2本を食べ、さっと立ち去っていく。それを観察する、私と家人。まずは、おでんを鍋から取り出して食べる。食べた串の数でお勘定。1本食べた人が1000w札を出してお釣りを受け取った。マネをして1本あたり1000w見当で払ってみるか。

売れ筋は餅。長く形づくったトッポッキの餅を串にさし、おでんツユで煮たものだ。もっちりとして、美味しい。これが、釜山でだけ食べられる名物。次は、練もの。以前ソウルの屋台では、煮過ぎて美味しい処がツユに吸い出されていたが、ここのは鍋に入れたばかりの串なので、ほどよい煮え具合。これが韓国おでんの本来の味なのか。美味。さて、支払い。ふたりで串が4本なので、例の概算で4000wを差し出した。釣りが600w。4本で3400w(≒244円)。支払い大成功。

隠れ技ひとつ。ながい串を先からかぶりついて行くと、手元近くの具が食べにくくなるので、鍋の近くに置かれた皿に乗っている使い捨ての簡易ポリ手袋でシゴけばいい。さっきの人がやっていた。そうこうしていると、ふらりと立ち寄ったお爺ちゃんが、鍋のツユを皿にとり、グイと飲んで立ち去った。ツユは無料でスープ代わりに飲むが、何にも食べずツユだけ飲んで行ったタダ飲み。店の人は、咎める風もない。儒教の国だから、お年寄りだけ許されるのか。
日本語通訳氏

目的地は梵魚寺。実は、1駅乗り越して老圃駅まで来てしまったのだ。まずは、ひとつ前の駅「梵魚寺」へ戻らにゃ。その時、「日本人ですか?」という声が背中に降ってきた。みれば、60歳位の男性。胸には「日本語通訳」と書かれたプレートが。行き先を聞かれ「梵魚寺です。」 と答えると、「ここからだと次の地下鉄駅(梵魚寺駅)で降りて、そこからタクシーかバスで行くことになるけれど、地下鉄@1200w×2名+バス@1200w×2名で合計4800wがかかるので、 2人ならまっすぐタクシーで行った方が安上がり。」と。

今までの韓国訪問で一度もタクシーに乗ったことのない私たち。言葉が話せない運転手さんとの密室状態は、気まずく苦手だ。通訳氏は躊躇う私たち2人を道路向こうに停まるタクシーに押しこみ、運転手に長々と交渉。梵魚寺のすぐ下まで3800w(≒272円)と値段交渉まで済ませてくれた。たしかに、公共交通機関を使うよりも1000wも安くて早い。通訳氏に感謝。
閑話
車のドアに「青いスポンジ」

釜山到着直後に訪れた免税店・ロッテ百貨店。ツアーバスは、VIP専用駐車場前を通り一般駐車場へ入ったのだが、通路幅は車1台がやっと通れる程度。反対側から車がやってきたら、互いに切り返しを繰り返し、いずれかが空きスペースを見つけ仮り入れするまで、それは続く。その間、車体をこすったりしないかと、どきどきはらはら。なんてったってVIP駐車場、どちらを向いても高級外車ばかり。それにしても、ワイルドでダイナミックな運転だ。「だから、車のドアに青いスポンジを貼っているのか。」と合点する私。

以来、街中を歩くと頻繁に目にする「青スポンジの車」。巷では高級車ならずとも、一般車にも「青スポンジ」は普通に貼られている。「こんなに運転が荒い国だもの、格好は悪いけど車を守るためには止むなしなのだろう。」と思った私は、読みが甘かった。この「青いスポンジ」の正体は、新車を販売店などに輸送する時のドア保護用クッション材。車を購入した人が、乗る前に取り外すのが日本人の感覚。韓国では「青いスポンジ」は新車である証。ステータスなのだと。釜山の「青スポンジ」率は、ソウルの比ではない。存外、見栄っぱり?
~梵魚寺~
梵魚寺(ポンモサ)

梵魚寺は、釜山の北部・金井山の麓に位置する静かな山寺。韓国五大寺院に数えられる禅寺の総本山である。

地下鉄1号線・梵魚駅から約3kmほど山道を登った所に位置するため、バスや車が一般的。が、山登りファッションできめた山女も多い。老若男女が、それぞれの体力と気分で登る、日本なら高尾山と言った所。色づき始めた木々の中を、歩く。山の緑、その息吹を胸一杯に吸い込んで、気分はすっかり森林浴。

梵魚寺は今から1300年前、新羅の高僧・義湘太子によって創建。こんな深い山の中で、寺名に魚の文字が入っているのは何故だろう。調べてみたら 「金井山の端にとても大きな石があり、その石の上には井戸があった。その井戸は、とても大きくていつも水が満々と満ち、黄金色だった。一匹の金魚が五色雲に乗って空から降りて来て、その井戸で遊んだことから、空の国の魚という意味を込めて、梵魚寺と名付けた。」そうな。

大雄殿(本堂)

大雄殿から溢れ、
裏口前でお詣りをする人々

この日は催事の後だったようで、大雄殿前に並べられた無数のパイプ椅子の片付け真っ最中。

目当ては「地球の歩き方」に載っていた「大雄殿の竜の天蓋」。にしても、お詣り客の何と多いことか。堂内から溢れて、横の出口で手を合わせる人も多い。参詣客の多くは、中高年女性。モンペ風のパンツをはき、小座布団2枚程度の長方形のゴザを敷き、その上で立ったり座ったりを繰り返し頭を下げる。韓国の参拝方法。「竜の天蓋は、どこ?」。出口からさりげなく覗いていたつもりが、堂内で拝んでいた高齢女性が私に気づき「中に入る様に」と手招き。成り行きで、堂中央へ押し入れられてしまった。頭を深々と下げて一心に如来様を拝む人々の中で、ひとり天井を見上げ天蓋を探す私。どう見ても、怪しい。家人が、心配顔で中を覗いた。

厨房&食堂

大雄殿から、往路とは別の道を下る。深い山々を眺めながらの散策は、世俗の喧騒を離れて心まで洗われる。

どこかの建物の裏手に出た。赤いバケツが沢山置かれているけれど、これはキムチ用か。その時、ワゴンを押したゴム手のアジュンマ(おばちゃん)が建物の中へと入って行った。そこは食堂。 中には沢山のテーブルが置かれ、その前に座る人々は信者か。にしては、メニューがどこにも貼られていない。

後日、調べてみたら、午前11時半から無料で食事をふるまっているのだと。ここの食事を頂いて帰ると「健康になる」と言われる。その時写した食堂内ホールの写真が、11時28分。あと2分で、健康になる食事が食べられたのに。惜しい。

食べ損ねた献立は 「白ご飯、白菜のキムチ、辛くない白菜のキムチ、海草のナムル、豆もやしのナムル、豆もやしのスープ」。こんな感じ。
閑話
電車内の傘の処し方

今日は終日の雨模様。傘が手放せない。この傘というヤツ、雨降りには必需品だが、使っていない所では極めて邪魔。

地下鉄の中、こんな風景に遭遇した。前に座る女性の足元に赤い傘が横たわり、スーツ姿のおじ様の足元にも折り畳み傘が置かれている。これが韓国流の正しい傘の扱い方か。

多少、傘が汚れたにせよ、どっちみち雨で洗われるから気にしないのか。思わずカメラのシャッターを切った。
2012/10/22 名家

蔘鶏湯(サムゲタン)@10000W(≒717円)



ビビンバ(スープつき)@6000w(≒430円)

最後の晩餐は、ホテル近くの店。

時分時ともなると、カラスのような黒い衣服を着たおじさま達が、ひとり又ひとりと店にやって来た。中のひとりが店主に笑顔で話しかけると、レジの下から出された熨斗袋を受け取り「まいったな。」とでも言う様に頭をかき奥へと消えた。今夜はここで仲間のお祝い会でも開かれ、祝儀袋を忘れてきたので、店主から分けてもらったのかな。

韓国と言えば「焼肉と蔘鶏湯」。蔘鶏湯はまだ未体験だ。話の種に、一度食べてみよう。「あっさりした味だ。」が、家人の感想。鶏の中に詰め込まれた米が、いい感じの鶏出汁おかゆに仕上がっている。完食。

お腹いっぱい。と息をついたら、店主と目があった。「チョギ(あのぉ)、コーヒー飲んだ。サービスだよ。」と指差す先には、コーヒーマシン。気さくな店主の人柄が垣間見える。

さて、支払い。私が渡した紙幣は、レジを通らず店主のズボンのポケットへ直行した。「24時間やってるから、又来てね。」。って、店の売り上げをポッケして、いいのかな。奥様に内緒の小遣いか。思わずにんまり。
4日目   帰国 編   今日の歩数=3,921歩  曇り
閑話
ダイソー・ジャガルチ店

買った物のひとつ
南瓜スープ@2000w(≒144円)

今日は帰国日。早朝に格安ツアーの常・土産店へ。眠い目をこすりながら、店の中へ入って驚いた。昨日、雨宿りで入ったダイソー・ジャガルチ店で買ってきたのとパッケージまで全く同じ商品がずらりと並んでいた。ダイソー価格の8~10倍の値札をつけて。

ダイソー・ジャガルチ店は、地下鉄1号線ジャガルチ駅・7番出口から地上へ上がり、真っ直ぐ歩いてロッテリアが見えたら、そこを過ぎてすぐ左にある。南浦洞の繁華街に位置し、売り場面積のなんと広いこと。客も多い。1階は化粧品と日用品と玩具。2階がキッチン用品。3階が園芸用品。ちなみに、カラー別にそろっている豚の貯金箱@2000w(≒143円)が、土産として人気。

珍しいものを探して店内を歩いていたら、若い男性店員が日本語で話しかけてきた。「これ、日本人の友達が美味しくて好きだと言ってましたよ。」 日本に住む日本人の友達と、よく話をするのだと。福岡を訪れたこともあるそうな。

韓国に来たら、まずはダイソーを覗くべし。韓国独自の品々などもあり、見るだけでも楽しい。そして、土産物店並みの商品が安価で手に入る。
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