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2010年 台湾旅行記

台北&基隆&淡水

10/03/08~10/03/11 札幌⇔台北  大人2名

日程   直行便で行く台北3泊4日
経費   大人2名  レートは100円=30台湾元

ツアー料金(サーチャージ込み)
航空券&ホテル代金&一日観光&昼食1回つき
(39,800円+930円入国所税)×2=81,460円(≒27,200元)
空港駐車料金 1,700円(≒567元)
食事代 (≒4,200円)1,373元
交通費 地下鉄代&汽車賃 (≒1,236円) 412元
海外旅行保険(2人で) 3,370円(1,123元)
雑費 (≒3,000円)1,000元
総計 31,675元 (94,966円)

旅程 (○はツアーに込みの観光)
2日目 保安宮
孔子廟
お茶セミナー
中正記念堂
澎湃超市商品有限公司
梅子餐廰にて昼食
忠烈祠
故宮博物院
台北站
龍山寺
華西街観光夜市
3日目 基隆駅
中正公園
淡水
紅毛城
4日目 閑話・まとめ


泊まったところ ●ニューワールド新仕界
閑話 ●「全家」って、なぁに?
●時差を忘れてた騒動
●参拝の手順
●MRT(地下鉄)
●台湾の交通事情
●台湾ハンバーガー&香菜

1日目
乱気流。30分遅れで台北に到着。
ニューワールド新仕界大飯店

地下鉄西門站より徒歩5分

格安ツアーで、ホテルはDランク。台北駅から少々離れるが、地下鉄の駅から徒歩圏内が有難い。 途中に銀行あり眼鏡屋ありコンビニあり。ちょっとローカルな商店街。

ホテルは古いが、そこそこの建物。このランクにしては悪くない。 日本語が出来るフロントスタッフもいて、思いのほか快適だ。 しかし、建物に入るとぷ~んとすえた臭いが鼻をつく。 「台湾は臭いがねぇ。」と出発前に聞いていたのは、これだったのか? 何日も干しっぱなしにしたタオルの様な臭い。高温多湿の台湾ならでの臭いなのか。 しかし、ほどなく臭いにも慣れた。人間の順応能力は、素晴らしい。

さて、部屋のカードキーを受け取り、エレベーターに乗ろうとしたら、そこに一枚の貼り紙が。 「当ホテルの向かえの○と●という2店のマッサージ店と、当ホテルにお泊りになったお客様との間にトラブルが発生しております。 当ホテルと○および●は一切関係がございません。」 ガイドさんが、言っていた。このホテルに泊まった20代の女性2人が向かえのマッサージ店で全身マッサージを受けた。 最初は女性従業員が施術に当たっていたのに、いつの間にか男性に変わりセクハラをされたのだと。 その後、警察に被害届を出したが、未だに営業を続けているのが怖い。このあたりは比較的 治安が良い方。それでも、こんなトラブルが目の前に転がっている。台北という街が持つ顔の一面か。
閑話
「全家」って、なぁに?

全家

ホテルに着いたら、時計は午後9時を回っていた。明日は、朝が早い。 夕飯をゲットして早く寝よう。と、ホテル近くのコンビニへ出かけた。

店内に足を踏み入れるなり、漢方の臭いが鼻をつく。臭いは、煮玉子。 茶色い汁に浸った殻付きゆで玉子が、昔の炊飯器の様なモノで保温され、レジのそばに置かれている。早速、購入してみた。この煮玉子は、台湾ではどこでも売っているコンビニ定番メニュー。殻を剥いて食べるので、味はゆで卵に少し醤油味がついている感じで、違和感はない。最初は気になった臭いの方も、じきに感じなくなった。

私が訪れたコンビニは、「全家」。日本でもお馴染みのコンビニで、台北の街のあちこちに展開していた。 ヒントは家。解るかな。答えはファミリーマート。
2日目
閑話
時差を忘れてた騒動

滞台2日目は、1日ツアー観光。

9日 7:30分、ホテル一階ロビー集合。前夜、家人が携帯の目覚ましを1時間前の6:30分にセットした。これで万全。

さて、夜が明け目覚ましが、けたたましく時を告げた。 私は半分夢の中。取りあえず、身支度に取り掛かるとするか。 と、その時、家人が言った。 「なんだこれ。あ、携帯の時計を台湾の時間に合わせるの忘れてた。」 時差は、日本より台湾は1時間遅いから今、5:30分。1時間も早く起こされちゃったのか。 2度寝するには時間が足りないし、暇だ。
●1日観光●
10/03/09 保安宮

保安宮は、1742年に創建された台北では最大級の廟。 ご本尊は「保生大帝」という医療と長寿をつかさどる神様。 連日病気回復と長寿を求める参拝者で賑わう。入場無料。

屋根が平らなのが中国式、弧を描き撓っているのが台湾式なのだそうだ。 撓んでいるので台湾式。 その上にある龍の足の指、一般が3本でお寺が4本、皇帝だけが5本。 ここの足は、4本だ。ちなみに、ラーメン丼の龍は3本。キリンビールの龍は、何本だ?

雑学をもう一つ。 台湾のお寺には大抵入口の右手に龍、左手に虎がある。 保安宮でも、♀の狛犬の横に龍のレリーフが、左の♂狛犬の側には虎が描かれていた。 台湾では「龍から入り虎から出る」と言うことわざがあり、そうする事によって災いを払ってくれるのだそうな。 十二支の中で、虎が一番のワルモノという立ち居地。 「虎から入ると大変な事になりますよ。」というガイドさんの言葉に従って、龍の口からそっと足を踏み入れた。
10/03/09 孔子廟


儒教の創始者・孔子を祀った廟。入場無料。

台湾各地に存在する孔子廟。中でもここは、学問の神様の総本山。 孔子廟内で勉強をすると合格するというジンクスがあり、受験前は学生達でいっぱいになるのだとか。 ただ、台湾の受験は日本とは違って、秋。この日は雨のせいもあり、閑散としていた。

孔子廟の中は、見事な朱色。写真正面の台座は、大理石である。 廟内の上に、大きな鐘が吊られていた。思わず手を伸ばそうとしたその時、旅行者の男性が鐘を撞いた。 突風の如く飛んできた関係者が、顔を真っ赤にして怒鳴る。私も思わず、件の男性と一緒に頭をさげた。
閑話
参拝の手順

廟内にある神杯

お御籤の棒


御籤棚


良くないお御籤は炉で焼却

台湾式参拝の手順

①露天や寺の入り口で、お供えを買う。素麺、煎餅、果物、菓子、花など。
②本殿の前のお供え台にお供えをそなえる。
③線香に火をつける。(台湾の線香は、棒の先についていて、花火の様に長い。 これは、普通お参りしている時間が長いため、線香を絶やさない様に。)
④線香を鼻の高さに持ち祈る。
⑤男性は左手、女性は右手で、香炉に線香をたてる。
⑥廟内にある神杯を二つ手に取り、両手で包み、名前・住所・年齢・願い事を神様に伝え、下へ投げる。
  表と裏の組み合わせが出るまで投げ続ける。
⑦御神籤の棒を引き、棒に書かれた番号を覚え、再び神杯を投げ表と裏の組み合わせが出ればよし。
  出ない時は、1日3回までOK。
⑧棚から番号の御神籤をとる。

日本では、大吉が出たら持ち帰る。大凶など芳しくないものが出た場合は、神社の木の枝にゆわえてくる。 台湾の場合は、良い御籤は持ち帰り。悪いのは廟内にある炉で燃やすか、1カ月以内に焼却すればよい。 ちなみに、御神籤はほとんどの所で無料。これが、思いのほか楽しい。
10/03/09 お茶セミナー

87歳の大先生が実演

台湾観光ツアーで、お約束の「お茶セミナー」。

事前にガイドさんが、くどい程に繰り返した。 「今行くお店では、お茶の大先生がおりますので、まず皆さん拍手してくださいね。 拍手をとても喜びます。87歳ですが、とてもお若いです。 プーアル茶を飲んでいるせいでしょうか。」

店内に足を踏み入れると、ベストスーツに身を包み、お洒落なメガネをかけた中年女性がつと傍に寄って来た。 皆さん、私ではなく後ろの写真を見て下さい。」。 写真はお茶の製造を順に説明したもの。 と言う事は、この人がお茶の先生?87歳?どうみても50代か多くても60代。

姿勢もよく、話す言葉も明瞭な日本語だ。 「皆さん、日本のお茶は発酵しておりません。台湾のお茶は発酵しているんですよ。 ウーロン茶は、発酵を途中で止めたお茶です。だから、体にいいんですよ。 では100%発酵させたお茶は何ていいますか。目茶苦茶です。 ガッテンしましたか?合点、がってん。」といった調子。 あちらでもこちらでも、財布を開き始めた。 しかし、1本@1000円で10本買えば5本サービスって、本当の単価はいくらなの。

大先生が87歳ならば、お茶よりもその若さの秘訣の方にこそ。興味津津。
10/03/09 中正記念堂

正面の白い建物が中正記念堂

1980年に蒋介石の功績を記念して建立。 八角形の瑠璃瓦が特徴で、白亜の基台の階段は蒋介石の享年と同じ89段。 1階ロビーには蒋介石の生涯を解説したパネル・遺品が展示され、蒋介石記念室などがある。

1階からエレベーターで上階へ上がり、蒋介石像へ直行。蒋介石が向いているのは、中国の方向なのだそうな。 望郷の念が、ひたと伝わってくる。

蒋介石像の両脇を固めているのは、兵役中の20代一般男性。 まるで、人形のように同じ姿勢で立ち尽くす。 傍へ行って、眺めたり写真を撮ったりする観光客。 そんな時も、眉一つ動かしはしない。 1時間の間、この同じ姿勢を保ち続ける。 私なら、5分も保ちそうにないが。 ガイドさんによると、ここで任務につく若者は容姿の点でも選別されており、向かって右の方が男前なのだそうな。 しかし、それでは左の人が可哀そうなので左も写真撮影して下さい、とのこと。違いが解からないが。

台湾で義務付けられている兵役期間は1年。 しかし、昨年3月の議会において10年以内の廃止が決定された。
10/03/09 中澎湃超市商品有限公司(民芸品店)

故宮博物館所蔵の「翡翠白菜」
(大きなレプリカ)

店内は、ひとめで一望出来る広いワンフロア。装飾品・民芸品などが展示され、セレブ感が漂う。

時間を持て余した私と家人は、試食コーナーをうろうろ。 台湾の名産はパイナップルで、中でもパイナップルケーキが人気なのだと。

男性陣の多くは、早々にスイーツ周辺を切り上げ珍味コーナーあたりを徘徊。 同じバスで来た男子大学生の1人が、試食を口に放り込み「うんめ。」。傍にいた友達も「なまら、うめ。」 。「なまら」は北海道弁で「とても」とか「凄く」という意味。 うめぇ物の正体は、アルミ紙の包装を施した小さな正方体の小エビ味の珍味。値は張るが、「うんめ。」
10/03/09 梅子餐廰


お昼は梅子餐廰。 長年にわたりトップクラスの台湾料理レストランとして君臨してきた「梅子餐廰」。 経営者の奥さまが梅子さんなのだろう。

我がテーブルはツアー仲間の11人で、オール日本人。 男子大学生5人組と彼らとは全く面識のない他大学の男子大学生4人組と私と家人。 大学生のグループが多いのは、卒業旅行だろうか。若い大学生2グループに混ざりこんだ私たち、 まるで、学食のテーブルに着いた様な雰囲気。

最初の料理が到来し、後は次から次と登場する大皿料理を11人で黙々とやっつける。 さすがに、大学生たちは食欲旺盛。しかも早食い。 つられて、日頃はしたこともないご飯のお替りまでして、気がつけば満腹を通り越して苦しい。

麻婆豆腐・キャベツと牡蠣の炒め物・白身魚の煮つけ。 いづれも、日本人好みの味付け。ちなみに、杏仁豆腐は別料金で@50元。日本円で約170円位。
10/03/09 忠烈祠

忠烈祠



忠烈祠は、民国革命や抗日戦で命を落とした兵士のために造られた建物。 大門をくぐると、真っ白な石畳がまぶしい広場と、赤い屋根が美しい大殿がぱっと視界いっぱいに広がり、感嘆の声をあげた。 大殿の何と大きいことか。警備に立つ2人の衛兵が、まるでおもちゃに見える。

忠烈祠で有名なのが、衛兵交代。
陸、空、海軍の選りすぐりエリート衛兵が、交代で大門と大殿の守護を担当する。 青い制服の兵士が空軍、白い制服の兵士が海軍、グリーンの兵士が陸軍。今日は青い制服なので空軍か。 中正記念堂の衛兵同様に、ここでも任務中の1時間は微動だにせず、瞬きすらも控え目。 大殿に到着した儀杖兵隊は、任務に当たっていた衛兵2名と合流し、殿内の位牌に向かって敬礼。 銃を交換したり、バトン様に回したりして一連の儀式を終え次の担当者2名を残し、又5名の隊列を組んで大門へ戻って行った。 無事交代式を終えて儀杖兵が去った後には、観光客のホッとした様な感動した様な小さな溜息が、そこここから漏れた。
故宮博物院

待望の故宮博物院。滞在時間は30分。

ガイドさんと一緒に、はしる 走る。 まずは、故宮博物院の展示品中、最も人気の高い2大文物「肉形石」と「翠玉白菜」。 そのため、2点は同じ場所に展示されている。

①翠玉白菜・・・半翠半白の微妙な色合いと輝玉独特のつやを利用して、白菜とキリギリスを巧みに彫りあげたもの。 白菜は清廉潔白を、キリギリスは子孫繁栄を象徴する。
②彫橄欖核舟・オリーブの種(長さ3.4cm、高さ1.6cm)に、川船が彫られている。 驚いたことにこんなに小さな扉が開閉する。
③肉形石・・・・・豚の角煮そっくり!しかし、石である。 表面には1つひとつ毛穴まで見える。

いずれの作品も精巧にして緻密。見惚れてしまった。 「全部みるには3日はかかる。」と言われるのも、頷ける。

時間はあっと言う間に過ぎ、大急ぎで集合の場所へと向かう。 と、階段で家人の知人に遭遇した。 知人は、北海道在住・日本人。実は、この日の最初の訪問地・保安宮の前でも出くわした。 別の旅行社ながら、同じ観光ルートを回っている模様。 札幌市内でもばったり出会うことは滅多にないのに、こうして海外に出て何度も行き合うとは。
10/03/09 台北站

台北站
微風台北車站 (台北站2階のフードコート)


焼き蕎麦@100元 大湯麺セット@130元
ピータンと豆腐(セット内) お焼き

餃子@90元

台北駅は台北市の中心部にある交通の要。 駅周辺には、市内バスや長距離バスのバス停があり賑やか。 台北駅に足を踏み入れると、広い空間と高い天井が旅行者の緊張感をふっと解き放ってくれる。 2階部分には吹き抜けをぐるりと囲む形で、レストランやショップが立ち並ぶ。

昼食は、2階フードコートで中華料理。 7・8店のサンプルケースを覗いてみるも、写真ではぴんと来ないが。 まずは、餃子は外せない。それと、私と家人各々1品づつ。 これをセットにするとオカズ1品が付くと言うので1つだけをセットにした。 お焼きのサンプルが目に入り、注文する。

カウンターへ料理を取りに行くと、店員さんがオカズの入った小皿を並べたお盆を指し何やら一生懸命に問いかける。 身ぶり手ぶりの末、盆の中から好きな皿を選ぶようにと。 1つを指して「これは何。」と聞くと「ピータン」との答え。決定。

熱々の餃子を頬張ると、中の肉汁がじわっと口の中に広がる。 これぞ本場の餃子。美味い。麺に箸をのばすと、美味しいけれど、何か特有の香りが後を引く。何だろう。 で、家人の焼き蕎麦をちょいとつまんでみる。 こちらも同じ香りがして、しかも麺よりもっと強烈。

これは香菜というハーブの香り。香菜は地中海地方原産のセリ科のハーブで、シャンツァイと読む 。肉の臭み消しや、 中国料理やエスニック料理のサラダやスープ、ソースなどの飾りや風味づけによく使われるそうだ。 しかし、この香菜、独特の強烈な香りを放つため、好き嫌いが特にはっきりと分かれ、 好きな人は中毒のように食べたくなるのだとか。 ちなみに、中国や台湾に駐在員を派遣する時に香菜が好きかどうかを聞いてから決める企業もあるらしい。

いつの間にか辺りは客でにぎわっていた。 家族連れ・学校帰りの学生グループ・買い物途中のお1人様主婦などなど。 昼間、ガイドさんが教えてくれた。ここ台湾は、1日5食。 しかも、家事は男性の仕事なのだと。女性がテレビを見ている間に、男性がご飯の支度をするのだそうな。 「なので、私も料理は出来ません。」とすました顔でガイドさんが言う。 畢竟、外食が多いと。羨ましい様な。
閑話
MRT(地下鉄)

片道切符

フリータイムの1日。1日券やイージーカードは利用せず、都度キップを購入することにした。 まずは、料金表で行き先の料金を確認し、自動券売機の料金ボタンを押す。 次に硬貨を投入口に入れる。これで、切符が取票口から出てくるはず。 と、チャリンという音がした。慌てて取票口を覗くと、プラスチック製の青いチップが1枚そこにあった。 まるで子供のころに遊んだゲームのコインチップのよう。よく見ると表面に「metro」の文字が。 やっと合点がいって、自動改札機サイドにある青いチップマークにタッチすると難なく入場する事が出来た。

出札は、出口用の改札機にチップを投入すればよい。 利点は、使い捨てのキップと違って何度でも使用に耐えるところ。エコ。
10/03/09 龍山寺

外壁上には沢山の提灯が

1737年に建立された、台湾で最も古くて有名な寺。総面積1800余坪で、正殿を囲むような回の字の構造が特徴的。

お寺についたのは、午後7時を回った頃。 寺の周囲にはずらっと提灯にあかりが灯り、大勢の人がいずこからともなく湧いてきて、まるでお祭りの様だ。

まず、右手に龍の張子、左手に虎の張子が待ち構えていて、その下を人々が手を合わせて潜り抜けていく。 ここでも、龍から入り、虎から出る台湾参詣のセオリー通り。 龍の右手には水屋があり、そこでお供物の果物などを洗い皿に盛って準備する。 と、後ろから来た若いカップルをみやれば、女性は手にした梨を口へ運び食べていた。これも供養か。

何も用意のないまま訪れた私達は、入口の売店で線香7本セット(@10元)とお供えのお菓子(@30元)を購入。 一旦お供えをし参拝を済ませた後、供えた物を持ち帰って皆で食べるのが一般的。 菓子の味の方は「落雁に似て非なるもの。」というのが、家人の感想。

龍山寺の参拝手順   用意するもの:線香7本&ロウソク2本&お供物(入口の売店で販売している)
①向かって右の龍門より左足から門の敷居を踏まない様に注意して入場する。
②三宝仏→本殿→文昌帝君→水仙尊王→媽祖娘娘→往生娘娘→関聖帝君→月下老人→三宝仏(おみくじ)
順にお参りし、その都度1本づつ線香を香炉に立ててくる。
10/03/09 華西街夜市

龍山寺から徒歩10分程。 台北でも最も早く発展したエリアの一つで、日本の戦前の街並みが残り、懐かしい雰囲気が漂う。 台湾の夜市で有名な士林や饒河は野外式で屋台だが、華西は常設店舗。

最大の特徴は、少々怪しげな店・蛇料理屋やすっぽん料理店が立ち並ぶ。 蛇などは、店先で裂き生き血を売っていたりもする。 昔の花街の名残が、今に残っているような。

飲食店の店先には、椅子とテーブルが置かれ、仕事や学校帰りの人達、家族連れが気軽に食事を楽しんでいた。 見るともなしに視線をやれば、料理の容器はカップ麺の様な使い捨てで大きさも小ぶり。 先程、台北駅で食べたのと比べると量は半分ほど。

華西街夜市と交差する道の道路際には、屋台が立ち並ぶ。 勿論、違法。取り締まりが来たら、一斉に逃げる。 残念ながら、その現場に遭遇することは出来なかったが。 とはいえ、どの屋台もほとんどは価格がしっかり表記されていて、外国からの観光客には有難い。

この道の外れに人だかりがあった。 近寄ってみると店先へ突き出した台に、焼きたてのパンが所せましと広げられている。 台湾の人々は、日常の品物を夜市で調達するそうで、スーパーは人気がない。 その売れる事ったら、大繁盛。子供づれや主婦が楽しそうに買い求めていた。
閑話
台湾の交通事情

その1

台湾の街に着き、びっくりしたのがバイクの集団。 信号が赤に変わるや否や、車列の先頭にいずこからともなく湧いてきて、横断歩道の前後に横の隊列を作り、 青信号とともに一斉に走り出す。

ちなみに台湾は右側通行。 バイクが左折しようとすると、まず、信号が変わったら直進により向い側に渡り、 直角に向きを変えて歩道前の車道スペースに並び、次の信号で直進する。 左折するには、2度信号を渡ることになる。バイクとは言え、スクーターみたいなもの。 しかも50cc程度の小型なので、 交通法規も自転車と同じ様に考えれば良さそうだ。 写真・歩道前のバイク群が信号待ちをしている所が、左折のために信号を渡り向きを変えた人たち用に設けられたスペース。 そう言えば、自転車は旅行者をのぞけば、とんと見かけない。

歩道で信号待ちをしていたら、バイクが乗り上げてきて、思わずのけ反った。 例によって左折のための方向変えで歩道に乗り上げてきたバイクたちだ。 それにしても、何と堂々としていることか。 どこからバイクが突っ込んでくるやもしれない状況に不慣れな私は、たじたじで命がけ。 悠々と道を歩けるようになるには、慣れが必要。

その2

数字が表示されている所に本来は赤信号が点灯し、青信号になると赤信号の部分が青信号の残り時間を表示する。 いつ赤に変わるかとひやひやしながら信号を渡る私には、渡り切る時間と青信号の残り時間との目測が出来て、 精神衛生上なかなかの優れものなり。

もう一つ、歩行者信号の動画。青信号の歩行者の絵が静止画から、上体を前に傾けて大急ぎで渡る動画に変わる。 その姿が、とても可愛い。

信号と言えば、北海道の信号は赤と青が縦ではなく、横に並んでいる。 積雪で青信号が隠れてしまわないように。雪国ならではの工夫。
3日目
10/03/10 基隆駅

駅裏山に「KEELUNG」の文字が!
まるでハリウッドのよう


駅の前には基隆港が!

待望のフリーDay。

「横浜と香港を合わせた様なエキゾチックな雰囲気の港町」基隆。

台北から電車で40分ほどで、基隆に到着。映画撮影にも使われ、日本で大人気の観光地・九分への通過点でもある。 とは言え、私たちはこの町を目的にやってきたおそらく珍しい観光客。 ここは雨が多いことでも有名だそうな。

基隆駅に降り立つと、駅の後ろの山に「KEELUNG」(基隆)という文字を発見。 神秘の香りが、一帯に漂う。

駅前にはロータリーが広がり、その先は海。 歴史を紐解けば、日本統治期は石炭の積み出し港として栄え、大戦後は日本人引きあげ船がここから出港したという。 現在の基隆は、コンテナクレーンがそびえる台湾有数の貿易港である。 港に佇めば、異国情緒あふれる景色にしばし時を忘れる。まるで、横浜にいる様な。

ちなみに、ここには廟口夜市という常設屋台の人気ナイトマーケットがある。
閑話
台湾ハンバーガー&香菜

駅に降り立つなり、エキゾチックな港の風景に遭遇した。

足の向くまま気のむくまま、商店街をうらうらと歩く。 この街は、夜市がたつ。そのため、どの店も朝の始動はとても遅い。 昼すぎだと言うのに、まだ準備中だったりシャッターを下ろしたままの飲食店が目に着く。 と、店先で何やら湯気の立つ店を発見。早速 近寄ると、炊きあがった雑穀の上に大きめのウインナーが横たわる。 これは、何?横に目を転ずれば、白いハンバーグ。 台湾のファーストフード・割包だ。 白い饅頭の様な生地に醤油と砂糖で煮込んだ豚バラ肉、ピーナツの粉、高菜、香菜などを包んだものである。

テーブルに椅子が上がった開店準備中の店奥は、楽屋裏的な感じ。 店の女性は、何とか日本語での意思疎通が可能。

割包は@30元(≒100円弱)。商品名は刈包。 割包とどう違うのか解らないが、中身は全く同じ。 白い生地がもちもちと美味しい。中の豚肉は歯に触れただけで崩れんばかりに、ふわふわと柔らかい。 そして、あまい。何口か食べ進むうちに、やはり気にかかる香菜の香り。旨い。 しかし、香菜は馴染めない。子供の頃から培ってきた味覚の違いなのだろうか。
中正公園

正門

刈包の店前、長くて急な階段があった。 木々の梢の間から、中正公園の白い門が見え隠れする。

台湾では、中正公園という名の公園が各地にあるが、中正とは「蒋介石統帥」のこと。 ここは基隆港の南側に位置し、基隆港が一望出来る景観と大観音像があることで有名。 九分への途中に立ち寄る観光客のほとんどは、大観音像が目当て。 しかし、山から見える港の景色は特筆モノで、多数のクレーンがそびえる港を眺めていると、思いは海の果ての異国へ。

正門をくぐり、山道をとぼとぼと歩いていたら、歌声が聞こえてきた。 声の出所は、公園の敷地内にある幼稚園。日本の演歌にそっくり。 日本統治時代の名残りだろうか。耳慣れた旋律は、なんとも懐かしい。

中正公園は公園というには、あまりに広い。 文物館あたりはとても見晴らしが良く、大観音像が手にとるように見えるのだが、一向に到着する気配がない。 結局、アップダウンの山道を辿ること20分あまり、やっと大観音像のある大仏禅院前についた。
大観音像

大観音像

大観音像は、台湾5大仏像の1つ。高さ22.5メートルの白い観音像である。

神戸からの年配の男性グループが日本語ではしゃぎながら観音様と記念撮影をしていた。 ここへ来る観光客のほとんどが、駅からタクシーでやってくる。 山道側の駐車場でタクシーを待たせての観音様観光が一般的なのである。

取りあえず、観音様の足元をぐるりと回ったら、内部への入り口を発見。 そっと中を覗くと管理人らしき年配の男性が机に向かっていて、 上に向けた掌を上下にひらひらさせて私達に「上がるよ。」と日本語で言った。 「入館料は?」と見回したら、もう一度「上がるよ。」と。 お言葉に甘えて、上がるよ。

観音様の中は5階構造、狭くて急な階段が続く。 各フロア、といっても狭いスペースだが、壁には華麗な仏様のレリーフや彫像が飾られていた。 どれも精巧な細工が施されている。 上階に行くと、観音様を囲む弟子か信者らの姿が彫られたものも。 キリスト教における聖書のように、観音様の誕生から経典流布までを表わしているのかもしれない。
淡水
10/03/10 淡水

海辺の美しい夕日

基隆から電車で台北に戻り、MRT淡水線に乗り、終点淡水駅で下車。所要時間は、台北駅から約40分。@50元。

基隆からの電車は地下を走るので、社内は薄暗い。 MRTに乗り換えると途中から車両はモグラの様に地上へと頭を出した。 MRTは台湾の地下鉄。本来なら地下を走るのが常識だが、台北駅で階層分けをして運行しているために 、台北駅あたりは地下鉄が地上を走ることになる。急にお日様が見え、時計が逆戻りした様な不思議な感慨がわいてきた。

淡水は海に沈む夕日が人気で「台湾のヴェニス」とも呼ばれている。 折からの曇天にも関わらず、駅のすぐ傍に広がる海辺は観光客やらアベックで賑わっていた。

基隆も淡水も港町だが、その趣はまったく異なる。 基隆は元気な商港というイメージだが、淡水は、ロマンチックな面影を残す、古き良き港町。 駅前の広場では、ストリート・ミュージシャンの若い男性が気持ちよさ気にギターをかき鳴らし、 広場の前には雄大な海のパノラマが広がっていた。
海辺

イカ足の揚げ物

海辺を海岸線にそって歩き、立ち並ぶ飲食店どを一軒づつ覗いてみる。 美味しそうな臭いが漂ってきた。臭いを辿って行けば「日本和風料理 花枝の焼」と書かれた看板の店。

「イカ足の揚げ物」大カップ@150元を購入。家人と2人で竹串にさして食べる。 それは、烏賊の足に衣をつけて揚げたモノ。イカ足ならば、随分と大きな烏賊だ。 しかも、身がほわんと柔らかい。味付けも塩コショウ+香辛料で、えもいわれぬ香ばしさ。 「うまい!」家人が言って、もくもくと食べ始めた。やめられない。とまらない。
駅前

鉄蛋(鶏卵の燻製)

駅から反対側の出口を出ると、商店が立ち並ぶ繁華街。間口の小さな飲食店が立ち並んでいた。 粥の店、麺の店、餃子の店。地元民相手の店で看板も店内の壁の品書きもオール漢字。 中へ入って注文するのは、ちょっと勇気が必要。

とある店で茶褐色の楕円のボールを密封した食品を発見。 女は度胸。身ぶり手ぶりで聞いた所によると、鶏卵の燻製 @100元。 後でガイドブックを確かめたら「鉄蛋」というもので「淡水に行ったらお土産に買おう。」と書かれていた。 普通の卵よりも2回りも縮まっていて、表面は固いが中は卵。卵の燻製。

駅前のメインストリートを歩くうちに、ひょいと迷い込んだ道。そこは、まるで夜市のようだ。

両側に立ち並ぶ店を覗き見るうちにふと足が止まった。 店先の台に盛られた銀杏。何て大粒なんだろう。銀杏の山の上には、計量した一袋が無造作に置かれていた。 表記によると100gで100元。凡そ300円位。これは安い。支払いを済ませたが、買った銀杏をなかなか渡してもらえない。 しかも、店先で店の人が顔みしりの他店の人と楽しそうに笑い転げているし、忘れられたのかと不安になり、身ぶり手ぶりで問うと、 店の奥の電子レンジを指さして「あと5分」とここだけ日本語で答えた。なる程、炒ってたのか。 手渡された銀杏は、ほかほかで栗のような風味。こりゃぁ、旨い。

臭豆腐

又また足が吸い寄せられた。「臭豆腐」の文字。@30元。 くさい豆腐?まさか、冗談でしょ。と興味のままに買った。

これ、なかなかの人気で店先の屋台前には、客が並んでいたのだ。 「こんなに人気なら、まずいはずはないだろう。」と思うのは、これはもう心理学の領分かも。 やっと順番が来てゲット。あぐんとかぶりついたら、駄目、こりゃいかん。残りは家人の胃袋に放り込んだ 。成程、「臭豆腐」は、その名の通り臭い。食べなれると、病みつきになるのだそうな。

阿給(アゲ)


筒仔米(RiceCake)

「臭豆腐」の隣に、B級グルメ食堂を発見。 「臭豆腐」を口にした後は、怖いものなど何もない。 と根拠のない強気で店内へ入って行った。

ここは豆腐と揚げの専門店。店先で販売し、店奥で食べることが出来る。 席について見上げれば、私らの後に店に入ってきたおじさまの手には隣で買った「臭豆腐」が。 持ち込みOKなのか。しかも、わざわざ「臭豆腐」。

注文したのは、写真の二点。RiceCakeの方は、もち米を蒸してプリン様に固めたものに、 甘めのデミグラスソースがかけられている台湾の伝統料理。 後をひく香菜の臭いが気になるが、もち米は断然美味。 「阿給」は、メニューの写真とは違う。正体は不明。 これも、RiceCakeと同じく香菜入りで、ソースの中に油揚げが入っていた。いづれも@35元。

何はともあれ、旅先で地元の人達が食べている物に出会う時、口に合おうと合うまいと、 旅の楽しみを大きくふくらませてくれる。
10/03/10 紅毛城

紅毛城

淡水と言えば、紅毛城から臨む淡水の夕焼け。 

紅毛城は、1629年、スペイン人により建てられ、1642年、オランダ人が改修。 さらに200年後のアヘン戦争では淡水が外国に開港されたため、英国領事館として使用された。 ちなみに「紅毛」とは、オランダ人を意味する。

入口から緩やかな坂を登って行くと、視界が一気にひらけた。 青々とした緑の中、赤い煉瓦の建物が美しい。 さながら、ヨーロッパの城の庭にタイムスリップしたような。 城の地下入口あたりでは、年配のご婦人2人が立ち話をしていた。 私と家人を見とめて「どうぞ、ここから入って下さい」。 流暢な日本語がその口から飛び出し、案内のボランティアさんだったと気づいた。

促されるままに、その横をすり抜けて中へ入ると、小部屋がいくつか並んでいた。 独房らしい。一体誰がどういう人を閉じ込めたのか?詳細は不明。 ちなみに、城内はいたる所に関連資料が展示されていて、博物館のようだ。 急な階段をのぼって、上の階へ。応接室やら厨房やら当時の様子が再現されて、興味は尽きない。

ところで、先程からずっと人影がちらちらと見え隠れしていたのだが、 2階へ上がったあたりで、壮年の男性がぬっと私と家人の前に立ちふさがり何か言った。 ここの施設で働く人に違いない。 その様子からおして、もう閉館時間という事かな。 了解!と先を急ごうとすると、「もう少しならいいよ。」という様に、手で私たちを押しとどめた。 有難い。お陰で、取りあえず内部を見ることは出来た。

帰国後、ネットで知った処によると、紅毛城は入場料が@30元。 内部の写真撮影は禁止。私たち、入場料も払っていないし、内部撮影までした。 入口のおじさまはスルーさせてくれたし、写真禁止の表示も見ていないのだけれど。 きっと、私たちが閉館時間のどさくさに紛れ込んだせいに違いない。申し訳なし。
4日目
閑話・まとめ

自由時間が少ない今回の旅で唯一フリーだったのは、3日目。

基隆と淡水を訪れたその朝は、ホテルから街並みを眺め回しながら台北駅まで歩いた。 ところが、帰途が大変。同じ道を通っているはずなのに、何故かさっぱり道が解らない。 朝はその気配もなかったのに、夜になって、同じその場所が道路工事中になっていたのだ。 強制的に大きく迂回して歩かされ、家人と私は、すっかり方向感覚をうしなってしまっていた。 こうとなれば、誰かに聞くしかない。誰かと言っても、日本人を簡単に見つけられるはずもなく、畢竟台湾の人という事になる。 工事現場の傍の衣料品店のおばちゃまに、まずは尋ねてみた。 彼女は店の中へ我々を誘い、広告チラシの裏に略地図を書いてくれた。 「よし、これで大丈夫。」とほっとした思いで「謝謝。」と心からのお礼を言った。 家人と私が歩きだすと、おばちゃまが息を切らせて店の奥から飛び出て来て、 「そっちではなくて、こっちだ。」と別の方向を指し示した。 店番そっちのけで対応してくれたその親切な心に、胸は熱くなる。

こんな小さな触れ合いがあるから、旅はやめられない♪
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